『軍師官兵衛』 第20話「囚われの軍師」

子どもの相手(や寝かせる準備)をしながら、たま〜にチラチラ見てる夫が、次回予告を受けて「松寿丸、死ぬの?」と尋ねてきたので、「死なないよ。だって黒田長政だから」と答えると(これは私の感覚ではネタバレじゃないです)、腐っても福岡人、「あ、そーか」と納得してました。や、夫は別に腐ってないけど笑

続けて、松寿丸の命が助かるまで云々…ついでに官兵衛の命も助かるまで云々を簡単に解説すると、「へぇー。へぇー。」と、それなりに面白がってくれたので、「夫婦っていいな。」と思ったんですが・・・どシロートの私がダイジェストしてもそれなりにドラマチックになるほど、このあたりは、黒田官兵衛の人生の中で間違いなくハイライトのひとつ、戦国史の中でもミステリアスなエピソードだというのに、ドラマは大して面白くありませんね、にっこり(絶望)。

右近がちょろい! あんなに簡単に決断して投降しちゃあ、白装束のインパクトも全然ねーだろ! 先週、息せき切っての自分語りのうえ村重をアゲアゲしてたくせに、ちょろい奴だ。中川清秀もちょろい! こいつはドラマの展開上、憎まれ役でもいいんだけども、ちょろすぎて憎む気にもならん!! 

だしっ子ちゃんもだしっ子ちゃんで、迷いなく官兵衛に肩入れしすぎ! すっかり間男された旦那みたいになってるじゃん、村重! 
官兵衛も官兵衛だ! この期に及んで、まーだ「新しき世」しか説得材料はないんかい! んなもんで翻意するわけないのは軍師じゃない一視聴者でもわかるわ!!

村重は命がけで謀反を起こしてるんだよ!? 裏切るにせよ、説得するにせよ、間男するにせよ(笑)、みんなもっとまじめに、深刻に相手せんかーーーい! かわいそうやろうもん!!

そこへいくと、「わし自ら采配をふるう!」な信長タンはやる気まんまんでよろしいのですが、おめーは余裕こいてワインぶっこぼしてる場合じゃねーだろwww 村重が謀反したとなると摂津はもちろん、播磨もならって、中国攻めどころじゃないし、本願寺のほうもやばいし、武田だってまだ生き残ってる。お尻に火がついてる状態ですよ。「おらが首が危ない」って焦燥のもとで出馬して! 

や、「それでも動じないのが信長の大器」って演出なんだろうけど、信長もキリキリしてくれたほうが緊迫した情勢を感じさせてずっと面白いし、このドラマで余裕ぶっこいてる信長を見てると、「大器」ってより「ボンクラだから状況に気づいてない」ってふうにも見えたりするからさw

鶴太郎も謎だぜ。補完するに、官兵衛が(自分の指示通り)殺されたと聞いて「職隆が聞けば驚くだろう…」と涙を流すってことは、彼は長年自分を支えてくれた職隆には恩義や愛着を感じてるってことなのね。あそこで鶴太郎がgkbrと震えはじめたとき、私はてっきり「お紺よ、すまん」と亡き妻の遺言を思い出して泣くのかと思ったので、恭平パパの名前が出たのは驚きだった。彼の中では、職隆>お紺 なのか? 

てか、お紺があれだけ(物語的にけっこう無理のある)遺言を遺して死んだのに、完全無視って脚本ひどくないか。まあ、お紺は死者なので、単純な比較材料にはならないとしても、少なくとも鶴太郎にとっては、職隆>官兵衛だったってことよね。官兵衛、主人公としてバリバリの人格者に描かれてるのに、人望ないじゃねーか笑

にしても、役者さんは大変だよね・・・ガクブルで涙する鶴太郎も、男泣きに泣く恭平パパも、熱演でさあ。深みのない脚本に熱量を与えてはくれているわけよ。ほんと、鶴太郎と柴田恭兵がもったいないったら。今年の大河も「ずっと見てる人は、登場人物が泣いたり怒ったりしても脚本演出の積み重ねがアレなんで白けてて、時々、たまたま見た人は、役者の熱演につられて軽く感動する」ってパターンよね。

だいたい、戦国武将を安易にベーベー泣かせる演出は好きじゃないんだけどね。ほんっと、「平成の父」だもんな、職隆の造形は。涙は大事なときにとっておきたい、ってアイドル時代の斉藤由貴でさえ言っとったぞ?

光さんの「死ぬほど心配している=水垢離しつつ願掛け」のテンプレ描写は、いかにもこのドラマらしい(褒めてません)。

あと、善助・太兵衛・九郎右衛門のトリオは、なんで3人で雁首揃えて忍びこむかねww リスク分散しろやwww 見映えとかわかりやすさとかを重視すると、ほんと、安っぽくなるんだよなwww 

先週書き忘れたけど、「御着を潰しましょう」と提案した九郎右衛門が、官兵衛よりよっぽど軍師らしいって話だよな。「いや、義を貫く(キリッ 」とか言って幽閉されてる(殺されてもおかしくなかった)官兵衛やんが無能すぎて。・゚・(ノД`)・゚・。 軍師どころか戦国人失格やで…。・゚・(ノД`)・゚・。  主人公ageしてるつもりでageきれてない脚本ひどい・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

ってわけで、そんな中、奮闘しておられる岡田さんに敬意を表して、最後のハードアクション(かもしれない)「壁走りシーン」は、その場で一時停止 → リピらせていただきました。官兵衛は、1回通して見たら、心置きなく消してるからね、録画。岡田くんのアクションいいよね。岡田くん、土牢に入ってもがんばってください。