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『軍師官兵衛』 第22話「有岡、最後の日」

大河ドラマ

あれまあ、官兵衛やん救出されちゃったよ。されちゃった、ってのも変な話だけど、そんな気持ち。だって官兵衛やんたら、「新しき世ガー」と声を張り上げ、通り一遍の脱出(失敗)劇を演じたあとは、何の活躍もないんだもん。や、何も史実を曲げて自力で出てこいたぁ、言わないよ? 長い幽閉生活に絶望ターンがあるのも自然。だけど一応主人公、しかも軍師。なんかこう、意地みたいなのを見せてくれるかと思ってた。入牢生活中、他の受刑者たちを悉く感化して従えてしまった吉田松陰に倣えとは言わんが(てか松陰のほうがずっと後世だし)、『風林火山』の山本勘助は、ガクト謙信によって獄に繋がれている間、体力の衰えを防ぐため、雪の中でせっせと逆さ懸垂みたいなのとかやってた・・・よね?

岡田くんの汚し・やつれ扮装はすばらしかったですけども。髪やひげ、衣装はとことん汚してるし、傷もつくってるけど、でも彼の美しい顔立ちをちゃんと残してるんだよね。

そう。官兵衛の前半生のクライマックスたる有岡城の戦い(幽閉)もまぁ、通り一遍のオンパレードだったよね。これを「ベタだ。だがそれがいい」と手を打てるか、通り一遍以上の何者でもないとブーたれるしかないかは、大きな差だよ。根拠ない正義感と安い使命感とで乗り込んで捕まり、通り一遍の脱出(失敗)劇、通り一遍の「殿を助けなきゃ!」(←口だけ)、通り一遍の「殿は生きていた(泣)」。父親同様、奇跡の生還を果たす松寿丸方面についても、通り一遍の「松寿を殺せ!」のち「松寿が成敗されちゃった(泣)」のち「松寿は匿っときました」のち「松寿が生きてた!!(泣)」。

毎週言ってるが、美紀様もつらいだろーね、こんなペラい役。美紀様なら主不在の姫路城で、山本八重ばりに気炎を吐いててもおかしくないはずだよ? 本作の光さんなら桐谷美玲で何の問題もなかった。

美玲ちゃんはね、だしっ子ちゃん程度のペラいキャラでも、体当たりで演じてると思うの。美玲ちゃんは頑張ってるよ。だしっ子ちゃんは、キリスト教徒設定も中途半端だし、夫との関係も右近との関係も官兵衛との関係も何かようわからん、「彼女の心はどこにあるの?」っていうフラフラさ加減はあるものの(脚本のせいです)、とにかく若くて美しく、凛とした風情もほの見えて、ドラマに華を添えてくれました。今回、夫との別れのシーンでの口跡はちゃんと時代劇してたし、古参の家臣に眼前で自死されるシーンでの演技も見ごたえありました。何より来週の予告の儚げさ・美しさ・・・この大河での経験は、彼女のキャリアで大きな意味を持つものになるでしょうね。

しかーし、美紀様であるぞ。天下の中谷美紀をつかまえて、今さら、夫や子どもへの愛情を通り一遍の脚本演出で・・・。美紀様にとっては「嫌われ松子の一生」以上の苦行であろう。

だいたい、姫路はどんな結界に守られて、あんなにのんびりしとるのだ。武装状態でもなさそうだし、いくらご隠居がいるとはいえ、当主の腹心の部下たちは全員出払っている。御着やら三木やらはどうなった。みんな、人のとこにちょっかい出すほどの余裕はないんだろうけど、それにしたって御着なんて黒田の主筋だっつーのに、今どこで何してんのか、なんの言及もないやん。「わかりやすさ」を追求してるったって、さすがにこれじゃ戦国大河のテイを成してないでしょ。複雑怪奇とまではいかなくても、あっちもこっちも大変な播磨(関西方面)情勢、信長の天下とりの行方・・・ある程度、それを俯瞰して見せてくれないと、全然血沸き肉踊らないやん。

そう、信長@安土城も、のんびりしすぎ! てか、「わし自らー!」とか言ってた信タン、いつ、何のために安土に帰った(笑)。もらった地球儀見せびらかして悦に入ってるだけの分際で、元気よく秀吉を足蹴にする姿が相変わらずタダの単細胞(笑)。江口さんが器用なタイプの役者でないとはいえ、すぐあとの「ルーズヴェルト・ゲーム」ではそれなりに凄味を見せているとも聞くので、やっぱり脚本演出だよね。。。。

本作の信長および織田軍団見てると、やっぱり村重が正常に見えちゃうんだよね。一時期の洗脳からすんでのところで目が覚めて、ブラック企業からの脱出を試みるも、道は険しく、いつしか正気を失っていく・・・という村重の姿が、もともと「官兵衛の友」設定であるからして、決してただの愚か者・裏切り者ではなく、哀れさを誘うのはアリとして、その村重に向かって「新しい世」教のお題目を唱え続ける主人公たちが謎でしかないってのが困るよね(笑)。

ともかくも、謀反決意のときに引き続き、城からの脱出についても、一応の筋は通っているというか自然に見えた村重が、このドラマでかなりマシかつ美味しいところをさらっていってることは間違いない(役者の好演ゆえに脚本家が書きやすくなってる面もあると思う)。「妻子を助けたい、そのためにも援軍を」という気持ちももちろん無きにしもあらずなんだけど、籠城疲れだわ、妻の愛は信じられないわ、とにかく信長が憎くて仕方ないわで、気がおかしくなってきて、本能的にひとりで脱出しちゃった、っていう。この人は、裸一貫で出てきて、城やら国やら、絶世の美女の奥さんやらもらうんだけど、「とにかく俺が死なずに生きていれば信長には負けない」、といって、つまり裸一貫に戻るんですね。村重ひとりだけを見たときは、なんだか綺麗に一本通った脚本なんだよな。来週も楽しみにしてます。

あ、浜田学は、「武蔵(2003)」、「功名が辻(2006)」、「龍馬伝(2010)」、「江(2011)」、「平清盛(2012)」に続く大河出演、おつかれさまでした。大河役者ェ・・・! もうちょっと大きい役もらってもいいんじゃないかと思うんだけど。しかし、あの牢番が官兵衛に惹かれていった過程もなんの説得力もなかったねえ。ほんとに単なる同情っていうか情が沸いただけっていう。あれで「岩佐又兵衛親子を描いた」なんつっても俺は認めん(まあ、ハナから描かないよりはマシ・・・・かもしれない)。

んで、最後に全力で叫びたいんだけど


なんで褌一丁が善助なんだよ!!!


そこ九郎右衛門ーーーー!!! わかってねーな!!! 濱田岳の褌とか誰得なんだよ。既婚者だろーがよ。既婚者以前に濱田岳だろーがよ。かわいいけど。
高橋一生がいるだろうがよ!!! 
ったく九郎右衛門ったらせっかく下働きに扮してるのになんのセクシーもなかったんだもん。ぷんぷんでござるよ。

とにかく、最大の見せ場だったんじゃないか?ってぐらいの有岡救出作戦がアレだったんだから、あいつら3バカトリオ確定。だいたい、酒を差し入れるという古典的なテク(テクともいえんww)で見張り番を追い払った九郎右衛門が鳴らした指笛に、てっきり、名もなき黒田兵たちがワラワラ登場するのだろうと思いきや、善助(バカ1)と太兵衛(バカ2)だったときの失笑感wwww 作戦スケール小さすぎwwww