Born To Run

なんのオチのある話でもありませんが。

NHK杯エキシビション、男子シングル3位・アメリカのロス・マイナーは、現地で買った「北海道」Tシャツにねじり鉢巻で登場し、会場は大盛り上がりだった。

曲はブルース・スプリングスティーンの『Born To Run』。ハタチの彼は、この曲にどういう感覚を抱いているんだろうか? まあ、嫌いならEXで使うこたぁないだろうが。

1978年生まれの私にとってすら、生まれる前の曲だ。最初に聴いたのは、宝塚歌劇天海祐希が歌ってたときだと思う。人生で3年間くらい、NHKで時々放送される宝塚を見てた時期があるんだけど、宝塚って、新旧問わず有名な洋楽に勝手なアレンジで、勝手な(本当の詞の和訳でない)日本語をつけて歌うことがよくあるのな。ま、著作権的許可はとってんのかもしれんけど。

天海さんとか真矢みきさんとかが2番手〜トップに上がるころで、偶然とはいえ、当時の彼女たちを見ているのは、私の人生における喜びのひとつであるのだが(笑)、くだんの曲は、涼風真世をトップスターに擁する月組の『PUCK』という歌劇の中で、2番手として出演していた天海さんが歌った。余談だけどこの『PUCK』、たぶんシェイクスピアの『真夏の夜の夢』が原作で、音楽は松任谷由実、衣裳は高田賢三が担当して(多分・・・)て、妖精パック役の涼風さんがすごく似合ってて、面白かったと記憶しています。

で、その『PUCK』で天海さんが歌うのを一緒に見ていた親友との一致した意見は、「なんか、尾崎みたい」というものだった。それは、尾崎が死んだ年だったんじゃないかと思う。そのころ中学生だった私たちは、尾崎豊のドンピシャ(死語)なリスナーの年代ではない。彼が死ぬ前からその音楽をある程度知っていた、という面では、まあ、早熟なほうだったのかもしれないけど。

ロス・マイナーのエキシビションの演技を見て、初めてあのときの歌がブルース・スプリングスティーンの有名な曲だって知ったんだよね。スプリングスティーンは、デビューのころから、尾崎が好きだと言っていた歌手だった。

なんか、うーむと思ってしまったのだよ。20歳のロス・マイナー君、今も輝いてる天海さん、今の私と親友、約20年前の私と彼女、その年に死んだ尾崎、その10年前の彼のデビュー、それよりもっと前に作られたブルース・スプリングティーンの曲「明日なき暴走」。