『チェイス〜国税査察官』

見てました。第1話ぜんぶと、第6話(最終話)の最初の20分以外。
見逃した部分は、ネットやなんかで情報を補完したつもりなんだけど、それでもハァー?と狐につままれたような最終回だった・・・。うーん、私の理解力がないのか?

父への復讐劇と思わせといて母親が出てきたときには「うおっ」と思ったものだったが、鬼のような母を村雲(ARATA)は憎んでいたのか、それとも、それでも愛していたのか? 愛憎半ばする葛藤に苦しんでいたのか? その辺もよくわかんなかったし。「褒められたかった」って言われても、それだけじゃ、ちょっとあまりにも納得しがたい。

「人を突き動かすのは絶望じゃない。、いつだって希望のともしびなんだ」
だったっけ。せりふとしては超かっこよかったけど、それをどう解釈したらいいんでしょうか。素直に、最後は破滅したといっても、希望によって疾走させられたARATAさんの人生は悪くないもんだった、と思えばいいのか? でも、無理だよー。だって主人公の妻とか上司とか死んでるんだもん、そのせいで。

そういうバッドエンドも含めて「おもしろかった」のだろうか? 「語りすぎないところ」「救いのなさ」がよかったというべきなのか? うーむ。

や、すごく面白かったよ、見てる6週間(正確には私が見たのは5週だけど)。毎週どきどきしてさ。でもさ、別に、ドラマに「メッセージ性」とか「答え」がないといけないわけじゃないけど、なんか、そういうのがありそうな雰囲気を、途中ずっと見せてきたわけじゃないですか。このドラマ。それをあっさり裏切られた感があって、微妙に不満。

だいたい、どんなB級映画だ?!ていう既視感爆発の車の炎上はともかく、古畑さんかコナンくんかってぐらいの敏腕刑事・・・じゃなかった国税査察官を演じていた江口洋介が、刺されたことにまったく気づかないわ、ていうか国税にがっちり見張られてるはずの斉藤工くんはあっさり刃物で刺しちゃうわ、麻生久美子はまったく罪に問われないようだし、なんか、そういうディテールが雑に感じられたってのがかなり残念。あと、江口の娘はなんだったんだ・・・。

せっかく、ARATAくんが寸分の隙もない村雲像を作り上げてたってのに・・・。そう、ARATAの演技をこのドラマで初めて見ました。麻生久美子も、いまいち役柄が魅力的でなかったのが残念とはいえ、すごくきれいでエロくて存在感あったし、江口洋介は好き嫌いハッキリわかれるところ含めて、「主役の看板」を背負う器を見せてくれたし、奥田瑛二益岡徹田中圭もよかった。

それだけに、それだけに! 最終回が悔やまれる。そして同じ脚本家の「Mother」のラストがちょっと心配になった・・・。

最後に、国税局のエリートは、確かに江口くらい観察力・分析力あるだろうと思います。地方勤務の人たちも、うちんとこのようなしがない地場企業に対してだって、それはそれはしっかりしたシナリオ作り上げてきてたもんね、税務調査。そいえばあたし、「マルサの女」見てないな。