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誰かが髪を切っていつか別れを知って太陽の光は降り注ぐ

日々 妊娠

●6月12日(土)
いつも以上にしょっしゅう目が覚めて、お腹に意識がいく。ゆうべ言われていたとおり、朝7時に助産師さん、10時に先生に電話して経過を報告。その間には1時間の散歩(助産師さんに“行っていいわよ〜”と言われた。行っとけってことよね・・・)。子宮口が少しずつ開きかけていることに伴う出血であって、緊急性はないだろうということ。念のため、プールは休むことになる。

ほっとして、夫作のかきあげ付き冷そばを食べたあと2時間ほど昼寝。うちの寝室は午後にはかなり熱せられるので暑さでやたらと目が覚めるのだが、そのたびに夫が家の中で忙しく立ち働いている気配がする。クローゼット、押入れ等の整理や惣菜作りに励んでいたようだ。タローちゃん偉いのう。。。と思いながら汗もふかずに寝続ける私。そんな私を少しも責める気配なく、起きるまで待って、起きたら「散歩がてらスーパーに行こうよ」と誘う夫。人間の出来が違うとはこのことか。

この辺ではいちばんお高いスーパーに珍しく行って、豆腐や夏みかんなどを買う。どちらも値段だけはあるうまさだった。夜ごはんは、きびなごの唐揚、水餃子、きゅうりとわかめの酢の物、冷奴。むろん夫によるもの。

W杯は韓国−ギリシャ、アルゼンチン−ナイジェリアという好カード続きで、別に見る気はなかったけどついついずっと見てしまう。スターがスターらしい姿を見せてくれる快感。高いレベルで実力が拮抗していることによる飽きさせない試合展開。サッカーってこんなに面白いものだったのね。

●6月13日(日)
リビングのカーペットをしまってゴザを出した日曜日。朝イチで洗濯をしたあと、夫の車で大濠公園まで行って散歩。大濠公園、なんて久しぶり。妊娠してから初めてってことは、歩くためにここに来るのは初めてってことだ。どんなスローペースだろうと、ジョギングしている人々がものすごく身軽に見える・・・。またいつか、自分にも走れる日がくるのだろうか。家のタンスに眠っているたくさんのジョギングウェアやグッズちゃんたちが頭をかすめる。

周回2キロの大濠公園は、内側から散策、ジョギング、自転車とそれぞれコースが推奨されている。思えばインコースをまる1周歩くのも初めてだったかも。しかも、歩くペースなので、なんだか見える風景が違う。妊娠ってこういうことだよなあ、と思う。

それまで走っていたり、自転車を使っていた道もことごとく歩くようになって、路傍に植わっている草木や花なんかに、やたらと目がいくようになったのには我ながら驚いた。電車を降りていっせいに歩き出す人波の中で自分が遅れをとること。街中で「ちょっと座りたいな」と思ったときにベンチがあることのうれしさ。市民プールに通っているおじいさんおばあさんが、全身しわくちゃでも足をひきずっていても、まー尽きないお喋りをいつも交し合っていること。区の図書館が、蔵書にしろサービスにしろ意外に充実していること。公衆トイレに入ったときにベビーキーパーやおむつ替え台の有無を気にすること。

この半年強で、これまで見なかったいろんなものを見たもんだ。

公園の敷地内には最近スターバックスが出来た。休憩がてら入ってみると、やけにゆったりとしたテーブルやソファに陣取って、全面ガラス張りの窓の向こうに、人や犬、こどもが走ったり歩いたりするのを見るようなつくりになっている。カウンターでは、パソコンをつないで仕事をしているようなうら若き男性も。ここは外国か? ニューヨークのセントラル・パークの日曜の朝か?! と錯覚するほどだ(知らんけど)。「市は坪いくらで貸してるんだろうか、ここ」と、夫とひそひそ言い合う。

本日も引き続き夫の料理が続く。昼は高菜チャーハンとサラダ。夜は、ハンバーグ、なすの揚げ浸し、根菜の味噌汁とサラダ。おいしすぎてメロメロ。

お腹の子が出てくるのは本当に楽しみだし、早く会いたいなと思う反面、生まれたらしばらくは夫と離れ離れになること、夫婦ふたりの穏やかな生活が終わることは寂しくてしょうがない。と、夫に胃袋をがっちり掴まれている私は真剣に思うのであった。