『泣くな、はらちゃん』 第6話

越前家がはらちゃんのプロポーズにより紛糾したあと、港でのはらちゃんと越前さん。結婚を断られた直後、静かに語り始めるはらちゃんに、胸をぎゅっとつかまれた。家族って面白いですね。あんなふうに喧嘩しても一緒にいるんですから。結婚しないと家族になれないんですか? そうとは限らない、いろんな場合があります。じゃ、私の家族はちゃんとマンガの中にいますね。時々喧嘩もするけど、ずっと一緒にいるから…。越前さんと同じタイミングで私の涙腺が決壊した。だからといって抱きしめてくれる殿方はおらず、息子2歳半がニヤーッとしながら私の顔を覗きこんでるだけだったが…。

あたたかく切ない抱擁のあと、「越前さんを困らせたくない、幸せになってほしい」と言って、微笑んだまま、みずからノートを開き、マンガの中に帰ってゆくはらちゃん。帰ると、涙を拭いて、マキヒロたちひとりひとりの手を順に強く握り、「そうだ、みんなで歌いましょう!」とギターを弾き始める。もうね、号泣ですよ。むしろ先週より泣いたかも。このシークエンスの連続は、神ですよ、神! 広い世界の煩わしさに疲れて越前さんが作った歌詞を、広い世界に本当の意味で出てゆくことのできないはらちゃんたちが熱唱する…このシュール、この切なさ。

それに何といっても、一連の、長瀬くんの顔、顔、顔。私が彼のドラマで初めて胸を掴まれたのは「歌姫」なんだけど*1、役は違っても、同じ。あんなにデカくて濃い顔で、今や若者というには少々はばかられる年齢にもなったのに、あの邪心のなさ、無類の一途さはなんなんだろう。本業の役者というのとはちょっと違う、小器用さや技巧に走るわけでないのが、彼の場合、良い方に作用するというか、ただただまっすぐな演技になおさら胸を打たれる気がする。巧い役者はいくらでもいるんだけど、はらちゃんが長瀬くんである必要性というのをものすごく感じますね。

マキヒロにつられて無邪気にはしゃいでいたところ、一瞬で取り残されたあくまちゃんが、神社の前で歌う恋の歌…ってシークエンスも良かったなあ。このドラマ、忽那さん史上で最大にかわいいんじゃないですかね。そこに出てくる田中がまた良くて〜! 田中(丸山隆平さん)の発見は私にとってこのドラマ最大の収穫なのだ。

*1:タイガー&ドラゴンはそのあとにDVDで見た