『家政婦のミタ』第7話

ミタさんの演出をするにあたっては、明らかに能に使うお面を意識しているはず。無機物であるお面は、いつでも同じ顔のはずなのに、場面に応じ、また見る者の見方に応じて、笑っていたり泣いていたり、微妙に異なる表情に見える。松嶋菜々子は少しずつ違う顔を作っていて、しかも、回が進むにつれてその振り幅は少しずつ大きくなっていっている・・・気がする。というのは、視聴者である私が、このドラマにのめりこんでいる証拠でもあるのだろうが笑

この回の最後、パリッとした白いシャツを着て「行ってきます!」と出て行く恵一を見送るミタさんの無表情は、透徹として見えた。仕事までクビになっといて、あんなに颯爽と出て行くってのがまた、あの父ちゃんのダメっぽさで可笑しいのだが、ともかくも、ダメ父ちゃんも子どもたちのことも、見ているこっちはいつのまにか随分応援もしているし、うららちゃんが踏むドジだってもはやかわいくて、「はい、またドジひとつ、いただきました〜喜んで〜!」的に笑ってしまう。なんだか今回でスッキリひとつケリがついた形になったけど、予告を見たらまた、引きが強いこと強いこと。今明かされるミタさんの過去!ってのはもとより、ミタさんとうららちゃんの入れ替わり劇って、なんですかその楽しいお遊び。単純に考えれば誰かの夢オチなんだけど、それにしても見たい。見たいぞ!