長月の九 / 直江兼続の義と愛

●9月某日: 午前中、“どんぐりの家”にて、小さい人向け読み聞かせの会。2か月に一度ほどの開催だが、サクが「今日はどこに行くのか」と問うので、「どんぐりの家だよ」と答えると、「あっ、きょうは、なんのほん かりるの?」と素早く反応した。よく覚えてるな。「ねえ。なんのほん かりるの? しんかんせんのほん?」何でもかんでも新幹線だ。「さあね〜行ってみないとわかんない」と答えつつ、前回の借りた絵本2冊をバッグに入れているのを目ざとく見つけて、「ちょ、どーして それ もっていくの! もっていっちゃ だめ!」と猛反発していた。お宅に着くと(個人のおうちである)、一番乗り。ディスプレイされている絵本の中から「でんしゃは うたう」をさっそく手に取るサク。主催のK田さんがリズミカルに読んでくれると、にっこにこして聞いてる。これと、アジア美術館の「絵本ミュージアム」展で見てすごくよかった「なつのいちにち」を借りた。季節外れ、という概念をサクに教えるのだ(違)。

でんしゃはうたう (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

でんしゃはうたう (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

なつのいちにち

なつのいちにち

夜、入浴後、夫と「ちょっと一杯やりますか」とビールをあけるも、ちっとも寝やしないちびっこがいっちょまえに席について、牛乳で一緒に乾杯し、やれ絵本を読めだの、やれ折り紙に付き合えだの延々と主張して、私と夫が大人の会話(?)を始めると、ものっすご妨害する。「ちっともくつろげんかったな…」と言いつつ(とはいえビールの後は焼酎も飲んだが)、あきらめて布団に入る。

Eテレ「知恵泉」は2回連続で直江兼続。冒頭から、歴史の達人として出演の本郷和人(『平清盛時代考証の人でもある)が「兜の愛はLOVEではありません」と言挙げしてくれて超爽快。愛染明王愛宕権現の愛ですよ、と。謙信毘沙門天の「毘」の旗を用いていたのと同じ理屈ね。 愛染明王っつって別にエロス関係ないよ、毘沙門天と同じく軍神だよ! ふう。で、内容はというと、「天地人」を全45話、見るよりも、よっぽど直江兼続に対する畏敬の念が湧いたよ(爆)。いや〜、兼続、すばらしい実務家であったのだね・・・てだけじゃなく、大河であれほど連呼してた「義」の精神についても、知恵泉のたった50分間のほうがよく理解できた気がするのはなぜなのだ。ところで本郷先生はほんとに良いキャラしてますね。また、篠原ともえの、なんと感じのよいこと、かわいいこと、コメント力のあること! 「現代の達人」として出演の、旭山動物園を再建した小菅さんも含めて、すてきなトリオで楽しい50分であった。