『不毛地帯』 第13話・第14話

  • 第13話(1/30放送)

フォード自動車と国内の自動車会社を結びつける斡旋工作では遠藤憲一率いる東京商事に逆転負けを喫すも、唐沢寿明は総責任者の立場を強引に岸部一徳に奪われてたもんだからお咎めを受ける筋合いもなく、それどころか専務取締役に昇進。

いいねえ、この出世すごろく! 取締役部長、常務取締役、アメリカ子会社の社長、そして「事実上のナンバー2や」と社長に言わしめる専務取締役へ。とどまることなく階段を駆け上る壹岐正にカタルシスだわ〜。でも、こういう“わかりやすく出世してます”みたいな感じにしっくりくる視聴者って、今は少ないのだろうとも思う。

私は200人以下の規模の、大きすぎず、しかしピラミッドがガッチリ定まっている組織の一員だし、出世競争や社内の派閥争いみたいなものも間近で見ていて、だからこういうドラマもある程度リアリティを持って見ているが、組織とそういう関わり方をしている人って、そう多くないかもしれないし、あるいは関わりすぎてて、家に帰ってドラマでまでも見たくないって人もいるだろう。

それにしても、大門社長こと原田芳雄と唐沢のやりとりといったらどうよ。
「わしは君になら騙されてもいいと思うて、反対派がいることも承知の上で専務に引き上げたんや」
「組織を率いる器でないことは自分が一番わかっています。私は社長を絶対に裏切ることはありません」
「・・・・・。君はそういう男や」

しかし、唐沢が退出してから、その場面を脳裏で繰り返す原田芳雄。こんなこと、明確に言語化しちゃったら、ドラマの展開としては裏切ることになるってのがお約束でしょう〜?! どうせ、このドラマでの唐沢のキャラから言うと、「心ならずも相手を陥れる結果に・・・」という流れになるんだろうけどさ。原田芳雄に対してその展開は、見ている側としてはちょっとストレスかも・・・。

  • 第14話(2/4放送)

オープニングタイトルが出てくるまでの15分弱、石油鉱区の情報を得るために奔走する兵頭(竹之内豊)に釘付け。一気に見せる演出がスリリングだった。紅子(天海祐希)が艶然と笑って「こちらがハバシュさんよ」と紹介し、握手をかわしたときには、テレビを見てるこっちもガッツポーズしたいような気分だったよ。てか天海祐希、セレブすぎ、顔広すぎ! そして毎度コスプレ楽しい! 今日は乗馬服と、これでもかってくらい背中の開いたナイトドレスだった。そして竹之内はなーんてかっこいい男なんでしょう。若いころより断然好きだなー。

対照的にそこからはストレスのかかる展開。案の定、原田芳雄の社長とは不協和音が生じ始めているし、石油なんちゃら機構のトップには「お、おまえかー!」て感じで段田安則がまさかの再登場。親友・柳葉敏郎を葬ったこの仇敵を相手に、唐沢にしてはツメが甘すぎる交渉の運びで、結局遠藤憲一に出し抜かれちゃってさ・・・。ま、遠藤憲一の演技が面白ければそれでいいんだけども。

で、いちばん苛々させるのが唐沢と小雪のカップル。いい年して、何をぐじぐじやっておるのだ! どっちもどっち! 幸せには程遠いと思われる、この二人の陰気さよ。