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『軍師官兵衛』 第9話「官兵衛、試される」

大河ドラマ

「軍師」官兵衛ってタイトルなんだから、軍師的な仕事を描くのがカナメだと思うのに、すげー雑なのなwww 

官兵衛「秀吉さまは、もう岐阜に?! なんと忙しい」 三成「信長さまは家臣全員が常に必死で働くことをお望み。コマ鼠のように働く、それが織田家につくということです(キリッ 」からの、のんびり庭仕事してる半兵衛ww ここは笑うところなの?! や、官兵衛と会う予定があったから待ってたんだろうし、半兵衛は(このドラマでは)信長の直臣ではなく陪臣なんだろうけどさあ〜。

半兵衛にけしかけられて無茶な約束をしてしまう官兵衛。案の定、御着に戻ってから大変なことに…。って流れだと思うんですが、

1.官兵衛のキャラが不安定。

なんか、急にガキくさくなった気がしました。もともと、10代のころからおもしろみのない老成したキャラで、素直で考え深く、決断力にも富んでいる。子どもができない妻を優しくなだめ、十人十色(てほどいないけど)な家臣たちを威厳と慈愛でとりまとめ、バカ殿への宮仕えはソツないだけでなく真心をもち、浅慮かつ失礼な義兄や義姉にも礼儀正しく接してきたわけです。毛利方の安国寺恵瓊と相対したときだって立派だったじゃないですか。それらすべてが「井の中の蛙」であり、一歩外に出て、半兵衛のようなモノホンの「軍師」に出会うとひとたまりもない、という文脈なんでしょうけども、齢30といえば当時は立派な働き盛り、仮にも播磨の名門の家老として、乱世の様々な政局難局を乗り切ってきたはずの男の描写としてはどうなんだろうと思ってしまった。あー、こういう浅くてわかりやすい出会いになっちゃうんだな、このドラマでは、やっぱり、て感じ。

2.肝心の調略www

事前のお手紙一筆ですっかりほだされる別所長治、播磨情勢の最新情報にびびったらしい、説得の場面すら描かれない赤松方。ちょろっ! おまいら、ちょろいっ! ここらへんがあっさりいくのは、「官兵衛、初めての調略」だからであって、このちょろさから、大河ドラマという長期的見地に立ち、徐々に成長していく官兵衛が描かれていくので乞うお楽しみに…ってことかもしれないんだけどさあ。まあ、この調略は結果的に、成功といっていいものなのか微妙なところではあるし…。けれどとにかく序盤は序盤なり、未熟は未熟なりに、ひとつひとつを大事に、楽しませてほしいもんです。軍師ですから。軍師官兵衛ですからね。いちばん心配なのは、初回の冒頭(=ドラマのクライマックスのひとつであろう、秀吉の北条攻め)で、相変わらず「敵の懐に単身乗り込む度胸と誠意、そして命を尊び平和を希求する心」で乗り切りそうな雰囲気が醸し出されていたこと…。

人は誰でもエゴイストで、理想とか志とかなんかじゃそうそう動かない、ってのをやってるのを、大河じゃなくて朝ドラでやってる、つーのが昨今なのであります。

でもまあ、官兵衛はいいです。主人公だから、随所でage展開があろーし、これまでもあったし。さしあたって心配なのは、鶴太郎=小寺政職のsage展開。鼻を塗るメイクからして、バカ殿の造形とは思うんだけど、当初はもうちょっと「食えない」雰囲気があったというか、天下統一の機運に淘汰されていくとはいっても、曲がりなりにも戦国の世で領主を張るだけの器はあると解釈できていた気がするし、個人的にはそうあってほしいもの。それが「日和見」だったり「ずる賢さ」「あくどさ」だったりでもいい。「強き者が、さらに強き者の前にひれ伏す/敗れてゆく」のがドラマティックなのであって、「バカだから滅びた/捨てられた」じゃあ、面白くもなんともないと思うんですけど。官兵衛の初陣(対 赤松戦)のころにはそれなりにまともに臨戦してたのに、屋敷の奥で袿をかぶって震えているとは、「息子が生まれ、老いを感じてから気弱になった」描写なのかもしれんけど、登場人物への侮辱のように見えて不快だった。悋気もさ、悋気に思っていいんだよ、人間だもの。でも、悋気の扱い方がちゃちなんだよ。なんか。悋気だってまかりまちがえば大ごとになるはずなのに、「おバカな子が妬いてるからどうしようもないなあ」って苦笑してるって、なんか上から目線よねー。不快といえば、各地を転戦しているらしい荒木村重に向かって光が言う「すべては恋女房のためですね」という一言も。これ、あかんやつや。スイーツの、あかんやつやー!

とはいえ、今回は、針仕事しながらの「ながら見」だったせいか、くるくる変わる場面が飽きさせなかったのか、「ふむふむ」って感じで見てました。信長の「一から十まで説明します」シーンがなかったのがよかったのかも。ほんと、別に信長ファンでも江口ファンでもなんでもないですけど、信長がイタい戦国ドラマはかなりつらいからね…。ラスト近くのシーンでのタニショー半兵衛もよかった。ニッコリと邪気のない笑顔と、酷薄なセリフ(どんなセリフだったかはもう忘れたw)とのコントラストが良くて、やっぱり大河が似合うなーと思った。瓢箪にせよ、紅葉にせよ、美術があまりにも美しすぎて、いかにも作り物っぽいなーとは思ったけども。来週、毛利襲来。よろしく頼みます。最後に、今週の「官兵衛、試される」ってサブタイ、かなり最悪に近いと思う。