『生きるコント』 大宮エリー

生きるコント

生きるコント

確か、出版されたときかなり話題になった本だと記憶している。図書館で見つけたので借りた。人気作を読んだ、という手ごたえがあった。いやー、面白い人だわ。脚本家であり、CMとか映画とか作ってる・・・らしいけど、彼女の代表作は?と言われれば、まだよくわからない。それでも文春でエッセイ書いて本を出しちゃうんだもん。東大を出て電通に入ったような人(東大受験のエピソードすごくおもしろかった)。もちろん軽妙な文章も巧いんだけど、なんたって題材。ほとんどが自分ネタ、しかも自虐ネタ。やっぱり突き抜けてるわー。すごく変わり者で、すごく繊細だけどいろいろあってすごい強さも身につけました、って感じ。でもこれからも人生は長い、生き馬の目を抜く世界でフリーの小娘ひとりでやっていくのはいろいろ大変だろうけどがんばって!と思った。んで、最後のおすぎさんとの対談で、彼女(彼、か?おすぎの代名詞は。)がエリーに向かって言う言葉がすごくよかった。

個性が際だつと、疎外されるのよ。群れる人には共通項があって、共通項があるということは、個性がないってことだから。

おすぎが言うと説得力あるなー。地方の小さな映画祭みたいなのもマメにまわって、しかも自分のポケットマネーで予算の乏しい映画を上映にかけたりとかもしてるらしいおすぎ。「このエッセイ、全部あんたの自慢話じゃないの」とばっさり切り捨てながらも、そんな含蓄のある言葉をかけるおすぎ。ステキだ。