長月の二十二 / 鉄腕DASH 3時間スペシャル 無人島「第二海堡」

●9月某日: 朝、布団の中でほぼ同時に覚醒し、私と目が合うや、「おはよう! さあ、きょうは、さかなつりだ!」と爽やかに喋るサク。ゆうべ、「明日晴れたら川でやってみようか〜」とチラッと話が出たのを忘れるサク先生ではございません。

朝ごはんもいつになく勢いよく食べて、いざ、近くの川へ、義父、夫、私、サクで降りていく。竿は古いのが1本しかないので義父と夫が交代で。エサは庭の畑を掘り起こしてつかまえたミミズ。まあ、「ハヤ」という小さい川魚ぐらいしか釣れないんだけど、釣れるとやはり子どもは大喜びする。しかし決して触ろうとはしない(笑)。義父曰く「ハヤは足で稼げ」という格言(?)があり、1匹でも釣れると、そのエリアではもう決して釣れないほど警戒心の強い魚なので、どんどん場所を移しながら釣っていくものらしい。まあ、子どもの遊びなので、ぼちぼち、釣る。5,6匹釣れた。あと、私が沢ガニ?を2匹捕まえた。獲物は水を張ったバケツに入れて、草や石も入れてちょっとした環境を作る。そういうのも子どもには楽しい。

もともと特にアウトドア志向とかないけど、こういうふうに、自然の中で遊ぶのって自然だなーと思う(日本語が不自然ですが笑)。川に行ったからって、幼児はまだ自分で釣りができるわけでも泳げるわけでもなく、岩場をこわごわのぼったり、手足を水に浸したり、魚を見たり、カニをツンツンしてみたり、石を集めたり川に向かって投げたり(魚釣り中にそれやったら魚が逃げるんですけどね笑)・・・そんなもんだけど、なんか、「お客様」じゃないんだよね、遊びの中で。ちゃんと遊びの主体として存在してるっていうか。

さて、1時間半ほどして釣果をリリースしたら、今度は義父の畑で収穫作業。8月は雨ばかりで全然ダメだったけど、今月は天候が良い日が続いたのでいろいろ成っていた。ミニトマト、なす、きゅうり、ゴーヤ、ニラ、唐辛子。そしてサトイモ。土をよけていくと、ミミズ千匹とまでは言いませんが(シモ)、まあ50匹は確実にコンニチワしたね。とれた野菜を洗ったり、ニラの端葉を除いて、きれいにそろえたり。良い天気の中の作業で気持ちいい。お昼、収穫したニラがたっぷり入った焼きそばをいただいたあと、ちょっと寝てたら大学の単位をかき集めてる夢を見た・・・。いつの話だよ。夕方、辞去。

夜は鉄腕DASHの3時間スペシャル! DASH島での水路作り(手押しポンプ修理)や椿油づくり(ゴンドラの鉄柱を利用してジンクロで絞るって…やっぱり民俗学すぎる!)も良かったが、なんといっても、国土交通省の許可を得て入った東京湾の無人島「第二海堡」がすごかった。明治期、50万人の手で推進10mを埋め立てて造ったとされる軍事要塞。戦後も変わらず国有地で立ち入り禁止、テレビが入ることどころか、民間人の上陸自体が、初なんである! 波が高い中、劣化が激しい護岸にかまわず、ヒョイと上陸して軽々と船をくくりつける山口(笑)。「おい自重www」って言いたくなるほどに手慣れた作業であるw 

さて、島周辺(海含む)では、人工的に手つかずのため、野生生物にとってのユートピアと化して、さまざまなものが巨大化していて驚かされる(同行しているDASH海岸の先生がテンション上がりまくるのも見ていて楽しい)のだが、垣間見られるかつての軍事施設の様子も超興味深かった。

レンガの積み方が現在と違う(当時のイギリス式)だったり。その煉瓦には桜の焼印。当時「小菅集治監」と呼ばれた刑務所(現在の東京拘置所ね)で囚人たちが作ったもので、当時の囚人には、西南戦争の敗残兵が多く含まれていたらしい。その中には、幕末の志士たちもいたかもしれない。小菅集治監が産する煉瓦は良質と折り紙付きで、銀座の煉瓦街などにも使われていたそうな。あまりに面白くて、思わず、3時間まるまる見てしまったぜDASHスペシャル・・・。