読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

スーパー歌舞伎II 『ワンピース』 @博多座 その3 怪演イワンコフ、平岳・セクシー・エースなど!

歌舞伎

f:id:emitemit:20160512202754j:plain

 

スーパー歌舞伎II 『ワンピース』 @博多座 その1 やっぱ歌舞伎すごい!歌舞伎役者すごい!大好き! - moonshine


スーパー歌舞伎II 『ワンピース』 @博多座 その2 ボン・クレーとサディちゃんにメロメロ(死語 - moonshine

 

そう、イワンコフですよ! 浅野和之がうまい俳優なのはもちろん知ってたけど、舞台役者のすごさはやっぱり舞台でしかわからないんだな!と思わせる空間支配力!

囚人たちに畏怖を持って語られた「イワンコフ」がこれかよ、っていう一切重みのない登場がそれだけで既にカタルシス。どこにも素敵な要素の無いビジュアルでどこまでも明るく自由に飛び回って、色とりどりのオカマたちのリーダーをやっている姿は感動的ですらある(笑)。ニューカマーランドのバカバカしくもすばらしい解放感は彼に負うところすさまじく大きい。とにかくやはり滑舌がいいし、足の動きがものすごく達者で、観客とのキャッチボールもめっちゃ上手。実際に観客と会話したりするんじゃないけど、間の取り方とか、緩急がねー。ほんと目が離せなかった! 

てか浅野和之ってもう還暦過ぎてるはず。そしてワンピース歌舞伎に初演から出続けているような…。この異様なテンションを毎日毎公演続けてるってすごい! 3幕では打って変わって、冷酷無比な将軍センゴク。こちらもよかった。

 

客演では嘉島典俊もよかった。『風林火山』で亀ちゃんお屋形さまの弟・典厩信繁を演じていた嘉島さんが見られたのは私にとってもちろんうれしいこと。それにしても亀ちゃんて縁を大事にする人だなあと思う。嘉島さんの赤犬サカズキの見せ場は3幕、平エースとの炎対決。2人ともすばらしい身体能力。大きな旗を振りまわしながらなど、ここの立ち回りはスーパー歌舞伎らしい場面なのだが、それを中心で演じているのが歌舞伎役者でない2人というのがなんだか面白い趣向。

若手&客演爆発、何がなんだかフリーダム(笑)な2幕のあと、3幕はスーパー歌舞伎らしい演出や雰囲気が随所にあって、何だか妙に安心感ある心地よさだったりするのが、スーパー歌舞伎が積み重ねてきた歴史だなーと思った。その安定感を生み出しているのはやはり市川右近である。白ひげって名前はよく聞いてたけど(アニメの流し聞きで)こういう人だったのかー。どっしりと岩のようなたたずまいといい、良い声・良い口舌といい、スーパー歌舞伎には欠かせない人材。彼が登場すると観客からもとても大きな拍手が起きるんだよね、いつも。

そんな白ひげの数多くの(血のつながらない)息子の一人がエースだったのも今回初めて知った。ルフィーと義兄弟の契りを結んでるのだけは知ってたんだけど。育ての父に白ひげを、本当の父に“世界中の嫌われ者”大海賊ゴールド・ロジャースを持つ(母は愛人)という複雑~な宿命を背負った男だったのだね。まさにヒロイン枠。

平岳大のエースはもちろん楽しみのひとつで、やはり出てきただけでおお~!とときめく姿の良さがあった。亀ちゃんが・・・もとい、ルフィーが入れ込むのがわかるよね、このかっこいいエース。扮装もメイクもとっても良くてさ。彼は浅黒いドーランを塗っていてとにかくワイルドだから、なおさら 「なんでルフィーは白塗りなんだろ?」 って疑問が出て来るんだけどそこは全力で抑えなければなりませんw

エースが黒ひげと戦って海軍につかまっちゃうあたりのシナリオが、今回の舞台で唯一よくわかんなかった黒ひげがよくわかんなかったんだよね、なんか騙しうちにしたみたいだったんだけど。エースはすごく強くてすごくかっこいい存在のはずなのに、若干雑魚っぽい(猿弥さんは悪くないのよ!)キャラに割とあっさり捕まったな、って印象。まぁいいでしょう。捕まることが肝要なんです。つかまってサディーちゃんに鞭打たれて、己の中に流れる汚れた血を嘆き、葛藤する姿が大事です。

なんかさ、最初にワンピースを歌舞伎にするって聞いたときは、ハッキリ言って「演目発表した時点で既に“やっちまった感”が漂ってるやん・・・」ってちょっと思っちゃったんだけどさ、こうして見ると、亀ちゃんが好きそうな要素にあふれてるんだよね、「頂上決戦編」って。ワイルド且つセクシーなエースを大好きな俳優に超かっこよくやってもらって、そのエースを兄と慕って固い絆で結ばれているルフィーが僕で・・・・って妄想した時点で「やろう!」ってなったんだろうな、っていう妄想w

3幕、ようやく巡り合えたエースに抱きかかえられるシーンでは、「亀ちゃん、このシーンが毎公演のモチベーションのひとつなんだろうな・・・」って思っちゃったりしつつw、「ちょっと!ジンベエ!2人の世界のお邪魔なんじゃないの?」ってそばを離れない猿弥さん(黒ひげと2役)にドキドキしちゃったり(違)。そしたらそのあと、エースの最期に今度こそ2人きりで抱き合うシーンがあったので安心しましたww そうよね、1回じゃ足りないよね、ってwww

もとい、平さんのエースは、滑舌はとてもいいんだけど、鎖につながれて己の宿命を嘆き悲しむシーンは若干、セリフが流れ気味かな?と思ったりした。福士さんバージョンも見たい! 先述、赤犬さんとの立ち回りは文句なしのかっこよさだった。ともかくルフィーのファム・ファタールとしては申し分ないエースさんでした。来年の再演では誰がやるのかな。

 

(続きます)

 

 

f:id:emitemit:20160304175720j:plain