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『おんな城主直虎』 第4話 「女子にこそあれ次郎法師」

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やはり、生け花が好きで、上手で、優しい花を活けるお父ちゃん。そんなふうに暮らしていける時代なら良かったのにね。でも、そうはいかない。今川にいいように下知されて目付の小野にも舐められてて、娘を丸め込むにも追い返すにも妻の口舌を頼って、妻を荒ぶらせ、哀れで健気な娘の姿を見て、ようやく腰を上げる。

小野を斬るかと思いきや小野を助けて、「半分あきらめよ」って言うのがよかったね。白でも黒でもない、グレーな道を初めて選んだ。その覚悟と精一杯の知恵が、井伊谷をとりあえず9年間守る端緒になったんだろうね。

仇討ちの若侍に及び腰をなじられて、無礼討ちはもちろん反論もせず、これ以上ない屈辱を耐える姿が、彼がただのダメ当主でないことを示していた。小心者で器が足りないと自分でわかっている。だから直満も死なせてしまったのだと。わかってるから、これじゃいかんと頑張った。でも、人の器は簡単に広げられないわけで…。お父ちゃんが能天気な小心者じゃなく「自分のわかってる小心者」だと示したことで、この先さらにぐっとくる展開が予想される。

お母ちゃんもそう。おとわが出家を渋るや、おだてて調子に乗せて出家させる。そして、出家生活の実態を知ったおとわが帰ってきたら般若の顔と言葉で追い返す。10歳の少女に井伊の滅びなんて大きすぎる命題を突き付けて、端的にいってひどい。むごい。でも、お母ちゃんにはそれしかできない。その方法しか思いつかない。しんどいなあ。

前田吟のご隠居様の短慮も、小野の策士然としながらまったく胆力なさそう(先週、鶴が拉致されてかなり動揺してたのに、再会したら「災難だったな」って、面白い! 安堵を顔に出すでも、ご隠居をなじるでも、「拉致されるなんておまえが至らん!」と怒るでもなく、「災難だったな」って、他人事か!w)なのも、どちらもいい方向にはまったく転びそうにない。

それに比べて、次郎法師さんには悲壮感がない。




お姫様が井伊谷の安全保障のために出家させられて僧たちの中でたった一人暮らさなきゃいけなくなる、って説明したら悲劇的なのに、おとわちゃんのアチャー感はどうでしょうw

南渓が、次郎を寺には入れたけど、寝食や作務はひととおり作法通りやらせるものの、完全にその型に嵌めないってのがミソなんだな。それは次郎のためにはならないと踏んでいる。なぜなら、おとわは「次郎」だから。その名を、彼女が総領娘として生まれたからではなく、井伊の嫡男たる「次郎」の素質を持ってるから背負わせるんだねえ。それがおとわの幸せかどうかはわからない。でも、もしかしたらそれはおとわを力の限り生きさせる道なのかなと思わせる。力の限り命を使い切る生き方が幸せなのかな、と、おとわを見てると思う。

ま、それを南渓が負わせちゃったしっぺ返しも、どこかで巡ってきそうだけどね、森下さんの筆だから・・・。先週、今川館から解放されてきたおとわを見つけた小林薫の表情、回想で見ると何とも深いなあ。とわちゃんの笑顔も強い!

だからおとわってあんまかわいそうに見えないんだよね。土のついたカブをがっついてるおとわを見て、鶴が哀れまないのも良かった。それどころか、話を聞いたら「アホだな、相変わらず」だもんねw いや、言っちゃっていいんです、鶴くん。「あー、こんなことなら鶴とめおと約束しときゃよかった」なんて言う子だから、次郎は。この子を相手に溜めこんだら負けだ、鶴よ!

傑山がめっちゃいい。この短い出番で掴まれる。次郎に対して、特に哀れむでもなく、疎むでも無関心でもなく、過剰な思い入れがなさそうな笑顔や言葉がけが、いい。

んで、次郎と瀬名がこんないい仲になるなんて! いいよいいよ、そして将来を想像するとなんか、アアッてなる・・・! 着々と仕込んでくるよねー! 大河の子役ターンには基本的にさほど興味を持てないたちだけど、面白く見られました。この4話がのちのち効いてくるのが楽しみです。