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『本が多すぎる』 酒井順子

 

本が多すぎる (文春文庫)

本が多すぎる (文春文庫)

 

 

実際にその本を読んだことがなくても面白く読めてしまうのが、うまい書評なんだよねぇ・・・(自嘲)

酒井順子週刊文春で連載している書評エッセイを集めたもの。毎週、ではなく、月1の連載なのかな? それにしてもすごい。1回につき3冊の本を紹介。新刊本が多いもよう。毎月3冊の本をコンスタントに読んで、それらにつながりを持たせつつ、原稿用紙10枚くらいで「うまい」書評を書く。この本だけで8年分の書評が収められている。プロの仕事だ・・・!

「そのときのメインの本」の読書のかたわら、息抜きのようにちょこちょこと読んで、時間をかけて1冊を味わった。

酒井順子といえば一般的には『負け犬の遠吠え』なのかもしれないが、ジェンダーについて、母と娘について、鉄道につぃて旅について、王朝文学や文化芸能について・・・さまざまな本を出しているライター。であるからして、読む本もさまざまな分野がカバーされていて、これを読むだけで、広い世界をのぞき見た気分。批評というよりは感想に近く、「読んで作者が感じたこと」が書き連ねられているのだが、それが気さくで、かつ鋭いから、とても読みやすく、それでいて読み応えもある。

ブルマーの歴史を紐解く本とか、お菓子の断面図を載せまくった本とか。放浪とか、緊縛とか、纏足とか。世の中にはいろんな本があるなあ、と思わせる。暗くて重くてしんどそうな本も含めて、そのどれもが「面白い本なんだろうなあ」としみじみ感じさせる。

そして『本が多すぎる』というタイトル!! 本好きなら誰もが思っていることをズバリとタイトルにもってくる的確さ。そうなのよ、読みたい本が多すぎて、「ああ、面白そうな本がこんなにたくさんあるだけでやっていける!」と思うときもあれば、時には「人生は短すぎる、とても読み切れないよう」と途方にくれる・・・それが本読みの人生なのよ!!

同居14年になるアメリカの40才と38才の夫婦(小さい子どもが2人いる)が、「100日連続でセックスをする」という試みをルポタージュした本の紹介がすごかった。彼らは特に性欲が強いわけではなく、それまでは「週に1回あれば」程度だったらしい。が、雨の日も、風の日も、仕事で疲れた日も、子どもが寝つかない日も、彼らはセックスし続けるのである。「とてもついていけない」と思うけど、その密なコミュニケーションへの努力には頭が下がる(読んでないけど)。


そんなときでも何とかセックスを遂行したそのあとに、見えてくるものとは? そして果たして、百日セックスは成功したのか? ・・・ちょっとうんざり、そしてちょっと感動する本なのだった。


・・・・めっちゃ気になるじゃんかよーーーーー!!! 『101回目の夜』(ダグラス・ブラウン 河出書房新社)という本なのだそうです。誰か読んで、そして私にネタバレして。