『デート』 第5話

DTとSJって巷では使われてるの? 初めて聞いておかしかったw 「あの藪下依子だぞ! 貞操観念の塊に決まってる、ガッチガチだ、横浜のヤンキー兄妹とは違う」ってやたら強調するから、違うのかな?(SJじゃないのかな?)と思ったら依子、「性欲はあります、もしかしたら比較的強いほうかも」ときた(笑)。マニュアル雑誌での予備知識がたたって巧に壁ドンしてしまう依子。惚れてまいそうなぐらいかっこよかったが(笑)。

好きな人とじゃなきゃ無理だし、それなりにムードが盛り上がらないとできないのが巧(男)。
本能的にできるでしょ、AからCまで効率的に1日で済ませましょう、が依子(女)。

っていう、逆転現象ですね。

でも、「おまえとはしたくない」には傷つくんだね。いや、その前の「やっぱり君には人の心がわからないよ」で、まず傷ついてた。依子には禁句なんだね。その後に出てきた幽霊ママが「あなたには魅力がないってことよ」とご丁寧に補完してた。幽霊ママのネガティブ発言が依子の深層心理であるならば、依子は自分がこうだと決めたスタイルで一意専心に生きてるようでありながら、心の中では愛されない自分に苦しんできたんだな。

片や融通利かない国家公務員、片や高等遊民。身の処し方はまったく違っても、「周りと違う」自分に生きづらさを感じてきたという点では依子と巧は似た者同士なのかもね。

だからといって、相手の意向を無視したあーゆー迫り方をしたら拒否されるのもしょうがないよね。ただ、あそこまでいくと極端だけど、コミュニケーションが不調に終わることって普段の生活でも往々にしてあるもので、そこから不器用ながらもなんとか歩み寄っていく過程を見せられてぐっときました。前回もそうだったけど、巧は依子が傷ついた顔をすればちゃんと気づく、人の痛みに敏感な人間なんだと思う。佳織や巧母が「優しい子だった」というのも頷ける。

で、その、歩み寄る過程っていうのがサイボーグ009のコスプレっていうのが最高でねwww 正直テンション上がってる巧にこっちのテンションも上がるわ! や、私、元ネタのアニメは知らんのですけども。

リーガル・ハイ』で古御門の口を通して度重なる「朝ドラdis」を繰り返していた古沢良太が、『あまちゃん』で女子が悶絶したミズタクの留守電モチーフをモロに使ってきたことにニヤけました。これ絶対わざとやってるよね。朝ドラへのラブコールよね。NHK、もうオファーは済んでるか?!

「思えば大変な一年でした・・・」って依子と出会って1ヶ月と10日しか経ってないはずなのにエラいデカい感想になっとるな。でも、13年ろくに外出もしてなかった巧が、今じゃホイホイ(?)島田工務店やらスッポン料理店やら行けるようになってるわけで、ものすごい進歩よね。

パーティーでラムちゃんコスプレの女の子に「やっぱりこういうの苦手です。キスとかって、もっと難しくて重いものだと思うんです」と、ものすごい女子的なセリフを言ってる巧が、同じ口で「なんか人生って楽しいのかもしれないな」、「いい一年でした」あげくに「今ならあなたとキスできる。いや、キスしたい」って言うから、だから「キスしたい」がものすごく重くて素敵で視聴者をムラムラドキドキさせるセリフになるんだけど、個人的にはちょっとデレすぎじゃないかな〜と思うところではある。

ま、いくらかけても出ない電話を握りしめ、留守電のピー音に追われながら矢継ぎ早に喋ってるうちに、だんだん一人で盛り上がってエスカレートしていっちゃってこうなった・・・っていうのもあるんだろうね。ここまでストレートな告白だからこそ、ものすごーく落ち込んでた依子が原付を飛ばして(いや、飛ばしてはないんだよね、法定速度だよね笑)会場に向かったんだよね、午前0時ちょうどの年越しそばも、あけおめメールも忘れて。

コミュニケーションがうまくいかなかったことが発端だったからこそ、それでお互いにちょっと異常なテンション(巧はコスプレで盛り上がったあと不在着信で不安になって。依子は交渉不成立で傷ついて。)になったからこそ、次は変に盛り上がっちゃうって、現実の恋愛でもあるよね。

コスプレの杏の手足の長さ、頭の小ささ、等身の多さ・・・! 役者を生かす脚本演出、お見事。いけいけ、いっちゃえー!と思ったところで別コスが登場。これより前の場面で、鷲尾くんがあっさり鍵を返して好感度を上げたのは、ここでの唇奪取のための前フリだったのか!! サイボーグコスの2人はマフラーを平行にたなびかせて共に唇を奪われたのであった。佳織の峰不二子のコスプレもかわいかったー。

依子と巧が「どったんばったん」してるのをクローゼットの中で泣きながら(笑)目撃していた鷲尾が、「依子さんなりにがんばってるじゃないか!!」と叫んだのは彼のキャラクターをすごく良く表していて、「頑張ることはすばらしい」という体育会系メンタルなんだな。

Twitterで「鷲尾と島田兄妹は、体育会系とヤンキーだから相性がいい」って書いてあるの見てナルホドと思った。まあ鷲尾は最後には佳織ちゃんじゃなく、もちろん依子でもなく、依子父への愛に目覚めるのだとしつこく信じてる私だけど(笑)。先週あたりから怪しいと思ってたけど、島田兄が実はマイルドヤンキーのリア充ではないことが明らかになってきましたね。

妻の遺影を掲げる娘に、妻とのファーストキスやら交渉の時期やらを詰問され答えてしまう依子父に爆笑w 松重豊風吹ジュン和久井映見、いずれもすばらしい助演っぷりである。