『リーガルハイ』 第4話

佐藤仁美の「不満ためこんでる隣の主婦」の鉄板感!!!!

…って、あれー? この回、評判イマイチ? すげー楽しんだんだけど。

前回、打倒古御門のために姑息な手を使ってしまったことで、羽生のヘタレさ加減が際立った。win-winなんて理想は「絵に描いた餅」でしかなく、古御門の、シビアな現実を露呈させるやり方こそが一周まわった正義であり、「まだまだ古御門盤石!」なのだと痛感させられた。

一話にしてそこに大きな疑問符がついたんだよ。この、「次々と視聴者に価値観・善悪の揺らぎを突きつける」感じ、望むところ。リーガルハイらしい。視聴者の中では圧倒的に「真」になってる古御門すら安泰じゃない…っていうか古御門こそが問われる存在である、って方向にもっていくのは、このドラマ的にすごく腑に落ちる展開だし、何より面白い!

「小手先で古御門を倒す」呪縛から逃れてこそ、羽生は古御門の脅威になりえるんだね。勝負には負けても、自分の納得いく落としどころを見つけたから、黛をキュンとさせるオーラを放つ。不動産屋がどうこう…とかいう手段も、「古御門と張り合おうとしてた前回までに身に着けた細かいテク」をうまく自分のものにしたな、て感じ。

そう、冒頭の「通りで音楽やろうとしてぶつかる集団を仲裁する羽生」 「下手なヴァイオリンを悦に入って引く古御門」ってミニエピソードもちゃんと本編に生きててよかったな。羽生の人の好さは日々の小さな場面で生きるし、彼はそのおかげで多くの人脈を築くことができる。唯我独尊を貫いてるつもりの古御門は、実は服部さんに尻拭いをされてることを知らない。

この調子だと、裁判に勝ち続ければ続けるほど、古御門の裸の王様ぶりが浮き彫りにされていくんじゃないかしら、て不安に駆られるよね。広末判事の「あなたも相当窮屈そうに見えますけど」の“一矢”も効果的・示唆的で。古御門にとっては裁判で勝つことが唯一絶対の正義であり現実。だけど何かにこだわり続けることは形骸化のおそれを免れない。

勝負にこだわらない羽生に、裁判上の勝利も舞い込むのか。古御門に、名を捨て実を取る日はくるのか。最後の戦いのときの黛の立ち位置は。まさか古御門と羽生が心底からのハイタッチをして終わり(=win-win)、なんてヌルい大ラスにならないでしょうねぇ…? などなど、今後の興味は尽きない。 

まあ、たぶん、我らが古御門先生は最終的には名も実も総ざらいしていっちゃうのだと思うが!! まだたった4話。これからもきりきり舞いさせられる展開になることでしょう!

あ、ただひとつ、「古御門 vs 羽生」は服部さんの電話の相手がお膳立てしたもの…ってのはヤだな。前シリーズのハムスターみたいなオチだといいな。

今週のエピソード自体も面白かったよ。古御門 vs 黛の再現対決に超ウケた。広末裁判官がそっちの組織で問題児扱いされてる、って設定も自然。その腹いせに古御門たちに嫌がらせするあたり、「コイツも女だね〜」って感じなんだけど、古御門 裸の王様説を指摘してちゃんと優秀さも感じさせた。猫背椿が佐藤仁美に「また隣に住まない?」て持ち掛けるラストは、単純なハッピーエンドではないと解釈することにしました。「そしてまた嫉妬から逃れられない…」っていう負のスパイラルの可能性が潜んでいると。

それにしても、いま、日本でもっとも美しい俳優は岡田将生じゃないかと思いますね。去年、佐殿(=源頼朝@大河)のときもそう思ってたんですが。初めて見たのは「天然コケッコー」。東京からの転校生って役で、確かに垢抜けた顔してたけど、まさかここまでの美貌に育つとは…。中東の王族って言われても納得する。王族美ですよ! 神がつくりたもうた…て感じ。