『カエルの王女さま』 第3話

玉鉄が伝説のロックンローラーって設定が笑えてしょうがないwww

うーん、肝心の歌部分が厳しい。序盤であまみんが「全然だめだわ」と頭抱えてるあたりと、クライマックスでの「イケてる設定」とでの差が、わかりにくい…。ロックだとなおさら…。

てか、ショークワイアーにしたことで、よりハードルが上がってるよね? 初回のあまみんの「あの鐘を…」とか、今回の福原美穂の子守唄レベッカとか、そういう描写はとてもよかった(ふたりともプロのシンガーだからというのもあるが)。初回の「風になりたい」もよかったんだよね、それぞれのパッとしない日常を順番に映しながら「何一ついいことなかったこの町で」というフレーズをクローズアップすることでぐっときたんだよ。あと、みんな踊ったりせず普通に歌ってたから、イタイタしさもなかったし…。序盤、中盤はあんな感じで日常と歌とをオーバーラップさせる手法でやって、最後だけ大舞台に立って、ショークワイアーをやるなら、それこそ宝塚の1組ぐらいをバーンとバックに出してさ、圧倒的な舞台感を演出する…ってやったほうが、見やすかったんじゃないのかな。まあ、そういう「簡単な」方法を、敢えてとらなかったということかな。

傷をもつ人、踏み出す勇気のない人を、癒すのではなく、共感するでもなく、糾弾し、突き放して焚きつける…という徹底したやり口がこのドラマの特徴だ。立ち上がれ、踏み出せ、おそれるな、やってみろ、戦え!と。それも、教師のようにポジティブに励ますんじゃなく、相手を傷つけるのも辞さない勢いで弱さを否定する。とかく「“がんばれ”って言っちゃいけない」「出る杭は打たれまくる」風潮の現代にあって、このドラマの主人公は真正面から他者にぶつかってゆく。

そして、彼女が社会的には万能感に程遠いのも特徴。人間的に問題があるというより、彼女自身がとりあえずの敗残者なのだ。「フラガール」と違うのは、同じように夢に破れて田舎に流れてきた松雪泰子は、自身すっかりやさぐれていたが、このドラマのあまみんは、やさぐれつつもギラギラしている。ハタからみたら落伍者である彼女は、まだまったく、自分の人生を捨ててはいない。リングから下りようという気が、まったくない。

そういった設定すべてに、作り手の意志を感じる。視聴率を見ても、その意志に馴染めない…という受け手が多いこともわかるんだけど、作り手の意志を感じるドラマには、それだけで好感が持てるな、と思うんである。

そして、しかし、「戦おうともしない弱虫を見ると反吐が出る」「他人の痛みは他人の痛み、知ったこっちゃない」と言い切って憚らないキャラを演じてこんなにしっくりくるあまみんって、やっぱり稀有な女優だわ。このドラマでの彼女を好きか嫌いかにかかわらず、倉坂澪にハマっているのは確かだもんね。こういう強く極端なメッセージを次々に発して、言葉が上滑りしない、(空元気的なところも含めて)説得力をもって響くのは、あまみんのキャラクターあってこそ。

つーことで、歌のシーン中心に、もっと盛り上がることを望む!

小泉孝太郎のダメ感が相変わらず素晴らしいです。