霜月の十二 / もうひとつの「おおきなかぶ」

●11月某日: 午前中から、読み聞かせサークルの打ち合わせと練習で小学校へ。来週の、5・6年生&支援級の授業に入る「お話会」の練習。絵本の読み聞かせだけでなく、ストーリーテリングや、手遊び歌、ペーパークラフトなどもあり、すごい楽しいプログラムだ(私にとって)。来月の、1年生の「読書タイム」各クラスの人選。来月の「昼休みお話会」のプログラム&担当決め。そして全校生徒(家庭)に配布するサークルの通信の担当決めなど、盛りだくさんの内容・・・。

そのまま、昼休みお話会。今度読む絵本をお借りするためYさんちの玄関まで行って(超立派なお宅で息をのんだ)、2時半すぎ帰宅。行く前に軽く食べてたけど、やっぱりまた小腹が減って、おにぎり一つ。

8時半から友だちと飲みにいくんだけど、家族が食べてるの見たらスルー出来なくて、夜ごはんのシチューを小さなお椀に1杯。なんか、中途半端に食べ続けてる感のある今日だ。サク、「こんやは、お母さんとすごせないのか~」とかわいいことを言っていたが、いざ私が家を出るときは、テレビの情報バラエティみたいなの見ながら、テレビの中の人と一緒になって、体操かなんか夢中でやってた。ふ・・・w

焼き鳥屋を探してたんだけど、このあたり、火曜日定休の焼き鳥屋が多すぎ~! 局、焼鳥ではない肉の店に行ったけど満足~! 自家製ソーセージとかラムチョップグリルとかタコときのこのアヒージョとかレバーのパテとか食ったった。赤ワインとスパークリングワインとビールも。超しゃべった。

●11月某日: (facebook投稿より)

【途中、なぜか下ネタになってしまいましたので御注意を】
いや~、ゆうべは肉食女子の集いで、肉バルでしこたま食べて飲んでしゃべって、気づけば0時半でしたよ~。
今朝は夫と子どもを送りだした後、ひっさびさに文庫本をお風呂に持ち込んで、長いバスタイムを堪能しました。

何読もうかな~って本棚を開いて(開閉式本棚です!)、ふと目に留まったのが村上春樹のエッセイ集『村上ラヂオ2』。

村上ラヂオ2: おおきなかぶ、むずかしいアボカド (新潮文庫)


この中に収録されている「ベネチアの小泉今日子」を久しぶりに読みたくなったのです。で、その章を読んで深く頷いたあと、同じ本をぱらぱらとめくっていると、こんな話が。

「日本の書店の小説コーナーでは、「男性作家」「女性作家」に棚が分かれていることが多い。欧米ではまずそういう分類はない。日本ではこうなんですよ、と(外国で)言うとみんな驚く。そんなことをする意味がいったいどこに? と。
その代わりといってはなんだけど、外国の大きな書店には、「ゲイ・レズビアン作家」コーナーがある。」

面白いのは、この直後に、

「こないだ近所の魚屋で、シシャモを男女(つまり雌雄)別に並べて売っていた。値段はオスの方が断然安い。メスは子持ちで卵を持っているから、そのぶん価値が高いわけだ。オスはすっきりスリムで、見た目はかっこいいんだけど、魚屋的にはそんな非メタボ性はまったく評価されない」

とシシャモの話題に移っていること。村上さん…。

みなさんが村上春樹の本を読んだことあるかわかりませんが、この人は本当に文章が上手いです。いや当たり前ですけど。そしてものすごくユーモアのある人です。これがあまり知られていない。彼の本を初めて読むなら、小説よりもエッセイをおすすめしますね。「どうでもいいことばかり書いてあるけど、人生って何だか良いものだ」と思えます。

また、この本には『おおきなかぶ』についてのエッセイもあるんですが、これが一度読んだら忘れられないくらいのシロモノです。

「おおきなかぶ」と言えば1年生の国語の教科書にも載ってるロシアの昔話だけど、実は日本にも大きなかぶにまつわる古い民話があるんです、『今昔物語集』に載ってるよ、と紹介する村上さん。

今は昔、旅の男が夜中に突然激しい性欲に襲われ、「ダメだ、どうにもガマンできんぞ」という困った状態になった。
ちょうどちかくにカブ畑があったので、大きなカブを引っこ抜き、穴をあけてそのカブとナイスな感じで交わった。(←村上さんがホントにそう書いてるのよ!)

数分後、「ああすっきりした。」と(←村上さんがホン…以下略)、男はそのカブを畑に放り出し、旅を続けた。
翌朝、娘(15歳)が畑仕事にやってきて、穴のあいたカブを見つけ、「あら変ね」とか言いながらそれを食べてしまうと、数か月後、お腹がぽっこり膨らんできた・・・。

続きが気になる人は『村上ラジオ2』を読むか、私に問い合わせてください。
ちなみに今昔物語集って、平安時代に編集されたものですよ…千年前…!

この下品すぎる章の最後に、村上さん、

「なんか変だけど、ま、いっか、
 と思っちゃう国民性は、革命には向かないかもね。」

と小さい活字で書いている。それな! さすがっす、村上さん。

そんな村上さんが25年くらい前に書いた比較文化論的なエッセイ集がこちらです。

emitemit.hatenablog.com

こちらもとても面白い。
25年以上経った今だからこそ、「当時、日本はそんな国だったのか!」とか、「アメリカって昔からそうなんだね」とか「アメリカのフェミニズムとは」とか、いろいろあります。

章タイトルからして、独創性にあふれている!
「黄金分割とトヨタ・カローラ」
「元気な女の人たちについての考察」
「ロールキャベツを遠く離れて」
「運動靴をはいて床屋に行こう」 などなど。
 
中でも最高なのはやっぱり、
「梅干し弁当持ち込み禁止」
でしょう! 大好き。

放課後、校庭開放の時間が終わってもサクがなかなか帰ってこない。雨も降ってるし…。ちょっと下まで降りてみようとしたところでピンポンが鳴った。鼻と鼻の下、ケガしてる。唇も腫れてる。下り坂を走っていて転んだらしい。

転んだ地点から家までだいぶ距離があったのでかなり我慢してたみたい。心を込めて慰めるとうえーんと泣き出した。あら~。サクが泣くの、半年ぶりだわ。いいんだよ~まだ7歳だから泣きたいときはいっぱい泣いていいんだよ~、もうおうちだから安心していいよ~。と心を込めて慰め続ける。途中からコーヒー淹れて飲みながら慰めてたんだけどw 

ひとしきり泣いてすっきりしたあとはすごく元気になって、夜ごはんの鉄板焼きももりもり食べてた。『イッテQ』の録画を見る。ウッチャンとイモトのロケなんて絶対面白いに決まってる!と思ったのだ。サクが寝てからは夫と『監獄のお姫さま』の5話。子どもとの別れはアカン・・・(´;ω;`) ラストシーン、車から降りてくる伊勢谷友介! ヒールっぷりがすばらしかった。