まだ誰も知らない君の

目が合うと、ニッコリと笑う。あやすとキャッキャと声を上げて喜ぶ。席を立つと途端に泣き出す。サクを見てると、人間って原始、人が大好きで、かつ、淋しがりなんだなーと思う。赤ちゃんのころって、きっとみんなそうなんだよね。同時に、その姿を見て、ほんとにかわいい、守ってあげたい、笑っていてほしいっていう自分の気持ちも、人間として備わった本能なんだろう。

それとは別に、「きょうだいなのに、生まれたすぐから全然違ったのよ」なんて話を聞いたりすると、人にはそれぞれ持って生まれた性質のようなものがあるんじゃないかと思うが、サクはいったいどんな子なのかなあ。

首疲れない?!てぐらいキョロキョロして親の動きや家の中をよーく観察してるようなので、好奇心旺盛(あるいは落ち着きのない子)なのかなと思ったり。お調子者かなとか、愛想がいいのかなとか、親バカらしくいろいろ想像している。「これぐらいのころって、みんなそうなんじゃ?」と言われたら返す言葉のないことばかりだけど。

はたまた、遺伝についても考える。私は夫をかなり好きだし、生きていくのにとてもいい性質だと思うので、彼に似るといいなと思う反面、自分に似たところを発見するって面白いだろうなーとも思う。多少気難しく自意識が強くオタクっ気があったとしても、私もまあまあ楽しく生きているし悪くないんじゃないかと。

まあ、「ここは私に似ろよ!」「そこはあっちに!」て感じで、人間、そううまいこといかないんでしょうけどね、実際は。自分のウィークポイントをさらってみても、「そいえば親もこうだな・・・」てことあるもんな、いろいろと。あと、DNAレベルで組み込まれたものと、親子として一緒に生活していく中で似てくるものと、両方あるだろうが、その見分けってつかないんだよねえ?

元気に育ってくれればそれが一番だよねといつも話しているものの、やはり大きくなるにつれて、成績が・・・とか友だちとの関係が・・・とかでも悩んじゃうんだろうな、それはけっこうつらいだろうなとか。全っ然モテなかったりするのも淋しいなとか、自分からすごく遠い価値観を身につけたらどうしよう(生粋のアキバ系、戦場カメラマン、市民運動家・・・いくらでもある)とか。あわせて、ジャニーズに入っちゃったりして〜みたいなアホな方向の妄想も。

もちろん、何もかもそんな真剣に考えちゃいませんよ。今はアヒャヒャとはしゃいでるだけの無邪気な子どもを見ながら、愚にもつかないことがつらつら思い浮かぶのです。