ソチ五輪男子フィギュア その3

リザルト。ISU国際スケート連盟の公式サイトのここを見てます→ http://www.isuresults.com/results/owg2014/SEG002.HTM




ええ、それ↑はどーでもいー話なんですが。

ジェレミー・アボットは8位。SPで本当に搬送されるんじゃないかというぐらいすごい転倒をして、プルシェンコに続いてまさか彼も棄権・・・と誰もが思っただろう、そこで彼が立ち上がって演技を始め、まもなく3-3を見事に決めたとき、ブワッと涙が出たね。このアボットの演技が、五輪のこれまでで一番泣けたかも。15秒ほどロスしたというのに、終わってみれば、要素がひとつも抜けてなくてねえ。つなぎを演技をはしょって、ロスした部分のスピンを入れたとか? 決定的な転倒の時点で演技をやめなかっただけでなく、あの非常時にそんな冷静なことができるって、やっぱり、フィギュア大国から五輪にまで出てくる選手は凄まじいな、とあらためて思った。半身を強打していて、ダブルのジャンプでも痛むほどだったらしく、FSでは4回転を外し難度を下げてはきたものの、コンビネーション3つを含む8つのジャンプをすべて決めてしかもすべてに加点がついて(結果的に彼のFSの技術点はフェルナンデスより高かったのだ!)・・・ここにも成し遂げた人がひとり。あの転倒の瞬間に「メダル争いから離れた」ゆえの、その後の思いきりや、落ち着きだったのかもしれない、とも思えて、皮肉だなあと思ったりもする。ifを語ってもしょうがないんだけど。

17才、シニアデビューしたばかりのハン・ヤンが高橋に次ぐ7位に入ったのはすごーく立派な成績だ。彼がSPの演技を始めると、TLは「イラッとする(笑)」という人であふれた。それは褒め言葉。私もあのSPの小芝居たち、ほんっとうに大好きだ。FSの「美しく青きドナウ」だって、彼にかかればどこかまがまがしい、ハードボイルドな雰囲気になる。11位のジェイソン・ブラウンといい、得難い個性と身体能力をもった若手。ここから2年はチャンと羽生で激しい鍔迫り合いを繰り広げ、平昌のころにはチャンが今の高橋のように「別格かつメダル有力候補のベテラン」の味を醸し出し、テン君はますます磨かれ、ハン・ヤンとジェイソンが羽生に肉薄して…というのが私が勝手に望んでいる今後の男子フィギュア界です。もちろん日本人選手たちもバンバン絡んでほしいのよ。