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『真田丸』 第4話「挑戦」

大河ドラマ

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日曜日の19時前にちょっとTLをのぞいてみると、「本丸の皆さん!今日もすごい面白かったですよ!!」と早丸組の方々が興奮気味にツイートしてて、「武者震いがするのう!!」になる私ですこんにちは。今回は何といっても信長・・・かと思わせといて家康でしたね!さすが!!



脚本は周到な展開で2人を対峙させていく。武藤喜兵衛という名が「伝説のアイツ」って雰囲気を醸し出していて効果的。「視聴者が混乱するだろうから」「覚えられないだろうから」なんて配慮してくれる大河はだいたい面白くないんですよね。

昌幸は三方が原(この対面より10年近く前ですね)で家康をこてんぱんにやっつけたことを覚えている。家康は自分をこてんぱんにやっつけた武藤喜兵衛=真田昌幸だと知っている。両者がにらみ合う前に、まずは信繁がちょい絡み。真田のハイテク設備を誇り「私が考えました」って声音(笑)。今後、真田そして徳川も参考にしたりして、車のついた矢立が出てくるといいな。がぜん、チェックしちゃうよね!

「真田安房守どの」「徳川三河守でござる」うーん、いいね。大人。笑顔で挨拶をかわし、信長への進上物の相談という当たり障りのないビジネストーク。武藤喜兵衛について家康がジャブ。顔色ひとつ変えず知らんぷりする昌幸。

正式な対面の間に移る。先導するのは滝川一益。上座には、信長・・・ではなく、まずは信忠。焦らす!



この、完ぺきな織田顔ね!! 真正面から写すカットが多いのも、権高く、正しく、それゆえに融通がきかず深みに欠ける人物造形に拍車をかける。声がよく滑舌もいい。玉置玲央さん。舞台の方らしい。『足尾から来た女』『花子とアン』『美女と男子』に出て、今、信忠を。本能寺の変の際、二条御所で死んだ彼とも今日でお別れだろうが、玉置さんは今後、またNHKでもっといい役につきそうですねー。いやあすばらしい信忠だった。忘れません!(←信忠好き)

さて、やたら正々堂々と追及してくる信忠に対し、昌幸はこともなげに抗戦。「俺たち弱小国衆はこーゆー両面外交が日常茶飯事なの。あんたみたいなお坊ちゃんにはわかんないだろうけどね。てか、これ卑怯な手で入手したでしょ? 天下の織田ともあろうものが。落とし前つけてよね。」信忠びっくり(笑)。ひきつった顔で滝川をチラ見してたし、どうも、彼あたりと相談してこの詮議になったのかもしれんね。

そこに家康が参加。これなー、「株価つり上げの自作自演」を家康がどうして見抜いたのか、解説してほしかったけど、それやると昌幸が申し開き不可能になるからしょうがないのか。たぶん、信長にしても、書状の真贋が問題の本質じゃないのはわかってるんだよね(信忠はわかってなさげ)。この書状をエサに、昌幸の度量を試している。

それでもすごくドキドキする流れなのだが、想像するに、家康が直江を控えさせていたのは、多分うそ。大方、ハッタリだろうと昌幸も思っていたのでは。でも、上杉とも長きにわたって書状をかわしていたのは事実だし、直江兼続ほどの知恵者ならば、「情けは人の為ならず」で機転をきかせてくれるかも・・・・。そこは賭けよね。賭けに負けないためには、「要は気合」であるw 家康と昌幸のにらめっこ。固唾(視聴者が)。

ここは、家康が折れる。昌幸の度量を認めたということ。で、そのあとに「武藤喜兵衛どの」と言ってニカリ、と笑うのがすごくよかった! 昌幸がちょっと、驚いたような顔を見せる。三方が原で泣きわめきながら逃げ帰っていった青二才が、何もかもわかっていながら自分を試す狸になっていた、とわかったのだ。そこに信長が来る。

「上様の、おなーりー」みたいな先触れがあるんじゃなくて、いったん退場した信忠がまた入ってきて今度は下座に座って、ブーツの音が聞こえ出し、滝川も家康もみな緊張の面持ちで平伏する・・・っていうのがいい。





それこそ狸のような丸顔の吉田鋼太郎を、斜めに、見下ろすような角度から撮ったりして、信長らしい細面…とまではいかずとも、シャープに見せる撮り方をしてたなと。信長の洋装は各作品、見せてきますが、思いきりフリルで来たな! ミッチーじゃなけりゃ厳しいかと思いきやw さすが、シェイクスピア俳優の着こなしww

先ほど家康に「武藤喜兵衛どの」と言われたびっくりがちょっと残っている状態で、信長と対峙する昌幸。さすがの彼も一言もなく、今度は昌幸が固唾をのんでいる感じがよかったわー。家康との対峙は饒舌に渡り合う緊張感。信長とは、言葉のない緊張感。うまいよねー。

