師走の八

●12月某日: ゆうべは何の兆候もなかったけれど、朝、いつもの時間に起こしたサクの手が、額が、首筋が熱い。38.1度。これは当然、幼稚園は欠席。入園以来、なにげに皆勤が続いていたけど、もちろん記録が大事なわけではない。まだ熱が上がっている最中なのか本人もとてもきつそう。「何か食べられそう? おにぎりか、うどんか、雑炊か。無理して食べなくていいけど」と聞くと、「ぞうすい たべたい」と言ったので作ったが(ぞうすいという呼び名のお粥)、3口くらいしか食べないで、布団にずっと転がっていて、寝てしまった。

10時、起きてから病院に。これってもしかしてインフルでは・・・と危惧する私に、すぐに検査をして、ウイルスや菌を特定し、効果的な薬を・・・というイマドキの小児科とは一線を画したこの先生は検査をしようともせず、「幼稚園でインフルの子いる? いないでしょ? まだこの辺ではほとんど患者が出てない。周りにいないのに勝手にインフルになるってことはない。特にインフルは流行りだしたら潜伏期間がものの1日程度しかないんだから。息子くんは喉が赤いからアデノウイルス的な喉風邪」と、やけに自信満々で断定。こういう経験的な判断をいちおうは信頼しているのもあって、ここに通っているわけだが、今回ばかりは先生を半分疑ってる。だって最初の2人目、3人目くらいは感染源あやふやかもしれんやん。

しかし反論はせずに(とにかく患者がきつそうだったので)、薬をもらって撤収。立たせて上着を着せながらサクに「スーパーに寄ってもいい?」と聞くと、「やだー。はやく じてんしゃにのりたい(=すわりたい)」と言うので、近くのコンビニでアクエリアスとかプリンとか買って帰る。39度過ぎまで熱は上がって終始横になってるサクだったが、意外に夜ごはんは食べた。夫が早く帰ってくる。口先の励ましや労わりでなく、実務能力が高い人なので超頼もしい。