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『真田丸』 第44話 「築城」

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トンチキぶりに定評のある松姉さんが、通行止めにもめげず確固たる意思で真田の陣までたどり着くの良かったなあ。出雲阿国をここで回収。シルビア・グラブかっこよかった。先代の登場の時、まさか山三郎が出てきてあの逸話を匂わせるんじゃなかろーねとチラとよぎったけど、なくて何よりでした。踊り子の扮装で上座につく松。何をやってでも生き延びる、という真田の一族らしい画だった。しかし次世代の弟は「そんなん知らんし」と歯ぎしりする。この兄弟の帰着は、ドラマ上どうするのかな。

そのころ、姉に決死の伝言を頼んだ信之はと言いますと、沈痛な面持ちでのひとり語り…かと思いきや、お通さんいるじゃないですか。え? てか、お通さんは生粋の都人で、お兄ちゃんは体調が悪いから参陣できないっていう理屈だったんじゃ・・・は? 江戸に呼び寄せてんの?! ここにきて隅におけない流れw このこのォw 

八木亜希子がなかなか見事に年を取っていて(鈴木京香の寧と同じく、そういうメイクに徹してるのもあると思う)、内緒の女、京の雅の人といっても、生臭さがないのが信之っぽいのだが。匂いに注意するのは不倫の基本のキなのにそこであっさりバレるのも信之w さあ、「真田の女」稲は怒るかな? 九度山仕送りの件はとっくにバレてて、看過してたようにも思うし、まぁ側女の一人や二人、九万五千石の大名ですもんね。でも、手の痺れについては稲も優しくさすったりして労わる描写があっただけに、京の女に良い匂いで治されたらいい気はしませんよな。という、微妙な案件。




安定の伊達政宗と安定の上杉主従w このちょっとした出番でもクスッとなっちゃうのが三谷脚本の巧さやね。伊達なんてさほど出番ないのに、キャラの定着ぶりがw 

内野さん、メイクや動きでの老年の表現はもちろんすごいけど、老けたガラガラ声であんな大音声を張り上げるってさすがだなあ。

秀忠は、相変わらず父には頭が上がらないようでいて、ずいぶん変わっている。以前は父の前では能面のようだったのに、父のやることにいちいち慌てたりため息をついたり、「お年を考えてください」とも言ってたし、仰げと言われたら「はいはい」って返事したw 秀忠かわいいよ秀忠。将軍職十数年の自信が所帯感をw

大坂城では、又兵衛と勝永がヤンキーコンビみたくなってて、信繁を自分らとは種類が違う人間とは思いつつも一目おいてるふうなのがおもしろい。とにかく大坂城に21世紀の雰囲気を漂わせる人間がいないのがすばらしい。いや、大坂城だけじゃなくこのドラマ全般そうか。

ラスト近く、くっつき虫を宣言する木村重成を含んだ信繁・又兵衛一行が、塙やら大野弟やら明石やらと次々にすれ違い会話を交わす流れが舞台っぽくて面白かった。「スペースの節約面でも真田丸は優れている」みたいな記事が最近出てたみたいだけど、そんな中で面白い場面をヒョヒョイッと(かどうかわからないが、そう見える)書けるのが脚本家のセンスと経験値だろうね。

徳川方に情報を伝えている内通者、手紙の末尾に「お」の記名があった。「お」がつく御仁、城内に何人かいるけど、その「お」もひっかけ問題かもしれないけど、多分、あの人だよなあ・・・。



すみません。矢八じゃなくて与八やん。漆を三度塗り・・・すごいね。アレルギーの人は戦に行く前に倒れるし。

このドラマでの茶々は他人の心にも政治にも疎いし信繁を色仕掛けで落とすようなこともしないけど、それなのにというか、それだけにというか、ブラックホールみたいに怖い。






茶々は怖いけどこのドラマで一番脆い女の人でもあるし、だからこそ怖く、面白いのです。信繁とも、単純に「心の恋人」「結ばれなかった運命の人」みたいになるんじゃなく、愛憎入り混じるというか、決して羨ましくない運命の2人って感じなのがいいです(笑)。

戦国モノで茶々といえばどんな作品でもある種のキーマンで、大河だけでもこれまで樋口可南子やら松たか子やら小川真由美(!2000年よ!!)やら瀬戸朝香、永作博美にフカキョンとそうそうたる女優が演じてきたわけで、近年では宮沢りえの憑依っぷりが(脚本がアレだったのにという驚きもあるので)印象深いのだけど、歴代の中でも今後屹立して語られる茶々の一人になるんじゃないでしょうか、この茶々。竹内結子のどっしりとしてるのにホロリと崩れそうな独特の雰囲気もすばらしい。




だいたい大河の11月って、作る側も見る側もいいかげん疲れてかなり消化試合っぽくなってしまって、がんばってテコ入れしても往々にして的外れだったりするんだけど(笑)、さすが三谷さんは子どもの頃からの大河オタクだし2度目の大河執筆だしで心得てるなあ、と。2度目っていうのも大きいと思う。「新選組!」も最後まで面白かったんだろうけども。見どころのある脚本家には2度目を書かせてほしいなあ。ま、一回でもうこりごり、って作家も多いか。あと、2度目でぐだぐだになった田淵女史のような人もいるけど・・・



ことさら時代がかった言葉を使わないこのドラマで、ここでは「真田丸だ!」と言わずに「真田丸よ!」なのがまた、心得てるよねぇ!

ついに自分の城を持った、という信繁だけど、これまで経営陣の方針の中でのみ仕事してるんだよね。真田丸も、大野治長(という首脳陣)の許しがあったから着手した。最後までその「奉公人(秀吉時代)」「請負人(今)」的な立場に徹するのか、最後にはそういうのを超えた「自分のための戦」をするのか、注目してる。

 

 

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