facebookでおすすめした本(その1)
「読書の秋」ももちろんわかるけど、昔からけっこう「夏に腰据えて本を読む」ってのが好きだったんで、2015年夏から、facebookで気ままにそういうシリーズやったりして。せっかくなので、こちらにストックしておきます。
◆
【夏のおすすめ本 その1】
読書の秋っていうけど、わたし的には昔から読書は夏ですよ!
海にも山にも飲み会にも文庫本もっていきますけどなにか?って感じですよ。
というわけで、特に需要もなさそうなシリーズ始めます。
1回目にご紹介するのは、司馬遼太郎の「街道をゆく」。
司馬さんが、ぶーらぶら歩きながら知られざる街の歴史に迫る、ブラタモリならぬ “ブラしば” です。
この巻では、博多から今津、虹ノ松原、松浦、唐津、佐世保、そして長崎まで(ちなみに30数年前の ”ぶーらぶら” )。
夏の海岸ドライブがよりいっそう楽しくなる(かもしれない)1冊です。
【夏のおすすめ本 その2】
『火花』は未読ですが、私はかつてこの本で「又吉先生の文学性はガチだ」と確信しました。
いわゆる「書評エッセイ」なんだけど、取り上げられている作品のバラエティ豊かなこと!
村上龍&春樹、北村薫、よしもとばなな、西加奈子、中村文則、森見登美彦、町田康。このあたりはわかる。
宮本輝や絲山秋子、車谷長吉(先ごろ亡くなりましたね。合掌)も、わからんではない。芥川賞作家だし(てか、今や又吉もここに連なるわけだね! 胸熱!)
しかしだね、太宰、芥川、三島、中村敦、安部公房、古井由吉、織田作之助にカフカ・・・って、アータ。読書好きでもなかなかここまでは手が伸びないものじゃないでしょーか。大江健三郎の『万延元年のプレイボール』を20代で読んでる人間が現代日本に何人いるよ?!って話です。んもう、文学史みたいなラインナップじゃないですか。
…と思ったら、彼はこれらの文学作品を、学生時代、現国の“便覧”から見つけて読んでいったそーなのです。ガチすぎる!!
【夏のおすすめ本 その3】
先史時代、この列島に住み始めたのはどんな人々だったのか? 稲作を伝えた人々はどこからどうやって来た? やがてヤマト朝廷という統一国家をつくった人々は?
「日本人」は単一民族でないどころか、古代の日本列島はむしろ「人種のるつぼ」に近いぐらいで、半島や大陸との往来も盛んでした。
古代の東アジア世界って知れば知るほど雄大で面白い! そして現代の見方も変わってくる。私が偏狭なナショナリズムに陥る罠から逃れ得ているのは歴史、それも古代の歴史のおかげかも。古代はねー、ホント元気出てくるんよ(ヲタク全開!)
で、この本は民俗学の宮本さんが書いてるんで、雄大な歴史に触れながらも、農業や漁業の発展をミクロな面からも論じててたまらん!
最初に伝来したコメは長米か、短米か? 初期の畑作で作っていた作物は? 住居が土間から高床になっていった変遷は?等々。
【夏のおすすめ本 その4】
20代では右から左に流してたのに、30代になって胸に沁みるようになった小説。
この小説は、子どもがつらいときに逃げることを肯定し、
親以外の大人が子どもの成長に関与する健全さを示し、
子どもが自分で元気になる力を持っていることを信じている。と思います。
そして、なんといっても死の扱い方が圧巻。
「死をも含んだ命の肯定」、そんな圧倒的な力があふれだすラストです!!
詳しい感想はコチラにも↓
【夏のおすすめ本 その5】
戦争に至るまでの歴史と同じく、終戦直後の歴史って、あまり知られてないけど大事なとこだと思う。
終戦後、憲法発布までの“表の歴史”を丹念に追うのが主旨なんだろうけど、戦後の人々の生活誌のような部分もすごく読みごたえがあります。
上野駅周辺にあふれた餓死者。
『リンゴの唄』を歌った並木路子は、東京大空襲に遭って母を亡くし、父と兄も戦争で亡くしている。
NHKラジオで流れた、有楽町ガード下のパンパンのリーダーの言葉。
一度読んだら忘れられないエピソードがいろいろ。
詳しい感想はコチラにも↓
【夏のおすすめ本 その6】
一見、お料理マンガのように見えるけど、
付き合いの長いゲイカップルが主人公で、
ということはマイノリティの物語であり、
彼らは互いに職を持っているのでお仕事マンガでもあり、
親子や職場や友人、もちろんカップルなど人間関係の物語でもあるのです。
そしてサザエさんのような「永遠に続く日常」ではなく、
作中ではきっちりと時間が流れて、連載開始当時43才だった主人公は最新巻で50才。
高齢の親が病気をしたり、友人に孫が生まれたり、伴侶の薄毛が進行したりもします。
それでも、日々、お手頃な旬の食材を繰り回して自炊して、向かい合って食べるのは変わらない。
(もちろん相手の仕事が忙しくて一人メシになったり、外食したり、友だちの家に呼ばれたり、いろいろ…)
とにかく、地に足のついた物語なのです。
新刊を読むと、一時的に料理のモチベーションが上がるマンガでもある!
【夏のおすすめ本 その7】
「いいとも」終わる時は淋しかったんだけど、遠征できる『ブラタモリ』と、自由気ままな『ヨルタモリ』を毎週見られる今、「もっと早くやめてもらってたらよかった」ぐらい思ってます(笑)
マニアックを大衆化できるのがタモさんだ!!
そんなタモリの虜なアナタなら、もうとっくに読んでいるかもしれませんが・・・。いいともが終わったときに乱立した「タモリ本」の中でも、個人ブログ時代から大好きだった“てれびのスキマ”さんの『タモリ学』は群を抜いてるんじゃないかと思ってます!!
ブラタモリ福岡編、こないだロケやったみたいですよ!! た・の・し・み・す・ぎ・る!!