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NHK『嵐 15年目の告白』(2)

テレビ

ステージでの振る舞いと同様に、「プロだなー」と思うのは、彼らの言葉。日頃から出ているどんな番組でもそうなんだけど、言葉の一つ一つがすごく的確。今回はハワイで5人きりで来し方について話をし合う企画。前日放送の『vs嵐』でもちょっと似たようなのがあってそちら(番組の性格上、よりわかりやすい笑いと感動寄り)もすごく面白かった。

「5人きりで話」なんて言ったって、なんか台本があるっちゃろーもん、と考えるのが普通である。でも、どうなんだろう? 主目的のコンサートのほかに、せっかくハワイに来たんだからと「vs嵐」や「嵐にしやがれ」やらのレギュラー番組を始め、Mステ、ほかにもきっと媒体への露出はいろいろあったはずで、そのひとつひとつで詳細な台本を覚えて・・・ってのは不可能な気がするし、「こういうこと話してね」って大筋はあっても、ほとんどはガチのリアクションなんじゃないかな。生じゃないから編集はしてあるだろうし、それに、彼らほどの能力があれば、いちいち言われなくても、カメラの前で喋っていいこととヤバいことの線引きや、こういうのが求められているっていう理解は、きっちりできるだろうしね。

松本が4人に向かって

「コンサートの演出をしてみたいと思ったことはないの?」

と尋ねる。5人それぞれにカメラが据えられていて、テレビ画面が5分割されてそれぞれの表情を映し出す。そのときの「えっ」「そーゆーこと聞く?」って口々に言いながらの、メンバーの顔。ほんとに、虚を衝かれたり、苦笑いしてたり、なんともいえないような表情なんだよね。ガチじゃないかなっていう。ま、彼らぐらいになればそんな表情くらい作れるのかもしれんけどもだね。。。

櫻井 「嵐のライブのクオリティーってもんがあるじゃん。そこに到達しなきゃという責任においては、ちょっともうできねーな、ってのが本音のところ」

戸惑うみんなを代表するように答えた櫻井の言葉も、注意深くありながら、かつコンパクトに本質的なことを言ってて、クレバーだなと思わされる。そのあとに、相葉・二宮が話した、「10周年のときにちょうど松本が忙しくて、自分たち2人でセットリストを作ってみたけど、後日つぶされてた」エピソードも面白かった。

松本 「10周年だからさ、派手な感じにしたかったんだよ。でも1曲目が、俺もすごい好きな曲なんだよ? でもすっごく地味な曲でさ」

相葉 「しみる感じにしたかったんだよ(笑)」

二宮 「並べ替えていい?って(松本に)聞かれたのよ。ふつう、並べ替えるじゃん。総入れ替えだからね。新規もんだったよな、あれ(笑)」

スッと出てきた「しみる感じ」「新規もん」って語彙が面白い。地味な曲(笑)について「好きな曲」とちゃんとフォローも加える松本。こういうとこがテレビのプロなんだよね、この人たち。

大野 「仲良い仲良いって言われてきたじゃん。でも、気まずい空気ってのもなかった?」

櫻井 「シチュエーションによっては、あったね

ちょっとキワドい質問にみんなが思わず顔を見合わせて「あー」「まあね」「それは・・・」って雰囲気になったときに口火を切ることが多いのは、やっぱり櫻井くんって感じ。櫻井の答えを聞いて、大野が、かつての(ていうか去年だった)“気まずかった”エピソードを語る。

大野 「俺が悪いのわかってて言えなかったこともあった」

相手の松本に「それ、感じてたの?」と周りのメンバーが聞くと「それ正直、すっごくムカついた」と正直な松本。

大野 「俺も頑固だからさ」
大野 「ごめんねって、なんか言えなかったんだよね」

今になってからだってそんなふうに言えるのも、その言い方も、なんとも人間的魅力にあふれているのが大野くん! 彼はデビュー以来ずっと一言(3行くらい)日記をつけているようで、その手帳すべてをこのハワイに持ち込んでいる。「それ、日記にも書いてあるの?」と興味津々(のてい)で聞く他のメンバー。探してみる大野。から手帳を奪おうとする二宮。に本気で怒る(ていの)大野。


デビューしてから何年も、芽が出なかったことについて。自分の年齢で25くらいまでが限界かと思っていた、と言う櫻井。

櫻井 「噛みあっていかないってのもあったし、やれどもやれども・・・。簡単にいうと、もつかなって感じ」
松本 「10年続いているイメージがなかった。嵐って名前をつけてもらって何か成し遂げられたかな、とずっと考えてた。」

こういうのも、2人とも、短いセンテンスでズバッというのがすごくうまい。危機感が伝わってくる。「そうだったんだー」ってほんとに感慨深い顔で相槌をうつ相葉君も印象的。そのころの手帳を大野が探すと、「2003年○月○日。大阪前乗り。メンバーと朝5時まで(だったかな)話す」とある。

櫻井 「そのころ毎日朝まで話してたから、本番中、ちょっと眠いときとかあったよね。嵐のこれからのこと話し過ぎて今が眠いっていう」

二宮 「今が大事なのに」

この、話題のオチの付け方、二宮の間髪いれないツッコミ! ほれぼれするー。その停滞期の話の続き、

二宮 「(あるとき)今の状況を打破するには、今の仕事を全部なげうって下剋上おこすしかないって話になって」

その説明に、松本、苦笑しながら

松本 「その首謀者、私とか、このへん(と櫻井を示して)だよね」

“首謀者”って語彙が面白い。そうすると、そのころの話し合いで何でも「うんうん」「わかった」と言ってた大野が、そのときだけ「イヤだ」と言ったのだという。強くきっぱりと。

二宮 「『今あることをがんばれば、ゆくゆくそうなるんじゃないか?』って言ったのよ、この人が。意訳だけどね」

松本 「覚えてる。それね、『いま目の前にあることを頑張れない奴が、何がんばれんだ?』って言った」

大野、とぼけた顔で「そんなかっこいいこと言ったの?」と言うと、二宮たたみかけるように

二宮 「言った。俺の仕事の根底は、そこになっちゃったのよ」

その大野は、ずっと嵐をぬけること・・・ジャニーズをやめることを考えていた時期があったという。

大野 「この仕事してたらできないことに興味持ち始めちゃった」

世界を放浪したい、とか。。。もちろん、若いんだから、「違う道」について考えるのも自然だし、疲労の発露のひとつなのかもしれないな、とは私の個人的感想。それが収まったのは何年も経ってからだったという。

大野 「10周年のとき、尋常じゃなく祝っていただいた、それで我に返った感じ」

「尋常じゃなく祝ってもらった」って表現が面白いし、リアル。

彼らはいつも、「現場で鍛えられてきた言葉」で喋ってる感じがする。軽やかでわかりやすい言葉だけど、ふわふわしてない。言葉が実存してるって感じ。


そして、個人的に今の三大ジャニーズはSMAPTOKIO、嵐だと思ってるんだけど(他のグループも好きですよ)、SMAPを見たときはSMAPを、TOKIOを見たときはTOKIOを、嵐を見たときは嵐を「やっぱ一番だな!!」と思えるのはホントすごいと思う、単なるミーハーって言やぁそうなんですけど(笑)。唯一無二なんだよね、それぞれが。
(おわり。)