水無月の十四 / 高橋プランクトンpresents「我ガ唄」

●6月某日: (翌朝書いたfacebookより)
ゆうべは高橋プランクトンpresentsのライブイベント「我ガ唄」へ。清川キャバーンビート。自分の歌を持ってる唄い手が次々に出てきてとても面白かった。

「さえきズッキーニ」っていう名前の女の子の歌にびっくりさせられた。2000年生まれ。たったワンフレーズで鷲掴みにつかんできて何度も何度も気持ちよく揺さぶられる。

ライブが終わったあと高橋プランクトンさんが
「暗いだけの歌を歌っている奴はいっぱいいる、暗い中にあたたかみが出てくるといい。それはだいたい年齢を重ねて出てくるもんなんだけど、さえきズッキーニはもう持ってる、それがすごい」
って話してて、ナルホドーと思った。暗い中のあたたかみかー。

私は彼女の歌、「キライ」とか「キタナイ」っていうネガティブな言葉が、ネガティブ感を失わないままキラキラと響くのがすごいなって思いながら聞いてた。「話したいことがあるじゃない?」ってサビで繰り返す歌が、明るい感じなのに切実なのもよかったー。

かなりキャッチーな印象もあるけど、「聞いてる奴がどう思うかとか知らん」みたいな勇ましいライブっぷりで惚れるしかない。この登場は(って割と最近登場した人ですよね?)センセーショナル!

グンナイマイキトゥンの歌はすさまじい技巧なんだけどいつ聞いても揺るぎないテンションつまり魂が入ってるからこそミュージシャンがみんなヒューヒューいうんだろうな。

でも「凄すぎるもの聞くと閉じちゃう人もいるよね」ってサニーさんが言うのもわかる。

実はミュージシャンが独りよがりの歌を歌ってるんじゃなくて、閉じてるのは聞き手のほうだったりする。
でも何回か聞けばすっと入ってきたり沁みてきたりもすることもあるんだよね。1回だけじゃわかんないものを面白いって思える感性はどこからくるんだろう。飢え?

学生のさえきズッキーニとか、今日初めてライブをしますっていうムコウさん(この、『処女をいただきました』感…どきどき)みたいな若い人と、チャーリー林さんみたいなベテランが一緒に出てるのも面白くって、林さんの歌きいてると生活の実感みたいなのが出ててすごくいいなって思う。かなり攻めてる詞を歌ってると思うんだけど言葉がふわふわしないのはさすがで、きもちよーく歌ってる感じだけどリズムがきっちり気持ちいい。

で、安田サニー、すごくよかったよ!!! サニーさんソロであんなに盛り上がるって知らんかった(笑)。

やりたいことがよくわかるなーっていうライブだった。ライクアローリングストーンで転がりながらワーッて盛り上がって(サニー訳の日本語詞めっちゃいいやん)、でもワーッて盛り上がるって「大きな歌」になっちゃうとこがあって、その直後にPKOという「大きなテーマなんだけど小さな歌」を歌うのすごいよくわかる。・・・って思いながら聞いてたら「HINOMARU」のクソキレ絶叫きた(笑)。自分が生まれた国にキレて何が悪い?!って話ですよねわかりますwww

この流れで書くと野田洋次郎さんのHINOMARUはさ、自分の国を好きだという詞が、なぜ御国とか御霊とか気高い血潮とか、そういう手垢にまみれた言葉のパッチワークになるのか?ってことなんだよ。まして手垢だけじゃなく、悲惨な死とか死んだほうがマシってぐらいむごい生を導いた言葉だって想像したことある? 

サニーさんが絶叫するまでもなく(笑 いや、すごいよかったよ。ほんとほんと。他の人たちはどう感じたのかすごい知りたい。)、最後に高橋プランクトンが「君だけのロックンロールを歌え、君だけの言葉で」っていうすごくいい歌を歌ってくれて、そうだよほんとそれに尽きる。失恋だろうが日の丸だろうが自転車パクられた話だろうが、君だけのロックンロールで歌えよ!!!!

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プランクトンさんが最後に歌った歌の最後でがんばれがんばれがんばれがんばれがんばれって連呼する。あんなにせっぱつまったがんばれ、初めて聞いたかもしれない。どうしても他人事感を醸し出しちゃう言葉ですよ、普通。

いいライブを見ながらお酒を飲むのは楽しい。いい音楽は酒をすすませるし、プランクトンさんが「投げ銭いらないんで飲んでください」って言ったのもあってけっこう飲んだ。けっこう飲んだけど飲み過ぎなかった私エライ! 大人になった!! 

清川キャバーンビートはお酒も食べ物もおいしくて安くて音響がよくて、しかも禁煙だからすっごくいいライブハウスです。それでは今から市議会の傍聴に行ってきます。

ライブのあといろんな人と話したのも面白かった。あ、夜ごはんは、パリパリ麺の皿うどん、みそ汁、ホウレンソウの白和え。家族と一緒に、軽く食べてからライブに行きました。