『真田丸』 第38話 「昌幸」
昌幸、幽閉生活が続けばそりゃ老けこむし気力も落ちるけど、元気ない孫に卑怯な喧嘩ワザ教えたり対徳川の秘策を練ったり、人間やっぱ根本のとこでは変わんないよなっていう安心感を割とろくでもない描写で見せたところで「兵は塊ではない、1人1人だ」、退場する人物への最高の餞な脚本だね #真田丸
兵の一人一人に思いがある。家康もまたそういう情けを知る男だったのに、赦免を許さず昌幸親子の要らぬ「思い」を育ててしまってるなあ。冷酷な本多佐渡さえ赦免を促すのに決して肯んじないという描写が強調してる。昌幸の期待とは逆の意味で、浮かれてるというか調子に乗ってるんだなあ #真田丸
今回、江雪斎を登場させ氏直の名まで言わせたのは、昌幸の死=戦国の終焉であり、昌幸としのぎを削り戦国を謳歌した北条を出したってことだろうけど、考証の黒田さんへの三谷さんの謝辞みたいなものでもあるのかなーと思ったりw #真田丸
信繁の「流れでこうなってるだけ」ってセリフがなにげに良かった。信繁らしいクールさというか他人事感なんだけど、人が厳しい状況にあるとしても「流れでそうなってるだけ」なことって多いよね、自己責任なんかじゃなくて。だから人は叩かず、自分は卑屈にならず、がいいよね。#真田丸
んで少しも卑屈にならずむしろ意味不明の自信持ってる九度山の女性陣サイコーです。長澤まさみならともかく、#真田丸 におけるきりちゃんは大柄で大雑把でむしろ野暮ったい印象なうえに、薪割りという洗練からは程遠いワザを一発で決めて垢抜けマウントとはw 来週はたかちゃんも乱入、いけいけー
ここへきて何だか佐助が前面に。やっぱりきりちゃんが霧隠才蔵に進化するフラグですよね。春ちゃんは九度山に留まるにしてもきりちゃんはきっと大坂城に行く、そして大助のことも一生懸命守ろうとするだろう。#真田丸
夫の心配を煽ってまんまと労わられ愛され、しっかり子どもを授かる春ちゃんの鮮やかな手腕はやっぱり梅ちゃんを彷彿とさせましたよね。昔の女の名前をつけちゃうなんて正面突破っぷりは刑部さま譲りか。昔の彼女の名前なんて避けたい女子のほうが多いと思うが。 #真田丸
夫の心配を煽ってまんまと労わられ愛され、しっかり子どもを授かる春ちゃんの鮮やかな手腕はやっぱり梅ちゃんを彷彿とさせましたよね。昔の女の名前をつけちゃうなんて正面突破っぷりは刑部さま譲りか。昔の彼女の名前なんて避けたい女子のほうが多いと思うが。 #真田丸
真田安房守の名前はもう出すな、死んだ男なのだ、と微笑む秀忠@征夷大将軍。親子ともども調子に乗ってるんだな、今。一人一人に「思い」があることに思い至らない、そんなザマじゃ、一生、戦下手で終わるぞ。#真田丸
「これ以上助命嘆願を迫るな真田のためだ」っていう稲のツンデレは、「助命嘆願し続けたらむしろ昌幸たちの命が危ないかも」の奥に、「これ以上、私が愛するダンナ様を困らせるのは私が許さん」っていう、もう1つのツンデレがあるんでしょうね。#真田丸
超高速!関が原に負けず劣らずの驚き、超高速!九度山ライフ(前編)であった。あっという間に10年経っちゃった。でも見てすごい納得。なんたって昌幸はこのドラマの開始当初から牽引し続けてきた存在。真田丸の父であり、ヒーローである。ろくでもなくても愛すべきそんな彼が弱っていく姿を微に入り細を穿って見せられるのも悲しいし、でも彼の九度山での年月では無実さを描かなければならないし(昌幸のためにも、信繁のためにも)、ってことでリフレインと変化でスピーディに見せたのはなるほどな、と。
