2015北京世界陸上、女子短距離! んぎゃー!

女子100mはシェリー・アン・フレイザー・プライスが連覇を達成。2012ロンドン五輪と合わせて3大会連続での金メダル。2008北京五輪で初めて戴冠し爆発的に且つ初々しく歓喜していた彼女が、ここまで偉大な選手になるとは! 今や彼女に漂うのは風格。決勝前の解説陣も「フレイザー・プライスが抜きんでている」と口をそろえ、その通りのレースに。しかし2位・オランダのシパーズの急成長ぶりは来年を考えると脅威かも。「白人がファイナリストになったのはいつぶりだろう?」と織田さんも言ってた。


3着には全米チャンピオン、トリ・ボウイが入った。若いんだけどどこか退廃的な雰囲気も感じるのは、ほつれ髪と、唇の形よりも小さめに塗った紫の口紅のせい。女子短距離はこのように個性的な髪型やメイクの選手が多くて、見ていて楽しい。同じく決勝に残った新鋭・トリニダードトバゴのアイエ選手も、赤っぽく染めたワイルドな髪とものすごい刺青、ニヒルな笑いが少年のようですごく印象に残った、決勝5位の成績にもびっくり。準決勝で敗退したアウレの真っ赤な口紅については特集VTRが作られ繰り返し流されていた。紫とか青とか(青みがあるピンク、とかじゃなく、本当の青)寒色の口紅が決まるのは黒人ならではだなーと思う。他にも何人かいた。

前回大会で新鋭女子大生として紹介されていたアメリカのガードナーは準決勝で敗退。同じく前回大会、100・200・幅跳びと3種目エントリーして女版カール・ルイスと騒がれたオカグバレは、今回ランに絞ってるみたい。決勝で8位。ベテラン、ベロニカ・キャンベル・ブラウンが(薬物反応による出場停止期間を終えて)登場し、4位に入ったのには感動。貫禄ですよ。ジャマイカの短距離チームでは、男子がパウエル、女子がこのキャンベル・ブラウンがキャプテンだったらしい。

女子200はディフェンディングチャンピオンフレイザー・プライスも、この種目の絶対女王アリソン・フェリックスも、前回大会で銅メダルをとったオカグバレも不参戦で新時代・戦国時代の様相を呈した。アリソンは200と400の日程がかぶったので400を選んだとのことだが、そこで本来得意なはずの200を選ばなかったのは、来年2種目出るために不得意なほうでキャリアを作ったってことなの? それとももう200は見切ったってこと? フレイザー・プライス他も、100とは兼務できるスケジュールだったのになぜ回避? 「200は新勢力の勢いがすごいから、これまでの有力選手も回避したのでは・・・」と織田さんが聞き捨てならない推測を口にしていたが、そそそ、そういうことなの? 来年もみんな、200出ないの?! 

・・・と、私がたまらない淋しさに浸っている間にもラウンドは進んでいき、誰が勝つのかまったくわかんないまま迎えた決勝を制したのはオランダのシパーズだった!! 100は銀、200は銀。おいおいおい。コーナー出てきたあたりでは2着どころかメダル圏外ってな遅れ方でこのままシンプソン勝利かと思ったら、そこからぐいっ、ぐいっとおそろしい伸び方をした。「すごい潜在能力」と解説の朝原さん(伊東さんかも)。

昨年から急に頭角をあらわしてきた23才。もとは七種競技の選手だったという(2013モスクワワールドで銅メダル)。そういうわけで若いとはいってもじゅうぶんなキャリアを持っているといえる選手だが、すごく落ち着いているし、レース前の不敵っぽい微笑みといい、見事な金メダルのあとも興奮というよりは静かに噛みしめている様子といい、大物感ハンパないのだった。そしてニューヒロイン誕生に沸きつつもどこか不安げな織田裕二にめっちゃシンクロw 来年のリオでアリソンが出てきたら彼女に勝てるのだろうか?! いや、私(と織田さん)が心配してもしょうがないんだがw

キャンベル・ブラウンが銅メダルを獲って胸熱!!長年見てると、どうしてもベテランに肩入れしてしまう。もしかしたら彼女には個人で最後のメダルになるのかなーなんて想像してしんみりしちゃったり、観客は勝手なもんである。