朔太朗的日常:満1歳9ヶ月

もうすごい。元気元気の元気すぎ。わるそう坊主(わるそぼうずって博多弁か。悪いことしぃ=いたずら坊主ね)。もちろん、すごいなーって感心することも、多々あるけどね。

●初めて見たもの、経験したことを、その場でじゃなく、しばらく時間が経ってから身振りで再現することがある。

●すべり台を滑るようになった。ときどき行ってみて、階段を1段上がっては降り、2段上がっては降り、タターッとその場から離れる…という日々だったんだけど、ある日、ブランコで隣に乗っていたお姉ちゃんが駆けていって滑っているのを目で追い、自分も行く、と主張して階段を上りきり、すべることもできた! すごーくうれしそう。そうなったらもう夢中。20回でも30回でも滑ってる。

●ただし、別の公園で、いつものよりも少し大きかったり、階段が急だったりするすべり台では、やはり1段上がって降り、2段上がって降り…と、もじもじするばかり。でも、「これは大きい」という認識、「だからこわい」という感情が正しくあるんだなあ、という点では感心する。

●テレビで「さようなら」「じゃあね」というシーンがあると、「ばっばーい」と手を振る。「バイバイ」と同義だとわかっているんだな、と感心してると、『カーネーション』で登場人物たちが「ほな」「ほなな」と言い合うと即、「ばっばーい」関西弁でもわかるのか〜。こんど、「そいぎー」「そいぎんた〜」とテレビでやってみてくれんだろうか(佐賀弁)。

●私の母が買ってきた型はめのおもちゃ、ピースが、「花、三角、ひし形、鳥、うさぎ、くま、1,2,3、A、B、C」の12個。すべて上手にはめることができる(先月時点で)。一番のお気に入りはうさぎで、絵本を読んであげていてうさぎが出てくるページになると、必ずそのピースを持ってきて、「おなじ」と言わんばかりに「ぽん、ぽん(ぴょんぴょん)」とやる。洗濯バサミで遊んでいたとき、突然Aのピースを探して持ってきたので何かと思うと、すごく得意げに洗濯バサミの横に並べる。形が似ていると思ったらしい。子どもの発想ですなあ。数字のピースをもつと、「いっち、にー、さん」、アルファベットのピースをもつと、「え、び、し」という(どれがどれかまでは分かっていない)。私は文字はあまり早く教えたくないので、黙って遊ばせていたんだが、どうして覚えてしまったのだろう。夫か。夫とは、私に比べるとそれほど、このおもちゃでは遊んでいないはずなのだが。

●お絵描きボードに、私(絵心ない芸人)がふとバスを描いてみると、「ぶっぶー」と言う。こ、この私の画力でわかってくれたの〜!と驚き、サクが言葉を言えるものをいろいろ描いてみた。うさぎ=「ぽん、ぽん」。鳥=「ぴぴぴ」。象=「ぱおー」。ライオン=「がおー」。手=「て、て、て」。目=「め、め、め」。電車=「た、と、た、と(がたんごとん)」。ひこうき「おっ、おっ(と、空を指さす真似)」。コッシー=「とっしー」。そして、驚いたことに、バナナとおにぎりも、私の超簡素な絵を見たこのとき初めて、発音した。「ばぁあぁあ」「おーいーい」。おまえ〜、わかってたのか〜!

●パペット人形の口をぱくぱくさせながら、「おなかすいた〜、なんか食べさせて〜」と言うと、キャッキャと積み木などを次々と口に入れてくれる。で、「あー、もっと食べたい。次はサクちゃんの手を食べよう〜」と言うと、自分の手をぱっと握ってキャーと言う。同じように、目、耳、あんよ、頭、おくちを食べよう〜と順にやってみると、わかってる。おでこ、おなか、ほっぺはわかってないみたい。

●実物のバス、写真のバス、テレビの中のバス、絵本の中のバス、それぞれタッチの違う絵。どれを見ても、すべて同じ「バス」だとわかってる。うさぎや鳥、象、バナナやおにぎりなども、そう。抽象力があるんだなあ。よくある話で、名前を知らない四ツ足の動物(馬やきりん、鹿など)はすべて「わうわ=わんわん」と言うけど。

●1歳〜6歳くらいまで、子どもと見るや一緒に遊ぼうとする感じが見てとれる。サクがしたいのは、基本的に追いかけっこ、それにオプションとして隠れるのが付いたりもする。砂場では一緒のバケツに砂を入れたり、誰かが作っている山に砂をかけたり、もちろん壊したりもする。

●所有権という概念がまだない。だから、誰のおもちゃでも平気でとって、「これは○○ちゃんのだよ」と言ってもポカーン。しょうがなく取り上げて持ち主に返すと、ものごっつ怒る。これが、「モノにはそれぞれ持ち主がいる」ということがわかると、今度は、自分のものを「サクちゃんの!」とか言って、人に渡さないようになるんだよな〜。どっちがいいんだか。

