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2013年紅白歌合戦 (1)

どーも。毎年紅白を見てるエミです。今年を語るなら、「1.綾瀬はるか無双」 2.「あまちゃんとの再会&有終の美」  3.「その他」 だと思うんですよね(反論はご自由に、しかし議論には夢中になりません)。ってことで一項ずつ。

1.綾瀬はるか無双
紅白は、さんざん、利用してましたよね。かわいらしくて、天真爛漫で、まじめで懸命で、人の喜びも悲しみも感じやすくて。…っていう、綾瀬さんのパブリックイメージを。利用って言葉に語弊があるなら、最大限に活用しようとしてましたよね? 番宣のために、いろ〜んな番組に出して。2,3見たけど、いずれも、ほんとに素敵な綾瀬さんでした。スタート時のほぼ第一声、「NHKホールが生きてるみたいですね」って天然じみたコメントだって、座付の放送作家が書いた台本に決まってますよね。そして第一部では彼女らしいトチりが続いた。でもそれを微笑ましく、あるいは手に汗握って応援しながら見てた視聴者も少なくなかったはずです。

が、徐々に彼女は司会の中心からフェードアウトしていき、代わって終盤を仕切ったのは有働アナ。総合司会が、曲紹介にまでこんなにも多く進出するのは(しかも紅組にだけ)珍しいことです。生番組を滞りなく進めるため、または他の歌手(その所属事務所)からのクレームを避けるため、もしくは綾瀬さんの事務所がこれ以上のリスクを背負いたくないため・・・なんらかの理由で、決断があったんでしょうね〜。紅組トリの高橋真梨子だって、時間の制約があったにせよ、あそこまで紹介コメントが簡略化されたのはどーも不自然でした。

個人的には最後まで綾瀬はるか無双を見たかったけど、途中まででも、とても楽しかったです。紅白って良くも悪くも「ごった煮」「通俗的」「茶番スレスレの協調」が個性だと思ってる。ところが司会に関しては近年、若手女優と人数の多い嵐の起用が続いていて、それはとてもキラキラしく眼福なんだけれども、紅白らしい通俗性からは遠いものでもある。あらかじめ用意された詳細な台本をこなすことに力点がおかれ、破たんもないが自由もないという無難さに終始しがちなのだ。

なので中居くんと鶴瓶師匠の年なんかが私は非常に好みだったわけだけど、今回、風穴を開けてくれたのが綾瀬さんですよ〜。綾瀬さんて噛んだりトンチンカンなこと言ってもバカっぽく見えない(女優としてのイメージも下がらない)稀有な人だし、ハプニングに備えたりフォローしたりする嵐さんたちの姿には、彼ら本来の高い能力を初めて紅白で見せてもらった思いです。審査員やゲストタレントたちも楽しんで盛り立ててた感じだったし、まあ最終的には有働さんという姉御が控えてるわけなので安心感もすごいし、なんか今年は司会の存在が良い血流になって紅白という巨大なカラダを循環してたんじゃないかなーと思ってます。

まぁ綾瀬さんは天然でも立派な女優なんでね、「国民の娘/妹」みたいなイメージを押しつけたくはないとも思ってるんですけどね。あと、衣装。普段からマントみたいなのや土管みたいな服装の多い綾瀬さんだけど、紅白ぐらいバッチリ決めてくれるかと思ったら、やっぱりマントや土管でした。胸の豊かさを隠すためフォーマルなドレスを避けてるのは、本人なのか事務所なのか。私なんか、その見事な凹凸を見せつけてほしいと思ってるんですけどね〜。

2.あまちゃんとの再会&有終の美

完璧すぎ!! 大みそかにこんなプレゼント、泣いちゃうよー! 緊張しすぎて挙動不審になってる荒川良々、という“not あま視聴者”にそっぽ向かれること間違いなしのシーンで小芝居が幕開け。スナック梨明日ではぐでんぐでんの男たちやらゴーストバスターズ推しの駅長…をぶん殴る渡辺えりやら同じく緊張しすぎて挙動不審の片桐はいり、残念な小池徹平。ガン飛ばしまくり、怒鳴りつけまくりのキョンキョン。横でnotあま視聴者の義母が引きまくる様子をつぶさに観察したので、この、作り手の攻めの姿勢がなおさら頼もしく思えました。そーだよ全方位的に媚び売ったってしゃーない。これがあまちゃんの通常営業だー! 

北鉄に飛び乗ったユイちゃんが空飛ぶタクシーに乗り換えるあたりから気持ちはウルウル。あまちゃんビッグバンドのオープニングテーマの演奏が、そこで時空を超えるのをあらわすようにちょっと歪んだ音を出すのが細かい。ドラマであれほど北三陸に閉じ込められどうやっても出られなかったユイちゃんが、ついに、東京にキター! しかも紅白!! なんて粋な、というか意気な演出。クドカンはじめから紅白狙ってたのか?! これを念頭においての本編執筆か?!と思うほどだ。「な、夏ばっぱ…?」「?! ・・・似てるけど別人だ!」のやりとりも最高。橋本愛ちゃんもだけど、能年ちゃんが生放送で、大勢の観客を前にしても堂々とアキになりきってるのは、さすが1年近い収録をこなしただけあるなーと感心。

そして出てきたキョンちゃん…じゃなくて天野春子、続く薬師丸さん…じゃなくて鈴鹿さんには感涙! ふたりとも小芝居の第二幕にいなかったからそういうことだろうと想像はできていても、そして歌ってるのは実際にはアイドル歌手であったキョンちゃんと薬師丸さんなんだけど、春子がついに表舞台で歌ったよー! 鈴鹿さんが自分の声で…! で、入り口で警備員に阻まれた今正宗パパは、今回もやっぱり、鈴鹿さんの歌を聴いてない=春子の歌がワンアンドオンリーなのよね〜うふふ… ってもう、何が現実で何がドラマか、もう、混濁です。「地元で帰ろう」の県名コールはやっぱり涙腺に訴える。そしてヒビキで締め(笑)

限られた時間で出演者全員にきっちり持ち場を与え、それぞれを輝かせるホンを書けるクドカンはさすが、舞台出身の作家だなあと感服。もはや全然泣かせようとしてないのに笑い泣きしちゃう(ところまで視聴者を感情移入させてる)ってのが彼の魅力の本質だよねえ。本人も審査員席で体をゆすって笑ってる、ってのもすごく素敵な絵だった。遊川某ならこんなときひとつの粗も許さないような厳しい目で睨みつけそうだ…。

あまちゃん」の続編はいらないと思ってたけど、こんな素敵なアンコール編が見られるとは僥倖。蛇足感のなさがすごかった。