あまりの異形と迫力に、思わず平伏を解いちゃってあんぐりな信繁もよかった。強烈な体験。・・・のあとに、光秀欄干打ちつけ事件!! なるほど、主人公にこれを目撃させるんだー。桃紫色な背景で、ご丁寧に花びらまで舞い散らせる、何だこの禍々しいというか妖しい雰囲気はw この2人、怨恨というよりプレイな関係かw プレイで本能寺までいっちゃったのかw “愛の流刑地 by 渡辺淳一”的本能寺。新しいなwww




で、コワッパと一緒に「勝ったぞ!」とぬか喜びしたあとで、滝川一益によって沈没させられる父上の巻。この一益もさー、アクはないけど食えない有力武将、て感じがすごく出てるよね。

今回、昌幸の悲哀と限界とがすごく描かれてたと思う。のちの天下人・家康と渡り合うぐらいのSPECはあるけど、いかんせん、信長や家康とはスタートが違いすぎる。場所的にも出自的にも。父の代から一族で頑張って命運をつなぎ、なんとかかんとか城や領地をつかんできた。信忠を煙に巻いた“我ら弱小国衆が苦心惨憺する生き残り戦略”も本質的には真実。

んで、若干ね、運が弱いというか見通しが甘いとこもあるみたいね。「やったー!」からの「えっ、沼田と岩櫃を?がーん」もそうだし、以前は浅間山噴火しちゃうしw そして、何とか真田の郷は守ったと思いきや、本能寺だし(泣)。

「城を明け渡し、人質をとられ・・・。力がないとは、こんなに惨めなものか」というセリフがしみじみ哀しかったですね。真田一族の悲哀ね。みんなの前では、「勝ったも同然」「今まで通り!」と鷹揚に振る舞っていたから、なおさらね。そこに付き従う高梨内記は、まさに股肱の臣なのだな。矢沢の叔父上の綾田さんもわずかな登場ですばらしい味を出してる。彼がいるから、昌幸以前からの真田の歴史がリアルに感じられるのですな。矢沢の叔父上がものわかりよくのみ込んでくれるから、昌幸の忸怩たる思いは深まる。

そしてその父の屈託を、子どもたちはまだ知らない。これがまた、いい。本当にギリギリの策略やつらいことは、大人世代で分かち合っている。けれど大人たちの思惑にかかわらず、いつか子どもたちも本当のことを知る。信幸と信繁、どっちが先かな。同時かな。反応の違いは、どんなふうだろうか?楽しみ。

子ども世代は子ども世代で、いろいろあるのであーる。





私、「真田丸」の女子どもパートも好きですw 長澤まさみのきりも、木村佳乃の松も、大好きです。三谷さんは木村佳乃の使い方をわかってるなー! 『北条時宗』で撥ねっ返りをやってたころの佳乃さんはイタかったけど、まさみちゃんだってさんざん大河ではイタい目にあってきたけど、これまでと今回の2人は全然違うと思うわー。魅力。

「松もお家のために働きとうございます!」
年始の予告段階からよく映っていたシーン。いうても戦国時代、忠義孝行や役目を果たす(政略結婚は外交、てのは古い大河『毛利元就』でもやってましたよね)くだりはやるんだなーと思わせといて、思いきり私欲だったw さすが、「人は私欲で動くものじゃ」大河。娘がかわいそう、かわいそうと抱きよせて泣きながら自分が行くとは言わない母、薫w 豪気に「私がいこう」と言うも、機敏じゃない扱いされて不服のおばばさまw しばらく様子を見た後で、意を決して加わる信幸w おまいらwww

真田昌幸ともあろうものが、こんな猿芝居(笑)に「なんかあるな」と勘づかないわけがないんだろうけど、「なんかあるな」と勘づいたからこそ送り出したのかもしれない。「俺は俺で、いろいろあったのだ」な昌幸にとって、子どもたちがわちゃわちゃ団結してて、妻や母も元気でこうして集う場所は、やはり愛おしく、大事なものだったのかもしれない。・・・と思える、真田家の団らん(?)である。私は、好きですよ。過去のクソ(失礼)大河たちの家族団らんときたら、綺麗な言葉か寒い笑いを並べ立てるばかりで、反吐が出そうだったりしたものだ・・・。

信繁が姉の安土ゆきなんかに熱心なのは、姉夫婦の仲睦まじさを好感しているのもあるけど、単純に「いいこと思いついた!」ってワクワクして実行に移してる部分もある、そういう芝居だなって思う。少年らしい好奇心や冒険心。で、信長へ進上する馬も、姉の安土行きの随員&道行きも、そういう差配は既にちゃんとできるんだっていう基礎能力が示されてるのが気持ちいい。

(だめな大河だったら、ここでいちいち、大事な馬を誤って放しちゃったり、安土行きの途中で荷物を奪われちゃったりとか、ドジっ子描写で大ピンチ!みたいなダルいエピソードで時間使っちゃったりするのよね。。。。イヤな大河のデータベースもたっぷり構築されてるので、ついこういう発想まで書いちゃってごめんなさいね。。。トラウマは深いのです。。。)

お兄ちゃんがお馬を進上する口上、立派だったわー! 内野家康の「伊賀越えヒャッハー!」な予告映像を反芻しながら、次の日曜までがんばります(笑)