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神無月の五 / 運動会

日々 saku

●10月某日: 6時起床、弁当の準備。レンコンの甘辛揚げ焼き(ピーマン・にんじん・レンコンが今年の運動会のチーム名なので、この3種は弁当に入れ込むのがデフォなのだ)。タネまで仕込んどいた肉団子を茹でて照り焼きダレに浸し、野菜と一緒に串に刺す。おにぎり。夫は、トマトのベーコン巻きとちくわきゅうり。

 

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こうして見ると、地味ね(笑)。

今年は互いのジジババ両方が参戦だし、うちは夫が戦力(というかメイン)なので気楽なもんである。ちなみに義実家のほうもお義父さんがメインで作って来るのが嫁の私にとってさらに精神的に有難いところ。

サクはだいたいいつもどおりの時間に起きて、「きょう、うんどうかいだ! ドキドキするー」とは言ったものの、まあ落ち着いた様子で朝の時間。去年はここで「いかない」とか言い出して親を軽くビビらせた(笑)。夫とサクが先に場所取りに出発(自転車)、私は弁当を持ってあとから追いかける(徒歩)。

 

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古い団地の中にある、小さな幼稚園の手作り運動会。子どもたちが描いた野菜の旗がたなびく(これも、チーム名が野菜だから)。「がんばりまん」等、運動会関連(笑)の歌を3曲歌って始まる。体操は、園の先生たちが考えた伝統のものなんだけど、これをやるときの子どもたちが笑顔にあふれてる。子どもにとって楽しい動きが満載なのだ。

最初の種目は年中のかけっこ。ということでいきなりサク登場。3人か4人ずつの組になって、トラックの3分の2(50mくらいかな)を走る。「ゴールで先生に言われた順位の旗のところに並んで座る」ところまでが、種目の狙い(それぞれの種目について、このように“見るポイント”が記されたプリントが事前に配布されている)。サク、1番。その場でこそ「わーい!」という顔とジャンプでパパママたちのほうを振り返って見せたが、その後は特に自分から「1番になった、すごいでしょ」的なことを言わなかった。他の子もこうなのだろうか(園の指導的な)? それとも個人の性格的なものか? 


次の登場は「リズム」。ピアノに合わせてやる運動と体操の中間みたいな・・・園で毎日のように取り入れられているもの。ポンポンもって流行りの歌に合わせてお遊戯、みたいなことはさせず(それはそれで見ていてかわいらしいだろうし子ども自身も楽しくやるものだろうが)、“普段の保育でやっていることを親御さんたちに見せる”、というのが園の方針である(とプリントに書いてある)。つばめ、めだか、うさぎ、とけい、かかしなどなど。

年少-年中2人1組でやる演目になると、サクは自然な様子で年少の女の子とペアになり(事前に決められているわけではない)、楽しむを通り越してふざけてるの域にまで達した表現を見せる。爆笑しながら動き変顔でキメポーズ! 爆笑しながら動き変顔でキメポーズ! の連続。ペアのMちゃんがまた、同じように天真爛漫にふざけてる。たくさんの集団の中でも、ギャラリーがいても、こんなふうにお調子者っぽい振舞いを見せたり、大きな声で発言したり、時に大声で泣いたりするようになったのは、年中に上がってからのサクの特徴的な様子。私は、いいことかなと思ってます。


「すすめ すすめ すみれ組」と題された、いわゆる障害物競走? しかし競争の要素はなく、一人ずつ順番にやる。背丈よりだいぶ高いロールマットをよじのぼるのは、年長になってやる「板のぼり」へのプロセス的な意味合いもあるのだと思う。力いっぱい助走し、タイミングよく踏切のジャンプ。足指を浸かって登り、腕の力で体を引き上げ、すばやく飛び降りる。普段から保育の様子を見るに、鉄棒やマット運動はあまりさせていない様子。全般に、「回転」の要素よりも「腕、足の力を使う」「足の指でふんばる、蹴る」「体幹」に力点をおいている感じがする。

サクはひょいひょいこなしていたが、子どもたちが「いっぽんばし」と呼んでいる、平均台2本を斜めに架けてのぼり降りするゾーンでは慎重だった。どこかで苦労したり失敗したりする子がいても、「絶対に手伝わないで、最後までさせるんだなあ」と、うちの幼稚園に初めて来た夫の祖父母、やや驚いた様子。

その驚きがピークに達するのは「板のぼり」で、150cmの一枚板に飛びついてよじのぼり反対側に降りるのを年長さん全員がやる恒例の種目。5,6歳児の平均身長は110cmちょっとだから、手を伸ばすだけではまだ届かずジャンプして飛びつかなければならない。一枚板はつるんとしていて足を引っかけるところはどこにもないから足の指をガッと立ててのぼる。

