睦月の十三

●1月某日: ゆうべ一人で夜更かししてしまったー。爆睡。寝坊。お白湯がうまい。秋から春ぐらいまでは、いつも朝いちばんに飲む。友だちを招いてうちでランチ。彼女にはうちより大きい子がふたりいる。近況を聞いてると、子どもが育ってゆく過程ではずーっといろいろあるよなあ、とあらためて思う。最後には、彼女が「子どもが受験生になってセンター試験を受けるときとか、私、耐えられるんだろうか。センター試験のときって体調管理とか食事に気を付けるとか大変だった?」と言い出して笑った。それ、彼女にとっても10年以上先の話だ。てか、私らの子が成長するころにはセンター試験ってなくなってるんだっけね。昼間っからワインを少しいただいて、ほろ酔い&睡眠不足で昼寝してしまう(サクもつきあって(?)寝た。てか、最近、サク、毎日のように昼寝してる。一時期の寝ない寝ない星人はどこに行ったんだ)。で、起きてから、晩ごはんは(いつにも増して)簡単に・・・と作ったメインの鶏と大根の煮物が夫に超好評で得した気分になった。

「サラメシ」で早稲田大学競走部寮の管理栄養士さん特集。32歳の栄養士さん。ものすごーく献身的。寮の食事が唯一休みと決まっている月曜日に、試作メニューを、大鍋で作る。そうでないと、塩加減の具合とかがわからないから。出来上がったものは、「選手に出すのは失礼だったりもするので」と何日もかけてひとりで食べる。箱根駅伝直前の選手たちの食事のもようも紹介された。選手たちはホテルに泊まるが、食事は、栄養士さんが近くのウィークリーマンションを借りてそこのキッチンで作ったものを食べる。消化しやすいように、野菜の食物繊維は避けられ(トマトを湯むきするとか)、エネルギーに代わりやすい餅やカステラが添えられる。ひとりひとりの要望(たとえば大迫君は基本メニューの鶏ではなくてウナギを希望)もちゃんとかなえられている。そして、レースを件のウィークリーマンションのテレビで見届けながら、彼はひとりで食事を摂る。なんか、早稲田の強豪部ともなれば大勢のスタッフがいるだろうに、彼は最後までひとりで見るんだ…と思うとちょっと寂しさを感じた。でも、まあ、みんながみんな、集団行動に喜びを感じるわけじゃないしね。ひとりで静かに、献身的に選手たちを支える姿は崇高にさえ見えた。

ほかには、去年の松本清張賞を受賞した山口恵以子さんという人の特集も。彼女なんと、「丸の内新聞」社員食堂で調理主任の仕事をしていて、作家デビューした今も現役である。有楽町のガード下にあり、丸の内の数々の企業に新聞を届けるその会社は、以前「ブラタモリ」でも紹介されていたので私も夫も周知だった。彼女はそれよりずっと前からそこで働いていたのだ。清張賞の副賞500万は、親しい人や、お世話になってきた人たちなどと複数回、高いお酒を飲んでパーッと使い、もう1円も残ってないらしい。夫、「さすがだなー」とつぶやく。自身は堅実な金銭感覚をもちながらのその感想に、「夫、いいやつだな」と思った私である。