2/12 読売新聞 「トランプ大統領登場の背景 アメリカポピュリズムの歴史」
2/10 読売。パリ政治学院名誉教授、メランドリ氏による「トランプ大統領登場の背景 未来を約束できぬ米国」以下、メモ。#新聞
— エミ-emitemit (@emitemit) 2017年2月12日
トランプ現象を理解するには「忘れられた人」という考え方を知っておくといい。社会学者サムナーの概念。黙って仕事に励む中間層は、労働の果実を税金として官僚機構に収奪される。だがその血税は勤労意欲のない下層に分配されてしまう。中間層は忘れ去られている。→ #新聞
— エミ-emitemit (@emitemit) 2017年2月12日
→中間層の怒りの矛先は従来は下層に向けられた。それが近年は、「約束」(=懸命に働けば生活は必ず良くなり、明日は今日よりもよくなる)を守らない支配層に向けられるようになった。#新聞
— エミ-emitemit (@emitemit) 2017年2月12日
大衆迎合の歴史。資本主義は富を作り出し、比較的公正に分配する制度で、民主主義に不可欠。だが資本主義が暴走し、貧富格差が甚大になれば民主主義は脅かされる。そうした事態の解決策は米国では時としてポピュリズム(大衆迎合主義)だった。権力の乱用を正す、進歩主義的運動でもあった。→ #新聞
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最初のポピュリスト大統領は民主党のジャクソン(在任1829-37)。銀行を敵視し、特権階層に歯向かい、大衆の支持を得た。第二次大戦に勝利した民主党のトルーマンは1948年の大統領選で「ウォール街の殺し屋」「特権階層の手先」など当時としては激烈な物言いで支配層を非難した。#新聞
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ポピュリズムは伝統的に左派運動だったが、50年代に右派の戦術に変わり、ナショナリズムの色合いが増す。共和党のレーガンはその流れにある。米国は70年代、ベトナム戦争に敗れ、石油市場を支配できなくなった。軍事的にはソ連が、経済的には日本が脅威。→ #新聞
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→レーガンは白人中間層の不安に配慮しつつ「米国を再び偉大に」と訴え大衆を鼓舞。市場原理を信頼し、減税と規制緩和を実施。国際的指導力を回復した。トランプが従来のポピュリズムと異なるのは、極端な外国嫌いにある。共和党が党是とする自由貿易に対しても保護主義の「壁」を築こうとする。#新聞
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米国は第二次大戦後、米ドルを基軸通貨として通商ルールを作り、北大西洋条約や日米安保など一連の条約を通じて、領土拡張を伴わない帝国になった。パックス・アメリカーナ。しかし同時多発テロで幕を開けた21世紀、アフガニスタン、イラクの2つの戦争に失敗。対テロ戦争で拷問の横行が発覚。#新聞
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トランプは米国を「貧しい国」と言う。歴史的使命には無頓着。トランプ発言の背景には、自らの未来に信を置けなくなった白人中間層の嘆きがある。戦後の国際秩序の支えは「信頼できる米国」だったが、壁の中に身をおくトランプの米国は支えにはならないだろう。#新聞
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