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『おんな城主直虎』 第3話 「おとわ危機一髪」

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屋敷もなかなかのしつらえだしさ、杉本哲太はただのお侍というより、ちゃんと「殿様」らしい髷や着物だし、堀も巡らされていて、まあまあ立派なお家柄に見える。いや、そこそこ立派なお家柄なんだと思う。地名を名乗っているのだし、歴史ある一族なんだよね。上に立つ者の構えも慈悲もある。でも、戦国の世も煮詰まっていこうという時期には、ちっぽけなうえに、それを補う知恵も胆力もあまりにも足りない。

・・・てのが、はっきりしてくる第3話。直盛さんが良い装束を着てナリは立派で、お堀にジャバジャバ入って娘を抱きしめちゃうほど情深いのが、なんか「ああっ・・・(ため息)」ってなる。これじゃあ遠からず溺れるよねえ、って。

真田丸だってちっぽけな舟だったし、昌幸も信繁も辛酸の月日と無念の死だったけど、やっぱり稀有な例のひとつなんだよね、真田家って。彼らが九度山までたどり着くよりずっと前の段階で、たくさんの家が滅んだり乗っ取られたりしてるわけなんだよなあ。

直盛・千賀夫妻は、結局「今川に従うか否か」という二択でしか物事を考えられないし。直平おじじに至っては、コワッパ鶴くん以下の脳力レベルなのが判明。先週、平気で「おまえが断るなら弟に」なんつって嘯いた小野和泉は、その嫡男のかどわかしに意外なほど心乱されちゃってた。おとわちゃん、これから荷が重いぞ~。そのおとわも、今のところは泣きの1回を繰り返して「笑われたってコケたって諦めない!」って、真田に言わせりゃ「そんなものは策とは言えん」ぐらいのことが精いっぱいなわけで…。史実を全然知らないんですが、頼みの綱の(といっても大した綱じゃなさそうだけど)南渓和尚は長生きするんでしょうか。

あ、そう。今回、ぐっと惹きつけられたのは佐名と瀬名ですよね。佐名さんには義元公のお手がついたとのことですけど、よくわかんないのが、佐名さんがそれで兄の南渓を深く恨んでいるらしいこと。

人質に手をつけるって当時の道義でもあんまり良くないこととは思うものの、今川と井伊ほどの実力差であれば、まぁなくもないな、って感じだし、純潔をことさら重んじる時代でもないし、一族の女子供の誰かが人質に遣わされるのは戦国の世のならいだし、そもそも義元を恨みこそすれ、兄を恨む筋合いではないように思うのだけど、佐名は明らかに兄に対して何か特別な含みがあり、南渓のほうもそれを心得ていた様子だったよね。ここ、何か深ぁい事情がありそうだね。小林薫花總まり。役者が役者なもんだからか、なんかミョ~ウにセクシーな雰囲気もあって、めっちゃ気になります。

そして築山…じゃなかった、瀬名姫の子役ちゃんの顔の納得感! 彼女が美貌と気力と上昇志向を持っていて、意外にも気位はそこまで高くない(とわと普通に喋ってた)のがよくわかる登場だったんだけど、蹴鞠チャレンジ&その結末のときに、瀬名や龍王丸の心情を描写しなかったのは、「おとわ視点」だからなんでしょうね。おとわは自分が勝つことだけしか考えらんなかったから。駿府の都の賑やかな様子も、とわ視点で低ーいアングルから撮ってましたもんね。そうやって(正当な理由で)隠された瀬名の、あのときの心情が気になります。

それにしても、「何度もお手つき」「飽きたら雑巾のように」と生々しい説明はいかにも森下さんらしく、おとわちゃんもいつまでも無邪気な鬼ごっこを想像してはいられない…という描写があるんでしょうねえ、この先。そういうとこ濁さないからね。この人。

太守さまが喋った~!(クララが立った~!的に)。でも、おとわやら小野やらの下々とは直接喋んないよー、って感じがよかったね。寿桂尼さまは、ただ者ではないことは(浅丘ルリ子のビジュアルからして)わかるものの、どういう方なのかはまだよくわかんなかった。

流れて来るツイートを見るだけでも、森下作品らしく賛否両論なんだけど、それ見てて思うのは、劇中でまだわかんないこと、描かれていないことを、「今は意図的に描いていない」「然るべき時に然るべきことが語られる」と思えるぐらいの信頼感を、私が森下さんに持っているってこと。あー来週も楽しみ!