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『まほろ駅前多田便利軒』

映画

まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション [DVD]

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主役ふたりのキャストは、自分が原作にもっていたイメージとは全然違ったんだよね。多田はもっと薄い薄い顔で、行天は少女漫画に出てくる王子様のような風貌、って感じがしてた。誰?て言われたら考えあぐねるんだけど。

でも、ま、瑛太さんも松田龍平さんも、どっちも好物なので、見るにあたって抵抗はまったくありませんでした。ふふ。そして、いざ見れば、瑛太さんも龍平さんも大変達者な役者さんなので、私の多田像・行天像はあっさり彼らに塗り替えられた次第です。

瑛太ってほんと、どんな役やってもハマるよね。いつからこんなに上手くなった。髪ぼさっとしてて無精ひげなんか生やしても、シャツを作業ズボンに入れてるようなキャラクターデザインが多田らしい。「それでも、生きてゆく」では瑛太さんの変な走り方が絶賛されていましたが、今作では普通に速く走ってました。変な走り方を徹底してたのは龍平さんでした。龍平さんは乾いた大笑いの仕方も行天のイメージ通りでした。

連作長編である原作のエピソードの取捨選択がすごくうまいなと思った。犬のエピソード、ルルのエピソード、由良のエピソード、本上まなみの凪子も良かった。清海や木村のあたりは割愛して、だから星の出番はちょこっとだし(そのせいか、高良くんの星のビジュアルは完ぺきだけど、演技は???だったような)ラストは少し薄味になったけど、多田の告白は、さすが瑛太、という迫力ある演技で、満足。

何より画面に漂う空気が、原作と同じだったことがうれしかった。演出も変にギャグっぽく大仰にしないで、淡々と交わされる会話に徐々におかしみが漂ってくるところなんか、監督わかってるな!と上から言いたくなっちゃう。銭湯のシーンも、安いテレビドラマみたいな「若いいい男ふたりの入浴ですよ〜」ってサービス感は全然なくて、ふたりの肉体も妙に情けなく映してて、良い(←めっちゃ凝視してるやん)。

南朋と麿赤児が親子で共演してるなーと思ったら、南朋の兄が監督だったんですね! 来年、テレ東でやるドラマ版は、「モテキ」の大根さんが監督ということで、いやがおうにも期待が高まります。主演がまたちゃんと再現されるあたり、ふたりとも、この話、基本的に嫌いじゃないってことよね。うれしいです。