水無月の六 / ケアする女性こそ、表舞台へ!

facebookより)
「女性の力で政治を変える」に参加。

facebookでイベントページを見て、すてきな方や会いたい友だちが参加表明してて、その数は十数人といったところだったので、軽い気持ちで出かけて行ったら、お部屋は超満員😮 ローカル局のカメラも2台きてたようです。

大阪大学大学院の牟田和恵さんの講演。
先月公布・施行された「男女候補者均等法」いわゆる「パリテ」法をみなさんご存知ですか❓

国会・地方ともに、政党は候補者をできる限り男女同数になることを目指さなければならない。
という
女性議員を増やすための政治のポジティブアクション

ようやく世界標準に近づいてきた・・・・と言いたいところですが、
日本版パリテ法には、今のところ数値目標や罰則 / インセンティブなどの「実効性を担保する策」がなく
「これでパリテ法を名乗るのはちょっと厚かましいんじゃないかしら…💦」
と関係者のみなさん感じつつも

「いや、だからこそ、敢えて【パリテ法】で推していこう!
 名前にふさわしい中身に育てていくために!
 そして将来的には、男女同数が当たり前になり、パリテ法なんて必要なくなるのが理想」

とのことです。
「どこかの政党が、きちっと男女同数を実現し、それが可視化され、評価されれば、そうでない政党も無視できなくなるだろう・・・」と。

この日本版パリテ法については、ちょうど最近、Twitterロンブー淳のつぶやきが流れてきて。
(何度も言いますが、私はヒマ人なのでSNSは全部やってます 笑)

【国会、地方議員の選挙で男女の候補者の数をできるだけ均等にするという事なんですが…
優秀でこの人なら任せられると思えば、均等じゃなくても女性の方が数が勝ってもいいのでは?なにも均等にこだわらなくても… あと優秀な男性が均等法で足切りされるのも納得いかないし…】

このつぶやきに、100以上の返信(コメントみたいなものね)がついているのですが、
ざっと見た感じ、8割以上がざっくり「パリテ法反対」意見でした。
興味のある人はごらんください。 ↓
https://twitter.com/atsushilonboo/status/1002377751033081856

それがそのまま世論の割合とは思いませんが、SNSってそういう意見を可視化するよね~

さて、牟田さんの話に戻って。

今、社会学では「ケア」の重要性についての研究が進んでいる。という話がとても勉強になりました。

人間は、基本的に「依存」する存在である。
お腹に宿って、生まれてきても、自分では何もできない。
(日本では)少なくとも20年近く、親など大人の庇護を受けなければならない。
また、個人差や程度差はあるけれど、最期を迎えるまでの数年(十数年…数十年の人も?)は何らかの形で介護を必要とする。

つまり、人生のうち1/4くらいは、他者にケアしてもらわなければならない。
=依存しなければならない。

というか、ちょうどこの朝、安田サニーさんとやりとりしてたんだけど、
そもそも、家事に関していえば、自分でやるか家族がやるか外部委託するかのチョイスはあれど、生まれてから死ぬまで発生し続けるものだからね。
自分でやらず、外注してお金を払わなければ、それはケアをお願いしている=依存してるのと同じだからね。

日本では家事育児にしろ介護にしろ、この依存=ケアを女性が担ってきた。
ケアには道徳的責任が伴う(ほっぽらかせない)から、その期間は、就業つまり稼ぐことは容易ではない。
夫なり子どもなり、他の人に稼いでもらわなければならない。
つまり、ケアする人もまた、自立できない。経済的に誰かに依存しなければならない。
たとえ、育児や介護が終わっても、じゃあ翌日から、「バリバリ正社員で稼ぎます!」となるか?
というと、それが現実的に難しいのも自明の話。

ケア労働は、一生にわたるペナルティになっているのが現実だ。

ケアは人間にとって必然的な、根源的な営みであるにもかかわらず、ケアを担う人は社会的に自立できない、
まるで格下の市民のように扱われ、その声が拾われない現実。

社会は、自立できる人を前提に成立していて、公職には、「ケア労働」を知らない(免除されている)人がふさわしいとされている。

女性議員が増えたら、ケア労働者の声を可視化できる
多様な生活者のニーズを政治に反映できる
ひいては、
人と社会のありようの見直しや、
多様な個性を尊重したうえでの平等な社会にもつながる

というお話でした。

こないだ立憲民主党の「立憲アカデミー」に行ったとき
(あ、このレポート、あげてなかったな・・・枝野幸男の話がナマで聞けるってんで、ホイホイ出かけて行ったミーハーです)
「もちろん男女同数を目指してがんばるけど、立候補してくれる人を探すのがやはり難しい・・・」
と、枝野さん、言ってましたが。

「私なんて、キャリア、何もない。
 非正規職員とか、家事育児介護しかしてきてない。」
という女性がいれば
「そんなあなただからこそ、新しい時代の議員にふさわしい!」
ということです。

・・・と牟田さんは言ってましたね。

ほんとそうだよね~。
と、すごく共感します。
「女性の力で社会を変える」 
そう信じるコアなメンバーがリーダーシップをとっていくことが必要だと思います。

でも一方で、
多くの女性は・・・(女性に限らず、多くの市民は・・・)
「自分たちに社会を変える力がある」
なんて、さらさら思ってないし、

そういうのは、誰か特別な人がやること。
間違っても、自分はかかわりたくない。
と思っている。

この日のイベントのタイトル「女性の力」も「政治を変える」も
大多数の女性を力づけるより、逆に、ドン引きさせるワードである。
というのが、まだまだ現実です。

そういった大多数の女性に届く言葉。
また、ロンブー淳のつぶやきにぶら下がる、パリテ法反対の人々と対話できる言葉。
そういう言葉を、私たちは持たなければならないなあと思います。

「パリテ法・クオータ制不要論? そんなの50年前にすんだ議論だよっ!」
と、こういう会ではその一言で済み、笑いが起きるのだけれど、
現実には、そういう言葉や、反対以前の無関心とも、辛抱強く向き合わなければならない・・・。

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とにもかくにも、とても活気があって、終了後のお茶会含め、元気な女性たちがたくさんいて、お話して、元気になれる会でした。

さて、そんなこんな私が勉強している間、うちの男たちが用意していた夜ごはんが写真です。
夫がイワシを手開きして揚げ、息子が餃子をせっせと包んだようです。それを食べるだけの私・・・
牟田さんが言ってた「ケアのフリーライド」って言葉が浮かびましたよね(笑)

facebookでは、この投稿にいろんなコメントをもらって、そのやりとりも面白かったです。興味のある方はどうぞ~facebookやってない人も見れると思います。
https://www.facebook.com/emiinoue9024/posts/2185956651690942