●外食先での暴れっぷりがすごい。元気があるわね〜と微笑ましく見てもらえるか、ちゃんと躾しろやゴルァ!と侮蔑されるか、どっちなのか微妙なレベル(まあ、その人によるんだろうけど)。じーっと座ったままいい子で食べるか、すぐに立ちあがっちゃうかは、1歳代では躾というより、その子の性分なんじゃないかと私は思ってるんだけど、ともかくサクは後者です。そして、卓上の箸やスプーンやフォーク、ストローをすべて集めたり、人の皿のものを食べようとしたり、全員に乾杯を何度も強要したり、それにも飽きたら卓を離れて歩き(走り)まわろうとする。

●家でも、座卓で食事の我が家では、食べるのに飽きたらすぐに歩き回り始めるもんなあ。もちろん、それを許している親が悪いんだろうし、だんだんにしつけなければならないことです。しかし、なだめてもすかしてももちろん叱りつけて縛りつけても、嫌な時は絶対に口を開けないサク。小柄だし小食ぎみのサクを毎回叱りながら食べさせては、「食事=楽しくない時間として認識されてしまってますます食べなくなるのでは」という思いもあり、「今はとにかく楽しくおいしく食べること」を第一義にしてるからなあ。

●自分が子どもをもつ前は、「チッ、このくそがきにばか親」としか思っていなかったけど、子どもが騒ぎまくるのに苦慮する親…という一幕の裏にも、いろんなものがあるですよ。や、もちろん、こういう状態なので外食はなるたけ控えているし、行った場合もできるだけ対策はしているのだが…。なんか言い訳がましいな。

●子育てを、する人も、される人も、それを見る人も、持って生まれた性分や置かれた環境、考え方は千差万別だ。自分の子育てのやり方を批判・非難されることは陰に日向にあるはずで、それはこれからずっと、覚悟しておかなければならないのだろうなと思う。甘んじて受けつつも、私はこうなのだ、と思えればいいんだけど、まあ難しいだろうな。

●話は戻って、サクさん。家でもすごいよ…。まず、最近のお気に入りの遊びその1は、キッチンの一番上の引き出しを開けて、カトラリー類、箸類とそれぞれ分けていれているケースを(ものごっつ背伸びして)引っ張り出し、床に置いて座り込み、床にぶちまけていくこと。しかも、ママが「だめだよ」と言うのはわかっていて、ママの気を引きたいときにするのだ!私が家事をしていて、「あそぼー」と腕をひっぱられても振りきったりしたあとに、私の顔をちらちら見ながら始める。「あっそー遊んでくれないなら、これやっちゃうよー」と言わんばかり!

●最近のお気に入りの遊びその2は、下駄箱ぶちまけ。下駄箱の取っ手に手が届くようになり、靴をぜーんぶひっぱりだす。これも、ちょっと手が離せないときに、危ないものはないし、まあ後で片付ければいいか〜と思ってしばし黙認、「サク〜こっちにおいで〜」と呼びもどすと、戻ってきたほっぺが真っ黒! 片手にもった靴墨チューブからちゅるーと出して人差指でぬりぬりぬり、とやって、キャハーと喜んでる。ぎゃーーー! そういえば、こないだ、軟膏のチューブでも同じことやってたわ…。蓋を回し開けるのが達者なんだよね…。ママのスキンケアや化粧の真似らしい。まあ、食べるものじゃないと察しただけ、上出来か…。

●パパが仕事から帰ってくると「おっし!」と言って片手を挙げてあいさつ。これは、パパの真似。

●誰が何をしてくれたのか、ちゃーんと覚えていて、夫とふたりで散歩に出ると、すぐに抱っこをせがむ(のだそうだ)。また、夫の手を引いて台所まで行き、足にしがみつく仕草で抱っこをせがんで、抱っこしてもらうと、高いところにある戸棚を指さして「開けろ」と指示(そこにはお菓子が入っている)。これはいわゆる「異種情報タイプ」の指さしで、これが出たら二語文の発話も近い、というのが理論であるが、はてさて*1

●ことばについてはまた別項で書く。

●いやいや、は言葉では言わないけど、体全体での主張がすごい。こういうときにうまく対処せねばな、と平常時は思いつつも、いざその場になるとつねに適当に処理している気がする…。寝っ転がってジタバタして泣きわめく姿を写真に撮ったり…。

●かわいい姿ももちろんある。ついに、ついに「おっぱい」と言うようになった。1歳9か月になっても「おっぱいに勝るものなし」なおっぱい星人のくせに、この日が来るのはけっこう遅かったわ〜。ターッ、と近寄ってきたので膝をついて抱きしめてあげると、すかさず胸元に手を差し入れながら「お、ぱい」と言うサク。「だめだよ〜」と優しく拒むと、「ぽー!」と言いながらぺちんと叩かれる…。こくこくとおっぱいを飲んだ後で、口を離して「お、ひ、ぱい(=おしまい)」と言うときもある。ま、そのあと、もう片方のおっぱいにうつるだけだが…。

●そして、ちゅーを覚えた! 「ちゅー」と言ってちゅーの口をすると、ちゅっ、としてくれるように。しばらくすると、「ちゅー」と言いながらちゅーしてくれるようになった。今では、私が寝たふりをしていると、ぶちゅーちゅっちゅっとやって起こしにかかられる。そんな技はいっこも教えてないんだが…。

*1:ちなみに、同一情報タイプは、犬を指さして「犬だよ〜」と訴えるような指さし