『ちゃんとキレイにヤセたくて。』 細川貂々

「本当はずっとヤセたくて」の続編を書店で発見し、即購入しました。さて私はそんなに貂々さんが好きなのか、それともそんなに痩せたいのか、どっちでしょう(笑)。

前作で、目標の50キロに到達した貂々さんだが、体重は減っても二の腕やら太ももやらがブヨブヨ、タルタルで、結局、夏になっても長袖長ズボンで体型を隠すハメに。そんなとき、イグ友(←イグアナ愛好家の友だち。貂々さんにはこーゆー趣味もある笑)にして女性ボディビルダーの西本さんのアドバイスで、体幹を鍛え筋肉をつけて「キレイな体」を作るべく、食事やトレーニング方法を教わることに・・・というのが、本作のあらすじ。

相変わらず、クスッと笑いながらサラッと読ませて、じんとさせるのがうまい。読んだあとにほのかにあたたかい気持ちが残るのが彼女の作品の特徴。安い感動じゃなくて、ちゃんと沁みるのだ。

前作での記述。

(ダイエットをすることによって)自分自身を知ることができて、自分を大事にできるようになった。今は、自分が大事だから運動するし、暴食はしない。

そして今作。

できない・ムリ・自信ない・怖い・めんどくさい・不安・・・今までの私って、こんな感じにいろんなムダなものがついてたかも。それが、あの服を着ることができた瞬間に、ぱあっと消えた気がする。

いつも自分のカラダの声に耳をかたむけるようになったので、いろんなことに気づくようになった。自分がバランスの良い状態になった気がします

ま、ここだけ抜き出すと、いわゆる「ダイエットに成功したお客様の声」のようだけれども、読んでるとすごくしっくりくるんだよね。

人の目を気にしてでもなく、変なナルシシズムやアンチエイジングに走るのでもなく、スピリチュアルでもなく、ごく自然に「自分を大事にしよう」というダイエット。肩の力を抜いて読めるだけじゃなくて、ちゃんと得るものがあります。ラクにやせるダイエットはない・良い食生活と適度な運動をつねに心がける、という、「そんなのダイエット本じゃないじゃん!」ってな人もいそうな内容が、逆に信頼できる。絵柄といい、構成や、描きこみの量(セリフや余白)といい、本当に親しみやすくシンプルで、すばらしいと思う。

ダイエットっていうか、体重を増やしすぎないとか脂肪をつけすぎないって、中年以上にとっては即・健康状態にもつながる、一生モンの課題だと思うから、時々こうやって、自分にしっくりくるものを読んで、ふんどしを締め直したいと思っている私です(笑)。