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ボコボコちゃんといっしょ

妊婦とそのご主人のみなさん、お子さんをおもちのみなさん、その子がお腹にいるとき、なんて呼んでました? 今は「胎児ネーム」なんて言うらしいですね。

ネットなど見てると、「ベビちゃん」「ベビ男」などダイレクトなものもあれば、「ひよこちゃん」とか「りんごちゃん」のようにかわいらしいもの、「宇宙人ちゃん」とか「ムンク」とか、超音波映像の見栄えからつけてると思われるものなど、人それぞれですよね〜。すでに生まれてからの名前を決めていて、その名前で呼んでる人たちもいますね。

授かったわが子は当然かわいく、胎動が始まれば面白く、腹の子とのつながりを感じて安心するもの。動いているのがわかる前から常にその存在を感じていたし、動けば思わず腹も撫でるし、声もかけたくなっちゃいます。

私の場合、最初は、「ちびっこの中のちびっこ」とか呼んでた気がする。夫が私のことを「ちびっこ」と呼ぶことがあるので、赤ちゃんは、そのまたちびっこですもんね。夫と、「ちびっこの中のちびっこは元気かな?」と話したり。

そのうち、「ちびっこの中のちびっこがプクプク動いてるよ」と夫に報告できるようになった。最初の頃の胎動は、お腹のなかで泡が弾けているような感触だったのだ。そのまま、「プクプクちゃんがね〜」と呼びならわしたり、腹に向かって「プクプクちゃーん」と呼びかけるようになる。しかし、だんだん手足が伸びるにしたがって、その名はふさわしくなくなってしまった。プクプクちゃんは、いつしか「ポコポコちゃん」になり、今では、「ボコボコちゃん」「どんどこどん」「ぐりんぐりん」など、そのときの動きに応じて、その活発・・・というか傍若無人な動きにふさわしい名前(なのか?)で呼んでいる。

また、別の切り口(?)では、おなかの中にいるという意味で、そのまんま「おなかちゃん」と呼ぶこともある。まあ今でもそう呼ばなくもないけど、なんせ外から見ると立派なもんですから、「すいかちゃん」とか「太鼓ちゃん」とか呼ばざるを得ない。かわいらしく、「ぽんぽこりん」とか呼ぶときもあるけどね。

妊婦ってものすごくレアな存在だ。働いていたときも、大きくない会社だったのでオンリーワン(笑)だったし、町をふつうに歩いているときも、電車に乗ったときの同じ車両の中にも、妊婦はたいてい私ひとりしかいない。すいか大ともなると、着られる服も限られるし、反った腰、やや開脚気味の歩き方になっちゃうし、駅の階段を上っただけでフーフー息を切らしていたりする。

ま、そんな人がいようといまいと、基本的に周りはたいして意にも介していないというのが実際のところだろうけど、なんとなく、恥ずかしくなったり、歯がゆく思ったりすることもある。それでも、このおなかちゃんを見るとねえ。特に、風呂上がり、つまり裸の腹がすいかになっているのを見ると、なんともいえず、不思議で、幸せな気持ちになる。自分の腹なのに「かわいいねえ、よしよし」という感じである。

いま、妊娠33週に入ろうというところ。9ヶ月めだ。生まれたら、きっともっとかわいいんだろうけど、この時期、「赤ちゃんがおなかから出ていってしまうのがちょっとさみしい」ような気がする妊婦は、私だけじゃないと思う。無事に生まれて元気に育ってくれれば、私はずっとこの子の母でいられる。でも、おなかの中にいるのは今だけなのだ。出してしまえばこのボコボコ感が急になくなるなんて、今はそれも不思議な話に思うのだ。