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自己申告すれば先生が踏み台や板で高さを調整してくれるが、それで減じるのはせいぜい5cm前後。もちろんみんな練習しているものの、やはり身長や発達にはばらつきがあるので、全員が簡単に越えられるわけではない。何度挑戦しても跳ね返される子の姿を見て、ジジババは「ちょっとお尻を持ち上げてあげればいいのに」などと言うが、それは“ぜったいに”しないのである。かといって衆人環視の中での罰ゲーム的・あるいは松岡修造的な熱血な雰囲気ではなく、なんとなく和やか。

昨今、
『組体操での「人間ピラミッド」「タワー」の危険性が指摘されているにもかかわらずなかなか廃止にならないのは、教師がやりたがるだけでなく保護者(ギャラリー)がそのスリルと見映え・感動を味わいたがるためだ』
という説に考えさせられていたところで、この「板のぼり」といい、午後の年長さん恒例種目「竹馬」と合わせて、「これはピラミッド等と同じ類のものなのだろうか?」と思いながら見ていたのだけれども、

・板のぼりの周囲には緩衝材のマットが敷き詰められている
・板のぼりにせよ竹馬にせよ、頭から突っ込んで落ちる(頸椎等に重傷を負う)危険性はかなり低い
・過積載になることはない
・個人種目で競争や連帯責任の要素がない

という点、異なるという結論に個人的には達した。ただ、何度も何度もトライ&エラーする子を見て応援するのが大人にとっての「感動ショー」ではないか?といわれれば、即答はできない。

ぶっちゃけ、全員が簡単にクリアするより、難しいチャレンジをする子がいるほうが、絵面として盛り上がるのは事実だ。でもこの種目をやるならば、やはり「できるかぎり、クリアするまで待つ」の一択しかないとも思う。

子どもは、先生は手伝ってくれないと知っているから何度でもチャレンジする。先にクリアした子たちも、当然のようにそれを応援しながら待っている。この「待つ&待たせる」を義務やプレッシャーではなく、「それは当たり前のことなんだよ」と子どもたちが思うような雰囲気を作るのが大人の役目だと思う。
「待たせてる子は、待たせて悪いなーと思う必要ないし、待ってる子はあいつ遅いなーと思わないでね」
「何回目でクリアしてもおんなじだよ」と。

で、ベテランの先生たちはさすがにそういう雰囲気というか、当たり前に何度もチャレンジさせるんだけれども、決してピリピリしたムードを出さない。その子を呼び寄せて抱きしめたり、ちょっと話したりしながらも、ずーっと柔らかくニコニコしてる。練習の場面も見ていて一人一人の子の様子を把握しているし、できると信じてやらせてるんだろうなとギャラリーも信じて見てられる。

それでも、やっとのことでその子がよじのぼり、反対側に降りたのを見ると涙が出そうになるんだけど。小さな園なので違う学年の子も名前やキャラ(やママがどの人なのか)は何となくわかっていて、その点、おのずとアットホームな雰囲気でもある。

年長さんとペアになってやる「かえるとり競争」、これはチーム対抗なので、前日に年長と年中はチームごとに集まって「さくせんかいぎ」をし、勝つためのペア組や順番、作戦を考えたらしい。ダンボール製のバスに乗ったり積み木の橋を渡ったり、他愛もない5パートほどでも子どもたちは真剣。サクのペアはすべてを巻き気味に進行していた。

ママとやる種目は「ぎっちょぎっちょ」「いっせんどうか」のわらべうた遊び、と、チーム対抗の玉入れ。サク、テンションばり高。パパとやる種目は、いろいろやって最後はパン食い。パパがマットに寝て子どもに転がされながら進む箇所が傑作。大の男がゴロゴロ転がってゆく。

最後の種目は年長さん全員でチーム対抗のリレー。みんなそれぞれの走り方だけどさすが年長さん、やっぱりみんな速いし迫力がある。このリレーでも走る順番は子どもたちが考えて決めている。どのチームもアンカーには速い子をもってきてるんだけど、最後のアンカー勝負で敗れた男の子が、ものすごく悔しそうな顔でちょっと泣きそうになりながらも持ち前の強い性格で耐えてる姿にぐっときた。その悔しさはきっと糧になるよ!と思う。

夫の両親に「上がってお茶でも飲んで行きませんか」と声をかけたが(一応、私も嫁ですからw)「いやいや、今日は帰るよ~」とのこと。うちの親の車で送ってもらって帰宅。夜ごはんは、スモークサーモン&アジ刺、お弁当のから揚げや煮物の残り、玉ねぎとパプリカ・きゅうりのサラダなど。サク「パーティだね!」おうよ、今日はパーティじゃ! ビールうまっ! 運動会の話が夫婦でも尽きず。とはいえ疲れていたので、ビールのあと白ワインあけたらさっくり寝てしまった。

 

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