『龍馬伝』第2話「大器晩成?」

大河ドラマというにはあまりにも斬新な撮影方法や演出にひたすら面食らった第1話から立ち直ると、「ふーんなるほどね」ってな感じに平静に見られた。脚本の福田靖が描くヒーロー像は、彼が民放でやってきたキムタクや福山に対するものと、基本、相違ないんだな。

カメラワークや映像の暗い色彩、場面場面の切り方、うるさいBGMなんかが、これまで大河ドラマを支え続けてきた層(主に高齢者層)には受け入れがたいものじゃないかと危惧するが、これぐらいわかりやすい脚本なら意外とだいじょうぶかも。既にちょびっと見られるご都合主義に、今後偏りすぎないことを祈る。

製作側は「新しい龍馬像」なんて躍起になってるようだけど、若き日の龍馬が才気煥発というよりは茫洋とした青年だったというのは、司馬遼太郎竜馬がゆく」でもおなじみだと思うんだけどな。福山さんはやっぱり役者ではないので、茫洋とした表情が時にガリレオみたく理知的な思索にふけっているように見えてしまうのはもうしょうがないか。でも、精巧な演技ってわけでもないのに、齢40にして青臭ーい感じがてらいなく出せるって、やっぱりとっても稀有な存在なのかも。そして、あの無邪気な笑顔! そりゃあ確かに、どいつもこいつもほだされるわ〜っていうすごい説得力がある。

対する、香川照之岩崎弥太郎。すごいね。第1話の冒頭、明治になり三菱を率いて屈指の富豪となった弥太郎が、大勢の人々を集めてのパーティーで壇上に立つ。その扮装だけでは、「うわー、やっぱり、先週までの『坂の上の雲』とかぶるなあ・・・」と思ったのだが、「わしゃー・・・」とスピーチを始める第一声で、完全にノボさん(正岡子規)が払拭された。別人! 

そして時代は遡り、今の弥太郎といったら。歯の一本一本までにわたる徹底的な「汚し」もすごいが、演技がやはり半端じゃない。貧乏、卑屈、偏屈者・・・といった役どころは昔から彼の十八番なんだろうけど、『利家とまつ』の秀吉役や、『巧名が辻』の六平太役なんかやってたころに比べると、どうも役者として飛躍的に進化したんじゃないかと思う。今後も楽しみ。

あと、竜馬、弥太郎、それぞれ父親の描写がすごく泣かせるー。厳格だけど親馬鹿な坂本八平児玉清(大河でクレジット大トメは初めてじゃなかろうか、おめでとうございます)。家族を愛してるんだけど酒と博打と喧嘩がやめられないどうしようもない岩崎弥次郎蟹江敬三。このあたりは脚本自体がすごくよくて、福田靖の意外な才能を見た思いだ。

女優陣、寺島しのぶ奥貫薫の茶色い化粧がすごくいい。竜馬の家の女所帯の様子もいいね。広末さんは、いつもの広末さん。んー、今は若い設定だからああいう演技をしてるってことでいいんですかね。貫地谷しほりの千葉さな子、早く出ないかなー!