如月の十一 / 五味先生、講演・・・のはずが?

●2月某日: 今日はめったにない経験をしました。放送大学が一般にも開放している講演会に、中世史の大家・五味文彦さんの回があったので、年明け早々に予約していたのだ。朝ランを早めに(4kmちょっとで)切り上げ、キャナルに買い物に行くという夫&サクチームを見送って、いそいそと15分前に会場入りしましたら・・・

定刻になり壇上に上がった責任者(福岡センター長)が「実は、大変なお詫びをしなければなりません。五味先生が日程を一日間違えて把握していたため、本日はお見えになれません」と告げるではないですか! 会場200人の受講希望者、どよめく。

説明をまとめると、先生はケータイ持っておられないのかもね。前日も地方の仕事で、連絡がとれなくておかしいなと思っていて、今日空港に迎えに行っても来られなくて、そこでやっとご自宅に電話がつながったとかなんとか。「年はとりたくないものです」と先生自身も大変なショックを受けていたとか・・・。

先生は明日の(飛行機?)チケットは持っているので、受講者がたった1人しかいなくても、明日の同じ時間にやらせてほしいと言っているという。会場の半分以上の人が「明日来ます」と挙手していたようだった。で、今日は、先生の放送大学でのビデオ講義を放映するので、希望する人は見て帰ってください、と・・・。

「ここまで来てビデオか、とお思いでしょうが…」とひたすら恐縮するセンター長に、1,2の厳しい非難の声も飛んだが、わざわざ出向いてまで歴史の講義を受けようという向学心旺盛な大人たちはさすがにモンスタークレーマーになることはなく、おおむね冷静な受け止め方をされていたのでよかった、よかった。私は・・・夫は「どうぞ」と言ってくれたが、土日の両日を小さい子と離れるのも忍びないので、明日は見送ることにした。希望者には、明日の講演の録画を焼いて送ってくれるそうで、アンケートにメールアドレスを書いて渡して帰ると、帰宅したころには既にセンター長の名前で、短いけれど真摯なメールが届いていた。

夜ごはんは、餃子、鯛のあら煮、わかめ酢、大根とオイルサーディン炒め、トマト。餃子はサクもだいぶ包んで手伝ったらしい。講演会は残念だったけど、かなり残念だけど、長い人生、こういうアクシデントもあるさ。ごはん美味しいし無問題(モウマンタイ)。