モスクワ世界陸上6日目: 男子走り高跳び決勝ほか!

●男子走り高跳び決勝
ちょ、これは…! 最高の横綱相撲だったんじゃなかろーか、ボンダレンコ…! 決勝、パスを効果的に繰り返し、たった4度の跳躍で金メダル獲得! 往年のイシンバエワ姐さんを見るようだ。省エネ街道を選択したのは、勝つことが前提だったのか、あるいは、世界記録付近での金メダル勝負を想定していたからか。ともかく、前哨戦通り、2m41は他の誰もクリアできなくて(というかボンダレンコにとっても自己ベストタイ)、結果的に体力を温存した彼は、世界記録更新に集中することができた。結果はダメだったんだけど、2m41の軽やかさと余裕を思えば、ダメだったのが不思議に感じるくらい。やっぱり、世界陸上という大舞台で記録を出すことの難しさかなあ。今大会、そういえば、まだワールドレコードは出ていませんよね…

しかし、ロンドン五輪を見たときは、若いバーシム君(当時銅)が世界王者になる日も遠くないかと思いきや、ロンドン7位だったボンダレンコが一年でここまで伸びるとはね〜。しかもバーシムとボンダレンコはたったの1歳違い。二大巨頭時代の始まりか・・・って3位のドルインも同年代だし、今回バーシムと同じ高さ跳んだんだ! 

まあ、個人的には、去年の五輪王者でありながら、番組が優勝候補の一角にすら挙げなかったロシアのユコフが4位と意地を見せてくれたのがうれしかった。今回の表彰台組より一世代上ではあるけど、まだまだ頑張ってほしい、なんたって彼は私好みの「'70年代白人ミュージシャン風アスリート」であるからしてwww

あと、6位に入ったバハマのトーマス。この人は2007年大阪の王者で、当時、バスケットから高跳びに転向して一年かそこらってことで、ものすごい脚光を浴びてましたよね。けれど、基礎を固めずして世界選手権を制してしまったことがかえって災いとなったのか、そこから伸び悩む時期が続いていて…久々の好成績だったんじゃないかな。

●男子400mH決勝
この種目って男子と女子が同じ日にラウンドを重ねていくのね。準決勝ではキューバのシスネロが良かったんだけど決勝では快走は見られず、カーロン・クレメントがまたも本番に弱いところを見せつけ(失礼)、最後の直線、ティンズリー(米)とゴードン(トバゴ)の凄まじいたたき合いに…! 結果は100分の1秒差、まさにハナ差でゴードンの勝利! ゴードン君はまだ21歳。若き王者の誕生だ。でもティンズリーもPBを出したんだよ。つまり、いや〜最後盛り上がったなあ! ふたりとも、ゴールしたあと転がり込んでたもんね。てか転がり込むティンズリーの肩に「危」ってでっかい一字の刺青を見つけて超アブナイと思った…。為末としのぎを削っていたベテラン、サンチェスが5位に入ったのもうれしかった。

●女子400mH決勝
こちらは予選、準決勝の印象通り、ヘイノバ(チェコ)の完勝! 「最後の8台目まで足がぴったり合っている」という解説に膝を打つ。本当に美しい、大きな走り(逆に、決勝で上位に入るような選手でも、最後は足が合わなくなるのだ。難しい競技)。2着には実力者のデュマス(米)かドレイトン(英)が入るかと思いきや、アメリカの若手、ムハマド。この人は…? ハードル初めてまだそれほど経ってないのでは…? 顔がとてもかわいい。

●男子障害3000m決勝
やっぱり男子は最後の水濠までみんな力強く飛ぶんだなあ、と感心。

それにしても、予選の感じだと王者ケンボイより若手キプルトが強いんじゃないかと解説の金先生も言ってたけど、ケンボイったら素朴に見えて策士なの。って勝つためのメソッドとして当然なんだけどね。19歳のあどけないキプルトを終始ぴたりとマークして、真後ろから銃口突きつけて(嘘)走る容赦のなさ、惚れ直したわ。もちろんラスト一周の3コーナーあたりからスパートしてサヨナラよ。キプルトも追いすがったけど格の違いね。王者は一日にしてならず、ってのを見せつけてくれたわ。でもね、実際のところ、ケンボイも必死だったのよ。だってゴールした瞬間に繰り出すはずのケンボイダンスにまで頭が回らなかったみたいなんだもの。ええ、私、2008北京、2009ベルリン、2011テグ、2012ロンドンそして今大会と、5大会連続でケンボイの戴冠レースを・・・つまりケンボイダンスを目の当たりにしてるわ。陸上関係者でもないのにこんな人、日本に4人くらいしかいないんじゃなくて? もう立派なケンボイフォロワーを自認してもいいわよね? ところでこの試合を見るために、ケニアから大統領まで来てたらしいけど、ケンボイもキプルトもどっちもケニア選手だから何の心配もなかったでしょうね、大統領ったら美味しいわ。

