師走の八

●12月某日: そういえば、明け方も、朝起きてからも、なんだかぐずっていたよなぁと、あとになってみれば思うのだ。なかなか熟睡しないサクにつきあったので睡眠不足気味に起き出し、あわただしく準備をして予約していた美容室に行く。帰ってくるとサクは午前中からもう寝ていて、明け方熟睡できなかった分を補っているのかなーなんて解釈していたが、起きてくると、機嫌はいいものの昼ごはんをほとんど食べようとしない。夫が担当した朝だって、ふた口、み口くらいしか食べなかったらしいのだ。腰を据えて食べさせようと膝に座らせてみて、ふと、「ん、熱い?」と気づいた。測ると39.5度。こんな高熱は、サク、生まれて初めて。夫と相談し、区の保健センターの休日診療に連れて行くことに。たまたまかかりつけの先生が今日の担当医だった。「あらら、どうしたのー」と聞かれてかくかくしかじかと説明すると、「鼻も咳も全然ないし、これ、もしかしたら突発性発疹かもよ」とのこと。うわーそうくるか。1歳になる前後にかかることがほとんどというこの病気、サクは免れたまま大きくなるかなーと思っていたら、1歳5ヶ月半できましたか。発疹が出るまで確たる診断はつかないのだが、まあ、そうだと思うと重症化するおそれは低いので、なんとなく安心して帰る。サクさん、坐薬記念日。さぞかし抵抗するだろうと思いきや、じーっとしてる。動きは鈍いが機嫌は悪くないし、夜ごはんモリモリ。

●12月某日: とにかく熱が高い。坐薬の解熱剤を使っても、38度半ばほどまでしか下がらず、しかも2,3時間でその効果も切れているようだ。夜中、泣いて起きているサクの体が火の玉のように熱い。40.5度。さすがにドッキリして夫を起こす。「さっきの坐薬からまだ6時間しか経ってないけど、また使ってもいいと思う? いいよね?」「うん・・・押さえとこうか? 電気つけよう」果たして、無事に坐薬を注入して電気を消すと、「どうしよう、大丈夫かな、サク」とひきつけ・けいれんなどの心配がよぎっている私をよそに、「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ」と言い残して、みるみるうちに眠りの世界へ落ちていく夫・・・。スー、スーとサクよりも先に安らかな寝息が聞こえてくる。こういう夫の態度は、いつも、なんとなく私を安心させる。明けて朝からまた一日中、熱が上がって、坐薬を使って、を繰り返す一日。夕方前からは機嫌も悪く、わたくしも多少疲れる。夫は忘年会だったがさすがに多少早く切り上げて帰ってきてくれた。ご機嫌なほろ酔いさんに私もサクも和む。

●12月某日: この2日間、熱が高くてどうも熟睡できなかったのを取り戻すかのようにこんこんと寝続けるサク。そして朝8時になっても9時になっても起こさず寝かし続ける私。やっと10時に起きてきたので、「こんだけ寝りゃ、熱も下がったんじゃないかしら」なんて期待してみるも、今日もやっぱり火の玉おサク。ま、寝てる間もたいして汗かいてなかったしね。しかし本人、とりあえず睡眠不足を解消したのか、熱に慣れたのか、やたらご機嫌でハイテンション。しかし夜ごはんのお粥とかスープには手を出さず。しょうがないので「なんか胃に入れてくれないか」とプリンをさしだしてみると、せっせと食べていた。そして、熱が出て以来、パイ、パイの日々である。せっかく、やっと昼間の卒乳に成功しかけたとこだったのに・・・。ていうか、昼間のパイをやめたとたんにウイルス感染したってのが正確なところか。