九度山の人々が野の人らしい風貌や格好になっていくが、信之らはより大名家らしく、しかも「戦国は終わり江戸時代になったんだな」って感じの、こざっぱりと折り目正しい装いになっていく。三十郎や茂誠までそろって、月代も剃っていたね。月日と共にグラデーションしていく服装や髪型、老けメイクなどの変化が面白い。紛争も演じるのも、けっこう大変だっただろうなあ。
昌幸の最晩年をもっと重苦しく描くのではないかと思っていたけど、三谷さんのバランス感覚が発揮されてた。悲哀も無念もありつつ、親父ほんと変わんねーなって思わせて、そして「兵は塊に非ず」。なんか、ものすご良いことを言ったようだけど、「塊じゃなくて一人一人なんだから、一人一人をうまく扱い転がして口八丁手八丁で自分の思い通りにしろよ」って話ですよね(笑)。家康のたぎるような憎悪になんかちっとも思い至らない、あくまで自分本位な昌幸でした。そこがいい。
今回の放送に先立ってNHKでミニPR番組「さらば昌幸」を放送してたの見たけど、これがすごく面白くてね。くじ引きを作って引かせたり、もちを引きちぎって並べたり、鎧の後ろからこっそり登場したり瓜売りに身をやつしたり、美しい花魁を転がし再会した娘を抱きしめ、大言壮語し、馬上で号令をかけ、親子で並んでガッツポーズ、一人で雄たけび上げてガッツポーズ・・・いやはや、こんなにもバラエティに富んだ姿を見せてくれてたのねパパン、って思いました。
草刈正雄の端正なルックスを野卑で表裏比興な田舎武将に見せた脚本演出、そして信玄を追って背を倒していくラストシーンに至るまでの演者の演技、けれん味を堪能しました。草刈さん本人も自分の代表作、みたいなこと言ってる。真田丸に出てる役者は口々にそう言うね。江雪斎の山西さんやら、秀次の新納さんやら。真田丸すごいね。
昌幸が失意のうちに年を重ねた10年間で、秀頼は輝くばかりの若武者に育ったんだなあ。大河ドラマにおける中川大志の大物オーラ感は頼朝少年のときよりさらに増していた! 対面で秀吉のテーマBGMが流れたとき、痺れたよねー!
そして家康もまた、10年、年をとってるんだよね。家康も本多佐渡も老けメイクすごい。2人ともが、対面直後に豊臣を滅ぼすことを決めたっていう流れね。昌幸に対しては、恨み(家康)と哀れみ(本多佐渡)で割れてた2人が、秀頼については「滅ぼす」と言葉に出すまでもなく一瞬で完全な意見の一致をみている。自分たちの脅威になりうる者についての容赦なさ。
本多平八郎、加藤清正が退場。どちらも良いキャラだった。新井浩文は今後さらに大きな役をNHKでやりそうだな。清正は頓死に近い描かれ方だったが、これはかつて小姓を井戸に放り込んで殺したことと呼応してるんだろうな。
先週は女たちの悲しみをとっぷりと描いていたので、今週の元気な女たちにはホッとする思いだった。長澤まさみのコメディエンヌぶりが最高。今回、妙に老け感も出してきてたけど(腰が重そうな)、きりはもう出産に適した年齢を過ぎているということだろうか。それにしても「あんたは私と違って垢ぬけてないけど源次郎はそういう人が好みだから自信をもってがんばって」って正室に向かってぬけぬけとぬかす側室ですらない女って前代未聞だな! 春ちゃんもおそろしいがやっぱりきりの無尽蔵のパワーの前には霞む。
で、これまで変わらず若く、つるんとしていた源次郎の顔が、ここへ来てついに浅黒く、ざらついてきた。いいぞいいぞ! あと12話、連続ドラマでいったらまるまる1クール分、ついに信繁(=幸の字をもらって幸村になる!!きっと!!)が主人公になるんだなあ。
昌幸の死を知った家康はどういう反応をするのだろうか。