文月の七 / おはなし会でストーリーテリングを

●7月某日: (facebookより)

『エパミナンダス』2公演、無事つとめました! というと、おおげさですが(笑)。
今日は、子どもの小学校で、読み聞かせボランティアサークルが主催する「学年おはなし会」でした。

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 2時間目…1年生(3クラス)
 3時間目…2年1組、2組
 4時間目…2年3組、4組
 5時間目…さくら学級(支援級)
(ちなみに6時間目…授業参観。そののち懇談会)

という長丁場。
facebookの友だちにも読みボラやってる方が少なくないので、プログラムも載せますね。参考になれば。

●1年生
・ほしい (ペーパープレイ)
・めっきらもっきら どおんどん (おはなしの絵本)
・木がのびる (体遊び歌)
・メアリーさんとブラウンさん (指人形でおはなし)
・みずたまレンズ (科学絵本)
・いっぽんばしわたる (たのしい大型絵本)

●2年生
・ほたるこい(輪唱)
・きょだいな きょだいな(たのしい大型絵本)
・とべ バッタ(おはなし&科学絵本)
・木がのびる(体遊び歌)
・エパミナンダス(ストーリーテリング
・いわしくん(牛乳パックでおはなし)

●さくら学級
ぐりとぐらのおやくそく(人形でプロローグ)
ぐりとぐら(おはなし絵本)
・ももりんごなしパイナップル(体遊び歌)
はらぺこあおむし(おはなし&科学絵本)
・あめふりくまのこ(うた絵本)

この中で、私のメインの担当が、2年生向けの『エパミナンダス』。
ストーリーテリングというのは、「読み聞かせ」でなく「素語り」といいますか。おはなしを暗記して、何も見ないで語るやつね。今回初めてチャレンジした。

「うそーっ!」「子犬がやばい!」「ぜったいまたしっぱいする」「ぜったいパイふむ」など、先の展開を想像して、声に出さずにいられない子たち。予想が的中すると、「ほらやっぱり!」と得意げな声も。かわゆい低学年。

だーいぶ、ウケてた気がする。ええ、お話自体がすごく面白いからです。私の話術ってわけじゃないっす。

お話を覚えるのはもちろん、読み聞かせるより手間ではある。でも、ストーリーテリングのいいところは、子どもたちの顔や反応をじーっと見ながらできること。パワーの交歓、って感じ。これぞライブの醍醐味よね。子どもたちの受け取るパワーって、すんごい。

そのほかは、見てのとおり、ほとんどの絵本も手遊び系も、幼児期のころとあまり変わらないラインナップです。

小学生なんだから、いきなり難しい絵本(本)ばっかり読ませようとする必要は全然なくて、いい絵本は、幼児にも、小学生にも、大人にもそれぞれ響くもので。いい絵本は、何度見たって聞いたって、やっぱりすばらしいもので。

特に、小学校に入ると、子どもたちすごく忙しい。次々に授業があるし、帰ってからも宿題がある。そして、自由な時間には、テレビやゲーム、youtubeなど強い刺激の映像系の娯楽を消費していたりする。

だから、たまに絵本を見るときくらい、疑いのない名作で、ほっこりしてくれたらいいな~という感もある(それだけじゃないけど)、セレクトなのです。

しかし小学校というのは、規律と抑制を美徳とする面があり、絵本を読んでもらうにしても、ピシッと並んでキチッと座って、目をキラキラ輝かせて聞かなければならないとされています。

自信をもって名作をお届けしているとはいえ、絵本なんて当然、個人の好みもあるし、「そもそも絵本なんて聞いてらんねー、何がいいのかさっぱりわからん!」という子がいても、まぁおかしくないのに、ピシッ・キチッ・キラキラを強制されるのは気の毒だし、職務上、そうじゃない子を注意しなければならない先生も気の毒な気もしてきたり。

私がお話した『エパミナンダス』。これは主人公の男の子の名前で、この子が無邪気にシャレにならない失敗を繰り返し、お母さんはそのたびに嘆息しつつお説教するんだけど、懲りない子どもにゃかなわない! ・・・という、罪のない、愛のある笑い話なのですが、会の最後に、とある先生が

「みなさんは、ちゃんと自分で考えて行動していますか?できてなくて、失敗したり、迷惑かけたりしてる人もいるのでは? そういう人は、エパミナンダスを笑えませんよ・・・」などと、まさかの教訓オチに・・・。

「それを言っちゃあ、おしめぇよ」と、私の中の寅さんが心で叫んでいましたが、
先生の思考回路も、わからんでもない、気もします。
先生も、大変なのだ。
ほかのお母さんは、苦笑しつつ「小学校ってそういうところだから。」と言っていました。

息子と1年生の時に同じクラスだった、やんちゃなSくん。
今日も、姿勢を崩し、ちょいちょい友だちにちょっかい出しながら聞いていて、途中、先生につまみ出されるシーンもありましたが。

絵本『とべバッタ』のとき、斜め後ろから見ていた私を振り返って、「これ、知っとる! 保育園でよんだけん」「へびに見つかるとよ」などと、さかんにアピール。うんうん。ですたい、ですたい。

でも、続けてSくん、「これ、さいごは、けっこん・・・けっこんしき、だったよな。」と、言う。
(いや、羽を出して、ビューンと遠くまで飛んでいって終わりですけん。)(ほかの絵本と混同しとーとかいな?)
と、内容を知っている私は思いつつ、Sくんには曖昧なリアクションしながら見ていたら。

確かに、文章としては、「はるか遠くまで飛んでいった」みたいなラストなんだけど、本編が終わったあとの、おまけカットみたいなところに、主人公バッタと、ピンクのバッタとの2ショットが!しかも、チューってしてるみたいに見える! 結婚や!!!

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Sくん、このことを言ってたんや!!! と超感動。やんちゃで、落ち着きがない感じで、去年も今年も、いつ見ても先生に注意されているSくんだけど、彼なりに、お話を楽しんでるんだ。

そして、「文字であらすじをサーッと追って終わり」になりがちな大人と違い、子どもは、おまけカットまで、ちゃーんと味わって読んで、記憶してるんだ~! 子どもの力と、すばらしい絵本を読み聞かせる意義みたいなものを、再確認!

参観まで中途半端に時間があるし、サクのミニトマトの鉢をもっていったん帰る(親が持って帰ることになっている!子どもには重いから)。炎天下の中1キロちょっとの道のり、なかなかの苦行であったw 

参観は、図工。カッターを初めて使うので、子どもの隣で安全を見守ってくださいとのこと。なんか、それもどうなのって感じだけど。こういうときいつも思うけどサクはなかなか手先が器用。私にはない遺伝子を感じる…。

サクの友だちの子、何人かに「エパミナンダスむっちゃおもしろかった!」的なことを言われる(翌日、「エパミナンダス、図書館で借りたよ!」と言ってくれた子もいた)。ストーリーテリングを初めて体験する子もけっこういるのだと思われる。絵本のようにわかりやすいビジュアルがないけど、その分、自分の想像力でお話を聞けたときの充実感は大きいのだと思う。

サクには、私がやることは黙っていたのだが、「あー、おかーさんじゃないかと思っとった」とのこと。彼はどんぐり文庫でもうちでも何度も聞いたことがあるので、特に新鮮な感動はなかったもようで「もりあがってたな」と冷静な論評であったw

夜ごはんは、鶏かつ、スパサラ、野菜いろいろ。夫は飲み会だったんだけど、夫が日曜の夜に揚げといてくれた鶏かつがあったのだ!!!