『真田丸』 第41話 「入城」

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信之の手のしびれは作劇上どういう意味なんだろうと考えてるんだけど、とりあえず「加齢を強調する表現」ってことでいいのかな。現在、信之はアラフィフ。現代でも、たとえば老眼とか五十肩とか、病気ではなくてももう若いわけじゃなくて生活にもちょっと不便だよ、っていう症状って出てきておかしくない世代だし、昔ならもう「初老」ぐらいだよね。

手のしびれという、年相応だけどこんなん出てきたら俺も年とったんだなーってちょっと心弱るわ、って感じを信之で描写しといて、その信之とほとんど年齢変わんないけど今から人生で初めて表舞台でひと暴れしようっていう信繁=幸村だよ、ってことかな? 

若い息子たちが心配ありなのはいつの世も同じことで、むしろ若い子の心配に集中できるくらい、親世代は落ち着いてるのが真田信之家なんだよね。稲とおこうの感動的なシーンの前には、稲が大名家の妻として奥向きをしっかり差配している様子、それにおこうがしっかりと付き従っている様子が描かれていた。

おこうの実家が真田家であること(信之とはイトコなんだっけ)はドラマでは敢えてはっきり描かなかったんだろうけど、ともかくおこうは稲が来るまではもともと正室だったんだよね。長子であっても生母のポジションによって「庶子」扱いになるのは全然珍しくないと思うんだけど、信吉の場合は1ヶ月先に生まれたというだけじゃなく「元・正室の子」であって、だからもともとの正室の血筋に家督を返すという意味合いがあるんだよね。

稲にそれをさせたのは、主君に婿の父の助命嘆願をした本多忠勝の血と、おこうの粉骨砕身だよなあと見ていてわかる作り。かつて、心を開かない稲の両手をとって励ましたのはおこうだったんだよね。月日が経って、稲がおこうの両手をとった。こんな美しいシーンを見てたら、ほんと弟が天下泰平ガン無視で暴れるつもりなのすいませんって気分になるw でも信之の家ってこのままめでたしめでたしで終わるのかな?

大坂での戦の成り行きを信之が見誤っていたのは、信之の戦への才が平凡という描写なのか、それとも当時の大名は皆こう思っていて幸村が番狂わせしすぎたという描写なのか、ともかく見誤っているという描写が入りました。


源次郎んちのほうも、春ちゃんきりちゃんが協力してノリノリで雁金踊りやってるじゃないですか~! 演者がみんな芸達者(宴会芸として)で見てて楽しいんだけど、こうやって一家でわいわいやるシーンもこれが最後だと思うと切ないね。でも大坂の陣っていうとふつう1話とか2話でバタバタと破滅しちゃうところ、とりあえずあと9話とか信繁が生きてるの確定してるのはやっぱり面白いな。何をそんなにじっくりやってくれるのか楽しみだ。

で、きりちゃんはやっぱりもう側室ポジションってことでいいのかなと思ってる。39話で春がきりに対して軟化したやん(あれ?あのときのセリフも「これからも私を支えてくださいね」だったっけ?)、あれをもって、春はきりを側室でもいいよと認めたってことなのかなって。それも踏まえて、先週の「月に叢雲」のあとで源次郎はきりに手を出した、とw 九度山の田舎村での生活といえど大谷刑部の娘だから、正室が認めた女が側室(私が遣わして夫の世話をする女、という体面)っていう思考はあるだろうなと思うんだ。

ま、何にしてもきりちゃんはきりちゃんなんだよね。絶対安全な場所に置かれる春ちゃんに対して、大坂のそばまで普通に連れていっちゃうし普通についてきちゃうのがきりちゃん。

それにしても、春「私も戦います」 源次郎「それはならぬ!」の激昂は、もちろん梅ちゃんのトラウマなんだろうけど、あのシーンって源次郎ひでー男だ、って感覚があったなあ私。ひどいっていうかつくづく勝手よのう、っていうか。だから、きりちゃんが春ちゃんに言った「自分に正直にならないと損するよ」はほんと、そのとおりなんだよね。男も勝手に生きるから女も好きに生きるがいいよ。真田丸は割とそれがちゃんと貫かれてるので好きです。

大坂城方面は、茶々がここへきてOPクレジットでトメグループに移動してきたのはさすがとしか言いようがないんですが、哀川翔までトメGでびっくりしました。岡本健一はかっこええのう。「このこ誰の子?」も、独眼竜政宗での小次郎も、民放版『竜馬がゆく(竜馬は上川隆也で10時間くらいやった正月スペシャル時代劇)』での中岡慎太郎も見てたよ、かっこよかったよ・・・。

豊臣のために粉骨砕身戦ってくれ、と言われた後藤又兵衛が「アァ?」みたいな顔するんだけど、粉骨砕身したくなるほどの恩顧があったのかな?って話に聞こえたね。信之・稲・おこうの関係が同じ回に描かれたので。信繁の「殿下に息子のようにかわいがってもらった」にも相当誇張があったけどなw いや、信繁は本心でそう思ってるのか?

コスプレで登場して敵も味方も一泡ふかせて、赤い着物なんて着ちゃって「幸村です」なんつって、隙のない演技してる信繁。「立場が人を育てる」はそれを言った信之がまさに体現してきたことなのだけれど、信繁は自分の立場を自分で作ろうとしていて、そうして得た立場で育とうとしているのだね・・・・というところで現れた茶々の「源次郎」呼び!! 引きが強ォォォい!! 竹内結子めっちゃいい!!

来週からは徳川の描写ももっともっとください。家康がどうなってるのか、もちょっと詳しく知りたい。あと半蔵さんおつかれさまでしたw まだあるのかな? 

 

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