#自分を作り上げた映画4選

#自分を作り上げた映画4選

どれも大学生以降に見た映画なんですが、このころから私は、「ピュアネスを失ったあとも続く物語」にすごく惹かれるようになり、それは今も変わっていません。大学時代の私に何があったのでしょうか(笑) いや、そういうお年頃なんだよね。

その筆頭が、のちにスパイダーマンとしてブレイクしたトビー・マクワイアが孤児院につとめる(自身も孤児)繊細な青年の恋と別れを演じた『サイダーハウス・ルール』ですね。

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孤児院では、院長が違法行為である堕胎手術をこっそり行っている。ピュアネスをエロスが駆逐して退廃していく必然。戦争が個人の人生に与える悲劇。でも人間は弱いだけじゃなくて強い。人生は悲しいけど美しい。映像文学、という言葉がぴったりで、劇伴も美しくて、何度も見ました。

作監督の『おもちゃ』も何度も見ました。昭和30年代、売春防止法施行前後に、京都の花街で舞妓見習いする少女がデビューするまでの日々。

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デビュー、それはつまり『水揚げ(=処女を売る)』を意味するのですが、それがイノセントの喪失ではなく、何かとても輝かしいところへの「主体的な」到達のように描かれていたのが印象的でした。

すれた姉芸妓たちを演じるのが南果歩喜多嶋舞で、置屋の女将が富司純子、そのパトロンが先ごろ逝去した津川雅彦。それらのあけすけでドライな描写もいいんですよねぇ。

宮崎駿アニメといえば、ナウシカラピュタを推す人が多い世代で、それらも大好きで何回も十何回も(再放送のたびにw)見てるんだけど、一番好きなのは魔女宅なんだな~。

魔女の宅急便 [DVD]

修行という名の冒険にたった一人でとびだして奮闘するキキ。世の中というものを体験し、飛べなくなる(ピュアネスを失う)。

冒頭、パパの「いつのまにこんなに大きくなったのかな~(高い高いしてグルグル)」から、涙腺刺激ポイント多し。女の子をチアする映画だと思う。「落ち込んだりもしたけれど、私は元気です」は、本当に大好きなフレーズ。

シティ・オブ・ゴッド』は、今はなきシネテリエ天神で見たブラジル映画

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1960年代から80年代のリオデジャネイロのスラムが舞台で、麻薬、暴力、強盗、レイプ、殺人、そして復讐の連鎖がこれでもかと描かれる。

劇中、ものすごい数の銃声を聞くんだけど、一発一発に衝撃がある。見終わって外に出ると、まるで現実のほうが非日常みたいな感じがした。

「なまっちょろいところは、ひとっつもなし。あまりに軽く扱われる命に心が重くなる社会派映画でありつつ、クールでスタイリッシュな青春映画のようでもある。」と、当時、感想を綴っていた(2003年。ブログって便利ね~)。もう一度見たいなあ。

で、4選の次点の映画はたくさんあるんだけど、今もう一度見たい映画がある! それはやはり女子をチアしてくれる青春映画、『ベッカムに恋して』。

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上映当時、この邦題だけで百万人は観客を逃したと思うんだけど(笑)私は見た!ベッカムのファンでもないのに!(笑) 

移民としてイギリスで暮らすインド人の少女が主人公で、女子サッカーを通じて恋や友情、そしてジェンダーや文化の問題が描かれるんだけど、これがすごく爽やかでいいんです。ちなみにこちらは、今はなきシネ・リーブル博多で見たと思う。

このタグ、面白いですね。「自分を作り上げた映画」っていうのは「好きな映画」とはちょっと違うし(まぁ結局、好きな映画ともかぶるんですけど)、ベスト10じゃなくて4選っていうのがまた、意味深でよい。みなさんの #自分を作り上げた映画4選 知りたいなあ😊