如月の一 / 丸刈り

●2月某日: 午前中、育児サークル。外は雨。サクにレインコートを着せてベビーカーに乗せ、片手で押し、片手で傘。信号待ちでふと見ると、サク、難しい顔をして乗っていて、「びしょびしょなったー」と訴える。レインコートがびっしょり濡れるのも気持ちのいいものではないらしい。むき出しの足首あたりをタオルで拭いてやっていると、「雨の日は、かなんなー」と、一緒に信号を待っていたおばあちゃんに声をかけられた。「まあでも、今日はあったかいので、まだいいです〜」なんつって答えながら、それこそママ仲間なんかには関西出身の人もけっこういるけど、関西弁のおばあちゃんって珍しいよな〜と思う。お年を召されて子どもさんのところに来た、とかかな…。さて育児サークルでは鬼のお面を作って豆まき。と親子ともども楽しく過ごしたのだが、事件は帰り道で起きた。といっても一度、家の前まで帰ったのである。そこで衝撃。サク、靴を片方しか履いてないじゃないかーっ。「どこで落としたのよー。脱いだの?」おろおろして尋ねるも、サクは沈黙…。そらそうだよな…。安物とはいえ買って1か月もたってないし、あきらめきれず、また雨の中へと引き返す。私ががっくりきているのを察し、顔をこわばらせ、微動だにしなかったサクだが、ほうぼう探し回ったあげく、帰りに寄ったスーパーで拾得物として届けられていたガラスの靴(違)を発見し、「あった、見つかった!よかったね」と喜ぶとホッとしたらしく、帰宅後はその反動ではしゃぐはしゃぐ。そして、のちのちまでも「かたほう、くつ、あったね〜」と言っていた。金曜日の夜、夫とビールを飲みながら「最高の離婚」を見るのがすばらしい娯楽。

きのう、峯岸みなみがお泊り報道で丸刈りにしたことで、波紋が大きく広がっている。非常に衝撃的な映像で(動画ではなく写真だけを見たのだが)私もドン引きした。でも、なんていうんでしょうね〜、「なるべくしてなった」感は、ある。彼女がというのではない。AKBってシステムがすごく歪つなものの上に成り立っているのを感じていた大人は多いはずだ。彼女たちはかわいいしがんばってるし歌も踊りもキャッチーで、好きなんだけど、魅力もあるんだろうけど、その歪つ感ゆえに、全面的に乗っかれないなーと思ってた。いつか何かのきっかけで歪つさが露わになるだろうと思ってた部分がある。彼女がどうこう、ではなく、ここからのAKBに興味がある。うやむやに収束しちゃうのかな。確かに、傷つきながら夢を見る少女たち、というシステムだからこそ、ここまできたのがAKBなんだろうけど、なんとか、気持ち悪い部分を捨て去っていけないものか。