●女子1500m決勝
アレガヴィが危なげなく勝ちをおさめた、予選〜準決勝と見る限り、もっと差がつくかとも思ったけど。でもおめでとうございます、今大会で初めて知った選手だけど、とてもかわいい人なのでなんだかうれしいです。ディババ三姉妹の末っ子、ゲンゼベちゃんは8位。若いし、次回大会ではきっともっと伸びてくるでしょうね。

●女子200m予選・準決勝
「ついに始まったー!」 by織田さん。なんたって10年来の、いわば推しメンですからね。そう、アリソン・フェリックス27歳。今大会、ことによれば彼女は、世界選手権で史上最多の金メダルを手にする選手になるかもしれないんです。なんたってリレーも出まくるしな。で、100mのときは、個人3種目エントリーして今大会の台風の目となっているオガグバレ選手を推してた織田さん、中井さんに「オガグバレ選手も(200mに)出ますが」と振られると、即座に「いいんです!アリソンです!」と断言。あ〜、そういう臆面もないとこ、織田さんらしくて好きよww 私ももちろんアリソンを応援してる。相変わらず足長ッ、顔小さッ、全体スマートッ! 走りがきれいッ! あの、上半身まったくブレずに足が淀みなく大回転っていう彼女独特の走り、ずーっと見ていたい!

準決勝、オガグバレと並んで走ったので、想定よりも速く走ったのかもしれないけれど、それでもまだ余力を感じさせながらのアリソンはSB。期待しちゃう! でも、オガグバレも、もともと100より200が得意みたいだし(今大会、走り幅跳びで銀メダルを獲っている彼女。幅跳びの助走は、200mのスピードと同じぐらいだそうです。どちらも100mの9割くらいの速さなんですって。興味深い)、100の女王の座をぴくりとも動かないフレイザーも、こちらでもすごく調子良さそう。フレイザーの準決勝のスタートラインでの力の抜け具合といったら、なんか市民大会のゲストにでも来たような柔らかで楽しげな微笑みだった。あと、どーでもいいけど、今日、狐忠信の白塗りでインタビューを受けてる亀ちゃん(猿之助)の映像を見たら、やっぱりふたり、似てるwww

●男子やり投げ予選
煽りVTRを見て思わずホロリ。村上選手の来し方について。そう、2009ベルリンで、誰もが射程外だと思っていたところから銅メダルを射止めた彼。あのとき、試合の一部始終を見た熱狂、解説の小山先生の涙も含めてよく覚えてるんだけど、あまりにも鮮やかな成績が彼の選手生活を一変させて、一躍スターになったプレッシャーは相当なものだっただろう。
2011テグでは日本選手団の主将にも選ばれたけれど予選敗退、その後、13年間墨守していた日本選手権の王座も早稲田大のディーン元気に明け渡して、ロンドンではディーンが脚光を浴びた。だけどそんな挫折から這い上がるアスリートもいっぱいいる。長いトンネルから抜け出す端緒になればと願って見ていたけれど、今回も予選を突破することはできなかった。でもとりあえずおつかれさま、私はあのときの勇姿を忘れないよ!!!

さてやり投げといえば三大イケメン陸上アスリートの一角(註:2012年時点での私の認定は、ほかにルメートル(仏 100&200m)、走り幅跳びワット(豪 走り幅跳び。あ、写真貼っときます?www)、ノルウェーのトルキルドセンが登場するわけでね、今年のイケメンは髪を短く刈り込んで男前度がUPしてますよムフフ。記録も83m5は予選全体の3位、おお、神は二物を与えたもうた。てか、予選1位のピトカマキには何の違和感もないとして、2位のエジプトのサエドってすごいダークホースだな、おい! ナショナルレコード更新してるし! 

そして、あら?あらら? 新しいイケメンが加わってるじゃないですか。スウェーデンのキム・アムブ。涼やかだわ〜。眼福だわ〜。ようこそ! 君のやり投げ決勝へのスローイン、私が歓迎します。ということで、決勝は、予選上位3人と、チェコのベゼリー、ロシアのタラビン、ケニアのイエゴ、そしてこのアムブあたりを中心に見ていきたいと思います。顔(だけ)で選んでるわけじゃないです! 

●男子4×400mリレー予選
日本は予選敗退、まあA標準のタイムを持っているのが金丸ひとりという現状では致し方のないところ。けれど1走の山崎選手の走りは世界の舞台でまったく見劣りしなくて、もしやと感じさせてくれた。金丸もさすがに速い。

てかベルギーww 4人中3人がボルリー兄弟ってどういうことだwww 双子だけじゃなくて弟までマイル選手だったwwwww 朝原さん「あとひとり、何とかならないんですかね」って面白いじゃねーかwwww 確かに現時点、notボルリーファミリーのあとひとりの疎外感ハンパねーwwwwww 末弟くんはまだジュニアの選手らしく、今後、3分の8をボルリー一家が占める400の決勝も可能性ある、カモン! ちなみにお父さんがナショナルチームの監督らしい…マンガみたいな世界だ…

さてマイルリレーといえばアメリカのお家芸だったところ、2012ロンドンではバハマがそのお株を奪う大金星!だったのだが、今回は予選敗退。決勝にはメリットが出てくるだろうからアメリカが覇権を奪い返す公算大ですな。