長月の一 / クワガタ騒動

●9月某日:  新学期。起こされたサク、しばししてしっかり目が覚めると「あ、きょう、いそがしい。ようちえんだから」と独り言のように。初日からあいにくの雨で、近所のお友だちが拾ってくれて一緒に車で登園。車中ではしゃぐ子どもたち。ふざけた様子でバイバイする。午前保育なので迎えまでは実質2時間。ちょっとイレギュラーなこともあり。

午後、さっそくクラスのお友だちが遊びに来る。ノコギリクワガタを得意げに見せるサクと、自分の家にもコクワガタやカブトムシがいるけど、やっぱりよそのうちの虫も気になるのかじーっと見てる友だち。遊びながらも、どちらかが「あっ、クワガタみてみよう」と言うと、もう一人も「そうだそうだ!」と玄関に見に行くのだった。

それで興奮したっていうわけじゃないと思うんだけど、夕方からクワガタの様子がなんかおかしい。バタバタ活発に動いてる、といえば聞こえはいいけど、これってもしかして足掻いてる?苦しんでる? 確かに、夏の終わりに寿命の尽きる虫だろうが、9月になっていきなりこれって、カレンダーでも内臓してるのかってぐらいだな…。

夜行性で昼間は草や小枝の下でじっとしていることが多いから、これまでになく動いているのを見て、はじめは「すっごくげんきだね!」と言っていたサクも、(一応、Eテレや図鑑などで夜行性の虫だか夏の終わりに死ぬという知識もあるし)何か異常を感じるのか、頻繁にのぞいて心配そう。これまでは、「いえのなかにいるから、だいじょうぶ(夏が終わっても死なない)」と言っていたけど、寿命というものを少し感じ取ったようだ。始終気にしながらも、深刻に落ち込むという様子はなく、遊び、ごはんを食べ、普通通りに寝た。寝つくまでの汗がすごい。こんなに涼しくなったのに、子どもって…。

夜ごはんは、とうもろこしごはん、ナスとピーマンと鶏ひき肉の味噌炒め、小松菜と揚げのさっと煮。サクが寝てから夫と『経世済民の男』高橋是清編の前編を見る。オダギリジョーめちゃめちゃいい! そして前編で実質ヒロインだった壇蜜もすごくよかった! 60分があっという間。

 

●9月某日: 「クワガタ、生きてるよ」と耳元でささやくと、眠たげではあるものの一発で起きた。今日から給食が始まる。コップやお箸などもちゃんと自分で用意して行く。

サクを送ったあとはそのまま公民館に移動してお母さん劇団の練習。来週の誕生日会で、5人でボディパーカッションをやるのだが、1学期の終わりに演目が決まり、そのまま夏休みに突入していたので必然、練習不足である。同じ条件であるお手玉組とバンブーダンス組はなかなかいい形になっているのはなぜだ!? とりあえず譜面を覚えなければ。

サク、降園後も公園で遊びたい遊びたいと言うが、雨が降ってきたし帰る。自転車の後ろに乗ってぶつぶつ文句を言っていたが、スーパーに着くころには切り替わった。だから機嫌をとったわけではないが、チョコモナカジャンボを買う。なんだか疲れてたので。サク、家に帰って、サクと半分こ。夜ごはんは、カレーライスとトマト、きゅうり。カレーライスにはグリルズッキーニをトッピング。