10/26 三谷幸喜@スタジオパークからこんにちは

いかん、書いてからアップするの忘れとった。

表情を変えず独特の間でボケを挟んでくる三谷さんに、純粋まっすぐちゃんなスタパのアナふたりはついていけるのかしらん? と思っていたが、なんのことはない、三谷さんはちゃんと優しい球を投げていた。だてに長年、舞台の演出してるわけじゃなくて、相手のキャパを的確に読めるし、生放送への対応能力もあるってわけなのね。てか、私、スタパのアナのこと心配しすぎか・・・。

だいたい三谷さん、なんと、スタパの出演回数は最多タイらしい(タイであることを本人は悔しがってみせてた)。そっかー、大河とか三銃士とか、けっこう長丁場のやってるもんね、NHKで。

震災後もPARCO劇場で「国民の映画」を上演し続けた三谷さんが、そのとき舞台上で行った挨拶を、アナが読み上げる一幕。私は当時すでにネットで読んでいたのだが(http://blog.parco-play.com/playblog/2011/03/post-c929.html)、この挨拶を披露したのはナイス台本だと思う。あれこれ聞き出すよりも、震災については、この文章こそが過不足なく彼の思いを語っていると思うので。

印象的だったのは、作風の変化について語られたところ。「古畑」や「王様」に代表されるように、かつて三谷幸喜といえばコメディというイメージで、自分でも「(見た人の心に)何にも残らなくてもいい、ただ、とにかくそのとき、笑ってもらえれば」と思っていたそうだけれど、近年は変わってきた、悲劇的なものとか、人間の内面を深く掘り下げるとか、これまでと違うものを書きたいと思うようになった、と。

その傾向は彼の近年の作品を見ればおのずとわかることで、人形劇の「新・三銃士」は子供向けとはいえよりストレートな成長譚だったし、フジの「我が家の歴史」も笑いに重点をおいたドラマではなかった。舞台作品はもっと顕著で、「グッドナイト スリイプタイト」や「国民の映画」はシニカルだったりシリアスだったりするみたいだ。


興味深かったのは、それら作品の傾向が変わるきっかけが、大河「新選組!」を書いたことだった、ということ。

大河を書く以前にもじゅうぶんなキャリアのあった彼だが、やはり、1年間という長いスパンで、歴史を生きた幾多の人間の人生を追って書くというのは、創作のスタンス・・・もはや人生観、とすら置き換えていいくらいだと思うんだけど、そういうものすら変えてしまうのだなあと思った。

追記。11月に入ってからの『プロフェッショナル仕事の流儀』も見た。ノートの切れっぱしみたいなのに三谷さんが手書きしたドラマ(中井貴一鈴木京香でやるやつ)の構成表ってのがチラリと映ったけど、すごい書き込みだった。見てみたーい! シナリオは普通にwordみたいなテキストエディタで書いてた。いちばんびっくりしたのは、小林聡美の荷物を運び出さんとする大型トラックを指さして「今、引越しの最中なんです」と言う三谷さん。聡美さんもよく撮らせたな・・・!