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黒塚(Eテレ舞台中継より)

歌舞伎の感想って書きにくい(あまりの門外漢を晒すのが恥ずかしいし、大半、テレビで見てるから)けど、自分用のメモだ。書いていこう。

能の「安達原」を題材に、昭和初期、二代目猿之助が披いた歌舞伎舞踊…らしい。三代目、四代目と受け継がれてきた澤瀉屋の芸。亀ちゃんは襲名披露公演で初役。

初心者には敷居が高いし、舞台で見てて寝ちゃうこともあるけど、舞踊ってけっこう面白いな…と最近思うようになった。それも踊りの名手たる亀ちゃんのおかげかも。門外漢でも数をこなすと何となーく目ができてくるから。博多座で亀ちゃんの「双面道成寺」を見たころから、舞踊に対する苦手意識(?)が減じたような気がする。勘九郎が襲名披露でやって春鏡鏡獅子も面白かった。これもテレビで見たんだが。

で、黒塚。これは期待通り、相当おもしろい。てか亀ちゃんがすごい。前半の糸車から中盤の芒が原、そして鬼の本性をあらわして高僧に斃されるまで、1時間以上あるけっこう長い舞踊で、主人公の老女を演じる亀ちゃんはほとんど出ずっぱりなんだけど、全編にわたって研ぎ澄まされてる。あの集中力、体力、技量、そして気魄! 芒が原の老女の踊り、腰を屈めっぱなしなのに、あの柔らかさ。鬼の隈取りうまいね。ぱーっとスポットを浴びたときの迫力。ばったんと前のめりな仏倒れも、くるっと後ろにひっくり返るような退場(?名称ありますか?)も見事。

今、同じくらいの年ごろの俳優が「黒塚」をやる姿は想像できない(まあ誰もやらないだろうけど)。まさに今の猿之助の充実ぶりと、彼の個性をあらわす演目だなあと思う。

しっかし、しょうがないんだろうし、本人はどんと来いって感じなんだろうけど、亀ちゃん相当、体を酷使してるよね、襲名発表以来…。役者はほんとに体が資本。病気やけがのないよう祈るばかりです…